Case 90「入学の日!」
(どうしよう…!出ちゃう…!出ちゃうっ…!!)
(ジュジュッ、ジュウウッ、ジュ、ジュウウウウウウウウウウウウ…!!)
(ビチャビチャビチャビチャ…!)
緋音「未青!?だ、大丈夫!?」
(未青の嗚咽)
(あたりが騒然としている)
未青「はっ!」(ぐしょ…)
フレイン「未青くんおはよう。どうしたの?」
未青「おはようセンセイ… 中学校の、入学式の日の夢見ちゃった…」
今日は魔法専門学校入学式の日。そんな時に限って、ボクは2年前の今くらい、中学校の入学式の席上でおもらしをしてしまった夢を見てしまった。そのせいなのか、ボクは今日もおねしょをしてしまった。
未青「こんな日に限って… あんな夢見たくなかったよ…」
フレイン「そうだよね… せっかくの入学式の日なのに。おねしょもしちゃったんでしょ?シャワー浴びて着替えてジョギングしにいこう。」
未青「うん…」
センセイに言われるがまま、シャワーを浴びてランニングウェアに着替え、ジョギングへ繰り出す。
「あっ… ああっ…」
(ビチャビチャビチャビチャビチャビチャ…)
その帰り道に急に強い尿意を催した末、家の玄関のドアの前でおしっこを漏らしてしまったボク。
「未青くん。入学式不安?」
「うん…」
その不安さもあって、朝食も思うように進まない。
「未青くん、変に未青くんの不安な気持ち刺激するつもりはないけど、やっぱり入学式でおもらししちゃわないか心配なの?だって、今朝もおねしょしちゃった上に、さっきもおもらししちゃってたから…」
「うん…」
今朝だけで実質2回。これだけおもらしを連発していては今日この後の入学式がとても不安だ。入学式の席上でおもらしだなんて、ボクからしたらあれだけ楽しみにしていた魔法専門学校生活が、始まる前に終わるようなものだ。
「どうする?あまり言いたくはないんだけど…」
「センセイ?」
「パンツの下におむつ履く?」
ボクは一瞬迷った。おむつを履くなんて、魔法専門学校の受験をした時以来の事だ。受験の時に廊下でおむつの中におもらしをしてしまったボクだったが、おむつを履いていたおかげでボクがおもらしをしてしまったことは誰にも分からなかった。
(背に腹は代えられないや…)
そう思ったボクは…
「うん… そうしようかな…」
「分かった。着替える時に用意するね。」
「ありがとうセンセイ…」
朝ご飯の後は歯磨きをして、魔法専門学校の制服に着替える。青のブレザーに緑のネクタイ、それに黒いズボンだ。
「制服いつ見てもかっこいいね。未青くん。」
「ありがとうセンセイ。」
今後ズボンに関してはおもらしで汚すであろう未来が100%決まっている魔法専門学校の制服。でも少なくとも今日はそんなことはない。そもそもズボンに関してはおもらしで汚してしまうのを見越して同じものを3本も買ってある。
そして、出かける時間になった。
シャピアフェ「じゃあ、私も後で行くから。」
フレイン「お母さんもありがとう。行ってきます。」
未青「行ってきまーす。行こう。センセイ。」
フレイン「うん!」
家から舞嗣遠駅まで歩いた後、その北口のバス停からバスに乗って15分ほどのところにある舞嗣遠魔法専門学校。
学校の正門の前は、制服に身を包んだ新入生でいっぱいだ。写真を撮っている人もいっぱいいる。
「じゃあ未青くん撮るよー。」
「うん!」
「じゃあ、はい!チーズ!」
(シャッターを切る音)
学校の敷地に入るボクたち。建物は石造りだったりレンガ造りだったりで、廊下の床は木造になっているところなど、ボクが前の世界で見たアニメとかによく登場するような感じのファンタジー世界の学校と言っていい。一方ではエレベーターやエスカレーターもあったり、センセイから聞いた話ではパソコンルームや自販機、それにインターネットカフェもあるなど、この世界ならではなところもある。
校庭の他にも大きな中庭があって、そこには大きな噴水が置かれている。当たり前だが噴水の中で水浴びをしている女の人はいなさそうだ。
