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Case 96「××××フレちゃん」

魔法専門学校も夏休みに入った。期末テストは万が一の事態を想定しておむつを履いて臨んだ。

その期末テスト最後の古代魔法語のテスト中におむつにおもらしをしてしまうトラブルもあったが、点数はクラスで比較的上位に入ることができた。どうやらボクのいる4組は他の人のレベルも高いようだ。


そんな夏休みに入ったある日の日曜日。ボクはテレビでお笑い系の24時間超特番を見ていた。24時間超の特番、前の世界では夏に2つあったが、この世界にも24時間以上ぶっ通しでやる特番がある、その数はなんと夏に3つ、春に1つだ。ジャンルはお笑いバラエティー・バラエティーに全振りしたチャリティー・あと音楽が2つ。4つもテレビの24時間超特番があるなんて、初めて知った時はびっくりした。


その特番を見ている最中のことだった。

フレイン「未青くん、ちょっと見ている途中ごめんね。」

未青「なに?」

フレイン「ちょっとこれ郵便局まで出してきてくれない?」

未青「分かった。」


ボクはセンセイに頼まれて、郵便局に一つレターパックを出しに行った。


その帰り道のこと。


「ねえ。」

ボクは突然誰かに話しかけられた。後ろを振り向くと、その人はセンセイと同い年くらいの女の人だった。

その人は続けてこう言った。

「あなたってフレちゃんのとこの転生者さん?フレイン・スノーウィーちゃん。」


どうやらその人はセンセイのことを知っているようだ。魔法で分析したところ危ないものを持っておらず危なっかしい気配もないから、返事をしてもよさそうだ。


「はい。」

「やっぱり未青くんで合ってた!」


その人はボクに会えたことがとても嬉しいようだ。

「あの… あなたは…?」

「ああごめんね申し遅れちゃった。私は『ルクリナ・ネリニス』。フレちゃんの私学校時代の友達なんだ。普段は庭囉ていらで癒師と私学校の職員の仕事をしているんだけど、夏休みだから帰ってきたんだ。」

「そうなんですか。」

「突然なんだけど、せっかくだからフレちゃんの家行ってもいいかな?」

「じゃあ連絡してみます。」


そう言ってボクは、スマホを使って家に電話をする。

(電話の音)

「未青くん、どうしたの?」

「あ、センセイ?実はさっきルクリナ・ネリニスさんって人に話しかけられて、『せっかくだから家行ってもいいかな?』って言ってたんだけど、いい?」

「ルクリナが来てるの!?じゃあいいよって伝えて!」

「分かった。」

(電話を切る音)


「センセイ、いいって言ってました。」

「本当!?じゃあ早速行きたいんだけど。」

「いいですよ。ボクも帰る途中でしたので。」


そう言ってボクはルクリナさんを家まで案内した。

(ドアのチャイムを鳴らす音)

フレイン「はーい。」

未青「センセイただいま。ルクリナさん連れてきたよ。」

フレイン「じゃあ玄関開けるから待ってて。」

未青「うん。」


(玄関を開けるフレイン)

フレイン「あールクリナ!久しぶりー!」

ルクリナ「えへへ。近くまで来たのとたまたま未青くんに会ったから。」

フレイン「凄い偶然!じゃあ上がって。」


家に上がるルクリナさん。青とうもろこしの葉っぱ茶を飲みながらリビングでセンセイとボクとの3人でおしゃべりをする。ボクがセンセイのことを「センセイ」と呼ぶ経緯は既に知っていたルクリナさん。当然、センセイはボクが家ではスカートをよく履くことも話した。写真も見せた。


「凄い可愛いじゃん未青くん。」

「えへへ… 今じゃもうスカートとかに対する抵抗は全くなくて…(苦笑)」

「やっぱり2年も履いてりゃ抵抗なくなっちゃうよね。(苦笑)」


すると、ルクリナさんはさらにこう続けた。

「でもそれにしても本当に初めて聞いた時はびっくりしたよ。あのおもらしフレちゃんが転生者引き取ったなんて。」


そのルクリナさんの一言に、その場が一瞬にして凍り付いた。


「ルクリナ… ちょっともう1回言ってくれない…?」

センセイから恥ずかしいような怒っているようなオーラが出ているのが感じ取れる。

「え?だってびっくりしたよ。あのおもらしフレちゃんが転生者引き取ったなんて。」

「もうルクリナ何言ってるのよ未青くんの前で…。」


ルクリナさんの口から「おもらしフレちゃん」という言葉が飛び出した。ボクも病院でおもらしをしてしまった時に看護師さんから「おもらし未青くん」と言われたことがあるだけに、意味は容易に察せる。少なくともルクリナさんの前では複数回おもらしをしてしまったことがあるということだろうか。


「未青くん聞いて。フレちゃんったらね、私学校時代はちょくちょくおもらししてたのよ。」

「センセイ?」

「そうよ。初めては入学から数日後の授業中だったかしら…。フレちゃんの席から突然水の音が聞こえてきてね。フレちゃんが私たちの代の授業中におもらしした人第1号だったのよ。」

「だってあれ私あの時初めて授業中にトイレ行きたくなったから、どうしたらいいか分からなくなって…」

「フレちゃんったらその後も授業中におもらししたことあったのよ。もう最終学年の1つ手前の年までやらかしてたかしら。他にも授業中ずっと我慢してたみたいで廊下やトイレのドアの前でやっちゃったこともあったし。」

