表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/120

Case 87「未青、スマホを買う」

レクファニー「未青ちゃん!聞いたよ!魔法専門学校合格おめでとう!」

今日はボクの魔法専門学校合格後初のバイトの日。ボクが合格したことはベルーザさんからみんなに伝えたようで、カレンデュラに来てからというものボクはみんなからおめでとうの嵐だ。


「みんなありがとう。でもちょっと着替えさせてよボクさっきおもらししちゃったからさぁ…(苦笑)」


実はカレンデュラに向かう途中に急にトイレに行きたくなった末路上でおもらしをしてしまったから、スカートの中のパンツとスパッツがぐしょぐしょなボク。ボクはシャワーを浴びた後、カバンに忍ばせておいた替えのパンツとスパッツに履き替えるとともに、いつものようにカレンデュラの制服に着替える。


「いらっしゃいませー。」


いつものように仕事をするボクたち。ボクは途中午後2時過ぎにトイレに間に合わず便器を目の前にしておもらしをしてしまった一幕もあったが、楽しくミスもなく仕事をすることができた。


「じゃあ未青ちゃん、またあさってね。」

「うん!」


バイトを終え家に帰るボク。

未青「ただいまー。」

フレイン「おかえり。」


家に帰って手洗いうがいをした後、ボクはリビングで前の世界で好きだったアニメを見る。チャンネルはエルフ語のアニメ専門チャンネルだから、音声はエルフ語に吹き替えられている。

(受験勉強を通じてボクもだいぶエルフ語が分かるようになってきているな)なんてことを思っていると…


「ねえ未青くん?」

「なに?センセイ?」

センセイが話しかけてきた。


「未青くん、明日スマホ買いに行くよ。未青くんの合格祝いも兼ねて。」

「スマホ?」

「うん。だって未青くん、Surprushサプラッシュ以外に連絡手段持ってないでしょ?Surprushサプラッシュは学校に持っていけないし…」

「うん…」

「学校から帰る時に『今帰るよー。』って連絡する時に必要じゃん?」

「それもそうだね…」

「スマホにするといろいろ便利だよ。それこそネルルくんやカレンデュラの子たちとかといっぱい繋がれるし、ヴィオナちゃんのBuzzバズBellベルCapturesキャプチャーズも簡単に見られるようになるし、あと勉強のアプリもいっぱいあるよ。」

「勉強のアプリ?例えばどんなのあるの?」

「うん!例えばこんなのがあるよ。」


勉強のアプリがあると聞いて、ボクは一気にそれに興味が引いた。センセイに調べてもらったところ本当にいろいろある。古代魔法語やエルフ語の勉強アプリやクイズ要素を取り入れたゲーム、それに各魔法専門学校のカリキュラムに完全対応した勉強補佐アプリまである。

勉強のもの以外では、いわゆる「裏世界漫画」、つまりボクが前いた世界の漫画が読めるアプリもあったり、それらを古代魔法文字やエルフ語に翻訳したもの専門のものまであるという。

前の世界にも様々なアプリがあることはボクも知っているが、この世界にも様々なアプリがあるようだ。


「未青くんには教えてなかったけど、実は魔法専門学校受験支援のアプリもあるんだよ。」

「そんなのあったの? それなしで合格できたのボクって実は凄いのかな…?」

「きっとそうだね(笑)」

「とりあえず、スマホ欲しくなってきた!」

「でしょ?早速明日買いに行こう。」

「うん!」


という訳で、スマホを買いに行くことが決まった。


次の日。舞嗣遠駅前のケータイショップ。センセイも数年前にこの店でスマホを買った店だという。

「いらっしゃいませー。ご用件は?」

すると男の店員さんに話しかけれた。白い髪の毛で頭に兎の耳が生えているから、兎族の獣人であることが分かる。

「この子に新しいスマホを買ってあげたくて。」

「分かりました。魔法専門学校の入学祝いですか?」

「はい!」

「分かりました。スマホのコーナーはこちらです。」


店員さんにスマホのコーナーに案内されるボクたち。いろいろな機種が並んでいる。

「未青くんはどんなのがいい?」

「うーん… 容量が多いやつがいいし、対応しているアプリの種類が多いものがいいかな… いろいろ勉強関係のアプリとかいろいろ入れそうな気がするし…」

「あーあるよねー機種によっては対応していないアプリ。」

「分かりました。ならこちらはどうでしょう?先日発売されたばかりのWithVoiceの最新機種なんですが。」

「WithVoice!?WithVoiceってあのテレビのCMでよく流れている!?」

「はい。まさに。」


店員さんから「WithVoice」なるスマホの最新機種を見せてもらうボク。試してみると持ちやすい大きさで画面も見やすく、さまざまなアプリが標準装備されている。天気・電話・メール・ショートメッセージ・歩数計・ラジオ・利用ガイド・翻訳などなど。テレビを見られるアプリもあって、どうやらこの世界にも「ワンセグ」という概念があるようだ。