「あった!」
ボクのクラスは1年4組だ。教室はA棟の4階にあって、受験の時の教室とは別の棟だ。
5クラスある今年の1年。他のクラスの名簿も見てみた感じ、転生者はボクだけのようだ。
教室に入るボクたち。他のクラスメイトの人たちがいる。髪の毛の黄色い女の子だったり、猫の耳が生えている男の子だったりと、種族はさまざまだ。
席は男子が先、女子が後という前の世界とは違って男女ひっくるめて五十音順になっているが、ボクの席は一番先頭から2番目。そこは前の世界とはあまり変わらないところだ。
「トイレの場所確認しにいこう。」
「うん。」
せンセイと一緒にトイレの場所を確認しに行く。トイレは4組の教室の隣にある3組の教室から、階段・連絡通路を挟んだところにある。簡単に言うなら、5組・4組・3組・階段・連絡通路・トイレ・2組・1組・エレベーター・自販機スペースという並びだ。
「ちょっと遠いかもしれないね。」
「うん…」
確認したついでにトイレを済ませる。そして教室に戻った直後…
「では移動の時間になりまーす。」
移動の時間になった。入学式の場所はF棟の5階にある体育館だ。
体育館に着き、4組の席の先頭から2番目の席に着くボクたち。隣にはセンセイがいる。
司会の女性教師「それでは、舞嗣遠専門学校、第83期生入学式を行います。新入生、起立。」
(起立する未青たち新入生)
「礼。」
(一礼する未青たち新入生)
「席に着いてください。」
(席に着く未青たち新入生)
校歌を歌うボクたち。合格証書にあったQRコードから動画サイトに上がっていた、学校が直々に上げているミュージックビデオを見て、何回も繰り返し練習したっけ。校歌は3番まであり、そこそこ時間がある。
次は校長先生の式辞だ。見た感じ50代くらいの男の人だ。
「―さて、皆さんは魔法を究めるためにここ舞嗣遠魔法専門学校に入学した訳でありますが―」
式辞はそこそこ長かった。
その校長先生の式辞が終わった直後のことだった。
(ん… あっ…)
ボクの体に尿意が降りかかってきた。前の世界の中学校の入学式の時も、大体校長先生の式辞のあたりでトイレに行きたくなってしまったっけ。
未青・通信魔法で「センセイ…」
フレイン・通信魔法で「未青くん?どうしたの?」
未青・通信魔法で「どうしよう… トイレ行きたい…」
フレイン通信魔法で「ええ嘘でしょ今?」
未青通信魔法で「うん…」
フレイン・通信魔法で「あと大体1時間はかかると思うよ。そこまで我慢できる?」
未青・通信魔法で「分からない…」
フレイン通信魔法で「もしどうしても我慢できなかったら、おむつの中にしちゃっていいからね。」
未青・通信魔法で「うん…」
センセイの言う通り、万が一式中に我慢できなくなってしまった時に備えて履いているおむつ。でもおむつを履いていようと、入学式で絶対におもらしはしたくないとボクは思っていた。だって、2年前のトラウマがあるのだから。
式は副校長の先生の式辞に入っていた。校長先生よりかは年下に見える男の先生だ。
その副校長の先生の式辞も、校長先生程ではないが長かった。そのせいでボクの膀胱が痛みを上げていた。
(漏れちゃう…)
それでいてこの後来賓の方の式辞と国歌斉唱がある。その上1組から順に退場になるのだから、ボクはまだ相当の時間我慢しなければならない。
はっきり言って、時間との戦いだった。
来賓の方の式辞が始まった。ボクの頭の中では「おもらし」という言葉が膨らんでいく。
(漏れちゃう… 漏れちゃう…)
(ジュウウ…)
とうとうおむつに少しチビってしまった。
まだまだ続く式辞。2年前、前の世界の中学校の入学式で席上で尿意を催したのは式が始まってから大体10分くらいで、力尽きたのはちょうど式が始まってから今くらいのくらいのタイミングだったっけ。
10分ほどで来賓の方の式辞が終わった。膀胱はSOSを上げていると言ってもいい状態だ。
(ジュウウ… ジュウウ…)