「言わないでよあんなことこんなこと~!」

「私学校での最後のおもらしは私学校対抗運動会の時だったかなぁ… トイレの便器の目の前で盛大におしっこぶちまけたって聞いたよ。」

「ルクリナさん… それ、前にセンセイがボクに話してくれてました…」

「マジ!?あれ未青くんに自白したの?」

「うん…」


センセイは前にボクに、その私学校対抗運動会の写真を見せた時のことを話した。


「ああ成り行きで未青くんに話したやつだったのね。」


~その時の回想~

「間に合わ…なかった…の?」

「うん。借りていたスタジアムのトイレに全速力で急いだんだけど、個室の中、便器の目の前で盛大に決壊しちゃった…」

「そうなんだ… 大丈夫だった?」

「うん… あの後逃げるようにトイレを後にして、泣きながら救護班のところに行ったなあ。あと友達やお母さんが必死に慰めてたのも覚えてる…」

「全然大丈夫じゃなさそうだね…」

「うん…(苦笑)」

~回想終わり~


小さい頃はよくおもらしをしていたということはセンセイ自身から聞いていたが、まさか私学校時代も常習犯だったなんて。そんなことは初めて聞いた。

半年くらい前だったっけか。トイレを我慢しながら家に帰るも間に合わずトイレのドアを開けたところでおもらしをしてしまったセンセイ。そのことはルクリナさんには言わないでおいた。


私学校の頃まではおもらしの常習犯だったセンセイ。今もおもらし常習犯なボク。ボクをセンセイが出会ったのは運命だったのかもしれないと思えてくる。


その時突然、ボクの体にかなり強烈な尿意が走った。麦茶を超える喉越しの良さだが利尿作用がとても高い青とうもろこしの葉っぱ茶。それを飲み過ぎたせいだろうか。


「センセイ… ルクリナさん…」

「未青くん?トイレ?」

「うん… 青とうもろこしの葉っぱ茶飲み過ぎた… ヤバいもう漏れちゃう…」

「分かった。行ってきていいよ。」

「うん…!」


そうしてボクはトイレに急いだのだが…

(ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…)


トイレの便器を目の前に、盛大におしっこを漏らしてしまった。「これじゃさっき話題にも上がったセンセイの12歳の時の私学校対抗運動会の時のあれじゃないか」なんてことをボクは思った。


「センセイ…」

「未青くん?あー間に合わなかったかー。(苦笑)」

「未青くんやっちゃったんだ(苦笑)やっぱりフレちゃんと未青くん、惹かれ合うものがあるんじゃないかな?」

「そうみたいです…」

「もう何言ってるの未青くんもー!」


かつてのおもらし常習犯と今もおもらし常習犯。惹かれ合うものがあると思っていたのはルクリナさんも同じだったようだ。


ボクはセンセイに風呂場の入口まで付き添われてシャワーを浴び、いつものようにセンセイが用意してくれた服に着替える。


ルクリナ「未青くんおかえり。トイレの水たまりは私たちで片付けておいたからね。」

未青「ありがとうございます。」


そのセンセイが用意してくれた着替えは、水色のヒラヒラした感じのミニスカートだ。センセイが以前履いていた、いわばお下がりだ。


「あーこのスカートフレちゃんが履いてたやつだよね?懐かしいー。」

「そうだよ。ちょうど11~13の頃に履いてたやつだから、未青くんにもフィットしてね。」

「そうだよねー。フレちゃんったらこのスカート履いている時にもおもらししちゃったことあったよね。授業中におしっこ漏らしてこのスカートぐしょぐしょに濡らしちゃって…」

「実際あっただけに言わないで~!」


このスカートはルクリナさんやセンセイにとっても、「思い出」のスカートだったようだ。



「未青くん今日はありがとう。また来るからね。」

「ありがとうございました。」

「またねルクリナ。でも恥ずかしい話はあまりしないでね…」


その後ルクリナさんは家を後にした。

リビングがボクとセンセイとシャピアさんの3人だけになった時のこと。


シャピアフェ「フレイン。未青くんに過去のおもらしのこと、いろいろしゃべられちゃったわね。(笑)」

フレイン「そうだよお母さ~ん。」

シャピアフェ「学校から電話が来て、保健室に直行してフレインを迎えに行ったわ。懐かしいわねえ…」

フレイン「もうルクリナが家に来た後からさっきまでの未青くんの記憶消したい…」


自分のおもらしの過去をルクリナさんからボクにいろいろしゃべられてしまったセンセイ。そのセンセイ的にはボクの記憶を消したいほど、恥ずかしかったようだ。

-新しい設定付き登場人物-

ルクリナ・ネリニス(Lucrina=Nelinis)

フレインの私学校時代の同級生。24歳。魔法使いにして癒師でもある。癒師歴は9年。

私学校卒業及び魔法専門学校進学とともに京杜けいど近くの港町「庭囉ていら」に移住しており、今は癒師の仕事のかたわら私学校の職員として働いている。

夏休み等には必ず舞嗣遠に帰ってきている。

性格:おしゃべり好きな性格で明るく、コミュ力は非常に高い。ただ人の恥ずかしい過去や黒歴史をうっかり喋ってしまう一面もある。

得意属性:水・花

身長:約154cm

誕生日:7月22日

好きな食べ物:カヌレ

趣味:スイーツショップ巡り・ヨガ

特技:ジャズダンス・ヨガ・一度見た人の顔は絶対に忘れないこと

好きなもの:お笑いバラエティー番組

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