ダジャレを言うつもりはないが色もいろいろある。えんじ色・金色・銀色・深紅・紺色・紫…


フレイン「どれにする?」

未青「うーん… えんじ色がいいなあ…」

フレイン「えんじ色?未青くん名前に『青』って字があるからちょっと意外(笑)」

未青「そうかな?なんだかその色がかっこいいなって思ったから。」

店員「購入時に同じ色のケースもご用意しますね。」


ついにスマホを購入する時が来た。店員さんに案内され、席に着くボクたち。


「容量はどのくらいのがありますか?」

と店員さんに尋ねるボク。

「えーと先ほどお試しいただいたものは48GBですが、64GBや86GB、それに128GBのものもありますよ。」

店員さんがそう言うと、センセイはこんなことを聞いてきた。

「一番容量が大きいのではどれくらいのものがありますか?」

「えーと3TBのものがありますね。」

「3TB!?未青くんさすがに3TBはいらないよね…?」

「うん…」


それなりに容量は欲しいボクだが、3TBまではいらない。86GBで話は決まった。


「あと『AsアスAniアニMarketマーケット』とセットで契約すればさらにお得になりますよ。お客様『AsアスAniアニMarketマーケット』はご存じですか?」

「はい!テレビのCMで見たことあります!異種族語に吹き替えられたものもいっぱいあるアニメ配信サイトですよね!?」

「はい。魔法専門学校入学割も併せればセットでかなりお安くなりまして。」

「そうなんですか!?」

「はい!」


異種族語に吹き替えられたアニメも多数配信されているアニメ配信サイトとセット契約できるコースもあるということに、ボクはその方向に頭が傾いた。異種族語の勉強にも使えるとセンセイは呟いていた。

そのコースで契約することで、話は決まった。


いろいろ説明を受けるボクたち。しかしその最中…

(あっ…)

ボクの体に尿意が降りかかってきた。


それにしても初めてのスマホの契約。書くものがたくさんあって大変だ。ボクはひたすらおしっこを我慢しながら、それらにサインをする。

はっきり言って、トイレを言い出す余地が全くない。次第にボクの尿意は限界になっていった。


(早く終わって… 漏れちゃう… 漏れちゃう…)


(話が終わったらトイレに行こう。)と思うボク。そんなボクのパンツには、ジワジワとおしっこのシミが広がり始めていた。


「では、実物をお持ちしますね。」


店員さんがバックヤードからスマホ本体を持ってきて、話が終わる。しかしそれと同時に、ボクの張りつめていた我慢の糸がプツンと切れた。

(ああっ…!で、で、出ちゃう…!)

(ジュジュッ、ジュジュッ、ジュ… ジュウウウウウウウウウウウウウ…!)


ケータイショップの席に座ったまま、ボクはおもらしをしてしまった。

「あー未青くん我慢してたんだー。(苦笑)すいません… ちょっとこの子おもらししちゃって…(苦笑)」

「ごめん…なさい…」

ボクは転生2日目の転生者登録の最中に役場の席でおもらしをしてしまった時のことを思い出していた。


「ああーやっちゃいましたかー(苦笑)話長いせいかたまにいるんですよねー(苦笑)」

と店員さんは言った。


ボクは店員さんにバックヤードの目立たないところに案内され、センセイに迷彩魔法をかけられると家から転送魔法で用意してくれた替えのズボンとパンツに履き替える。


着替えが終わるとボクたちは店を後にした。

「センセイ。」

「なに?未青くん?」

「ボクのスマホを買うお金、出してくれてありがとう。」

魔法専門学校の入学祝いで料金は大きく割引されたとはいえ、スマホゆえに値段が張る。それにその後毎月料金を払うことになるのだから、センセイには感謝しかない。

「どういたしまして。私もお仕事もっともーっと頑張らなくちゃ!」


家に帰って手洗いうがいを済ませた後は、スマホの電源を入れて、取扱説明書を見ながらいろいろ設定を済ませる。


「よし、これで終わり!」

「未青くん初期設定できた?」

「うん!」

「これで未青くんもスマホデビューだね。おめでとう!」


ボクはついにスマホデビューを果たした。その後はシャピアさんからのアドバイスの元、様々なアプリを入れる。天気・翻訳・勉強・アニメ・漫画・読書・BuzzバズBellベルCapturesキャプチャーズSonickerソニッカー

BuzzバズBellベルCapturesキャプチャーズはアカウントも取得する。フォローするのはもちろんヴィオナちゃんのアカウントだ。


そしてさらに次の日。カレンデュラ。

ハミン「未青ちゃんおはよう。」

未青「おはよう。ちょっとまずみんなにお願いしたいことがあるんだけど…―」

ボクはまず早速、カレンデュラのバイト仲間のみんなとSonickerソニッカーを交換するのだった。


ルキ「いいよ未青ちゃん。これで私たちいつでも一緒だね!」

未青「うん!」

-用語解説-

【WithVoice】

アスムール民主国で開発・販売されているスマートフォンと、それに搭載されているOSの名前。初代発売は今から10年前。

他のOSのパソコンやスマホとの互換性に優れており、アプリの中にはWithVoiceにのみ対応しているものもあったりする。

未青たちの世界のスマホでアスムール民主国内シェア1位、世界シェア3位をそれぞれ誇っている。


AsアスAniアニMarketマーケット

アスムール民主国と周辺の数か国で展開されているアニメ配信サイト。通称アスアニ。通常契約で月額420苑。フレインたちの世界で製作されたアニメのみならず未青が生前いた世界のアニメ(いわゆる「裏世界アニメ」)にも強く、アスムール民主国内にある数ある月額制動画配信サイトの中ではトップクラスのシェアを誇っている。

古代魔法語やエルフ語などのいわゆる「異種族語」に吹き替えられたものもラインナップされている。


Sonickerソニッカー

アスムール民主国内で使えるショートメッセージ・ビデオ通話アプリ。通信速度の速さが売り。機種本体に登録された連絡先とも紐づけが可能。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