おむつに断続的にチビり続けるおしっこ。この感じに、ルナさんの説教会を思い出す。
「では続いて、国歌の斉唱です。新入生の皆さん、ご起立下さい。」
はっきり言って下手に立ったら膀胱が決壊してしまうボク。立った拍子にまた少しチビってしまった。でもそのくらいで済んだのは奇跡かもしれない。
(国歌を歌う未青たち)
もうここからは、時間との戦いだ。入学式が終わってトイレに着くのが先か、ボクの膀胱が力尽きるのが先だという。
「ではこれで、舞嗣遠魔法専門学校第83期生入学式を終わります。新入生、起立。」
(起立する未青たち新入生)
「礼。」
(一礼する未青たち新入生)
「席に着いてください。」
(席に着く未青たち新入生)
「1組から順に退場します。」
後は4組の順番を待つだけだ。おむつにはおしっこがジワジワと滲み出ている。
「では4組の皆さん、ご起立下さい。」
4組が呼ばれ、席を立つボクたち。
「未青くん、行こう。」
「うん…!」
ボクたちは列から外れ、入学式出席者の出入り口とは反対側の入口に移動する。
フレイン「すみません…」
教職員A「どうされました?」
フレイン「ちょっと近くの教職員用トイレを貸していただけませんでしょうか?未青くんもうおしっこが我慢できないみたいで…」
(内股になって震えている未青。おむつの中にはおしっこがジワジワと滲み出ている。)
教職員A「分かりました。こちらです。」
入学早々緊急事態ということで教職員用トイレを使うことになったボク。前の世界でも小学校の頃、トイレがどうしても我慢できなくて一番近くにあった教職員用トイレを使ったことが何度もあったっけ。(それでもあと一歩間に合わず入口ドアを開けたところや便器の前で漏らしてしまったことが多かったけど。)
教職員用トイレは体育館から出てエレベーターホールの奥の方にある。
トイレに急ぐボク。膀胱の痛みが苛烈さを増していく感覚も膀胱括約筋が徐々に軋んでいく感覚も足がおぼつかなくなる感覚も無理矢理振り切りながら。ボクはトイレに急いだ。
トイレの入口ドアを開け、小便器の前に立ち…
(ジュウウウウウウウウウウウウ…)
小便器を目の前にして、ボクの大事なところから我慢していた大量のおしっこが激しい勢いでおむつの中に解き放たれた。
(未青のパンツの中で膨らむおむつ)
あと少し、間に合わなかった。大事なところを出すだけだったのに。
ボクはおむつを脱いで個室の汚物入れに捨て、トイレを後にする。
「未青くん?」
「… 間に合わなかった…」
「あらあら。」(未青を抱きしめるフレイン)
「うん… あと少しだったのに…」
「でもここまでよく頑張ったね。」
「ありがとうセンセイ… だって、おむつ履いているとはいえ、絶対に席上でおもらしはしたくなかったから…」
「偉いね。未青くん。」
おむつを履いているとはいえ席上でおもらしをしなかったことを、センセイは褒めてくれた。
(目に涙が浮かんでいる未青)
いつの間にか、ボクの目には涙が浮かんでいた。
その後はセンセイと一緒に教室に戻るボク。教室ではクラスメートのみんなが待ってくれていた。
メイラ「では、全員揃ったところで…」
ホームルームが始まった。
メイラ「次は赤砂君、お願いします。」
未青「はい。赤砂未青です。2年前この世界に転生してきました。趣味はアニメを見たり本を読んだりすることです。皆さんよろしくお願いいたします。」
(クラスメートやその親たちの拍手)
こうして、ボクの待ちに待った魔法専門学校での日々が幕を開けたのだ。
-新しい設定付き登場人物-
メイラ・セライタン(Mailer=Seraitan)
舞嗣遠魔法専門学校1年4組の担任教師。女性。35歳。
性格:優しさと厳しさを上手く使い分けられている性格。正義感の強い一面もある。
身長:約159cm
誕生日:12月14日
趣味・特技:バレーボール・DJプレイ
好きな食べ物:だし巻き玉子・唐揚げ
苦手なもの:明らかに自分の話を聞いてくれていない人
一人称:私




