Case 83「陽夏ちゃんと過ごすお正月」
(ぐしょ…)
ボクがこの世界に転生して、2回目のお正月を迎えた。
そんなボクは、新年早々おねしょで目を覚ました。
「センセイ… おはよう…。」
「おはよう未青くん。あら未青くんったら新年早々おねしょ?」
「うん…」
いつものようにシャワーを浴びて着替え、朝食の席に着く。
「未青くん、改めてになるけどあけましておめでとう。」
「あけましておめでとう。シャピアさん、センセイ。」
朝食も至っていつものトーストと目玉焼きだが、新年1日目の朝だからか、なんだか特別感を感じる。
朝ご飯を食べて歯磨きをした後は、リビングでテレビの元日特番を見る。この世界でもどうやら、年末年始は時間の長い特番が放送されている。
しばらくテレビを見ていると…
(ピンポーン)
「ん?誰だろう?」
ボクはセンセイと一緒に玄関へ向かう。玄関のドアを開けると…
「未青くん。あけましておめでとう。」
陽夏ちゃんとスピーサさんだった。
未青「陽夏ちゃん!あけましておめでとう!スピーサさんもあけましておめでとうございます。」
スピーサ「未青くんあけおめ。フレインさんもあけましておめでとうございます。」
未青「はい。」
フレイン「スピーサ、あけましておめでとう。」
家に上がる2人。2人は手洗いうがいを済ませた後、リビングの席に着いて陽夏ちゃんはスピーサさんからお年玉をもらったのだが、どうやら去年より値段が上がっていたようで、陽夏ちゃんはそのことがとても嬉しかったとか。
陽夏「てか未青くんバイトしてるんだし、バイト代とお年玉で結構お金貯まってるんじゃない?」
未青「多分そうかも… ほぼ毎日6時間フルで働いてるし、それに自分からお金使う機会あまりないから、結構貯まってるかも…」
陽夏「いいなー羨ましい。私もバイトやろうかなー。」
スピーサ「陽夏ちゃんはまだバイトするには早いでしょ?」
陽夏「そうだけどスピーサさん…」
その後は正月遊びをすることになった。
「とりあえず何やる?羽根突きのセット持ってきてるけど。」
と陽夏ちゃんは言う。陽夏ちゃんが一番好きな正月遊びは羽根突きなんだと、スピーサさんは言っていた。
「いいね。ボク羽根突きやるの初めてなんだ。やり方は本で見たよ。」
「そう?じゃあ早速外出てやろう。」
「うん。」
外に出るボクたち。
未青「さ、寒い…!」
今日も一段と寒い舞嗣遠の街。手が凍える感じがする。
陽夏「風邪ひきそうなくらいだね…」
未青「うん… 暖かくしておいてよかったよ…」
その後は2人で羽根突きをする。
「えいっ!」
「それっ!」
正月に外で羽根突きをして遊ぶのなんていつぶりだろうか。少なくともこの世界に転生してからは初めてのことだ。とても楽しい。
「じゃあ行くよー。」
「うん!」
ボクと陽夏ちゃんはその後およそ40分に渡り、寒さを忘れて羽根突きを楽しんだ。
(荒い息遣いの未青と陽夏)
40分羽根突きで体を動かしたボクと陽夏ちゃん。ちょっと疲れた。
「この辺にしとこう… 陽夏ちゃん…」
「そう… だね…」
家に入るボクたち。その後手洗いうがいをした後は、陽夏ちゃんと一緒にボクとセンセイの部屋に移動し、少し休憩する。
「ねえ未青くん?次何やる?」
「うーん… 特にはないけど、何かしらやりたいなあ…」
「そう?じゃあちょっと待ってて。」
そう言うと陽夏ちゃんはリビングに戻っていった。
その数分後。
「福笑いあるけどやる?」
「じゃあそれにしようかな。」
「いいね。やろうやろう。」
こうして、福笑いをし始めた直後のことだった。
(あっ…)
ボクはトイレに行きたくなった。しかも羽根突きをした時の外の寒さで体が冷えてしまったのか、尿意の高まり方が異様に早い。
(ヤバい… 漏れちゃう…)
尿意の高まり方が異様に早い中で福笑いを続けるボク。トイレを言い出すタイミングが全くつかめない。
ただ福笑いをしているだけなのに、ボクの膀胱はもう限界になった。
そしてそうこうしている間に福笑いが完成した。膀胱が激しく痛む。
目隠しを外すボク。
「あっ。」
「未青くん、思ったよりちゃんとできたね。」
と陽夏ちゃんは言う。顔のパーツが全部、概ねほとんどズレることなくできていた。
「ねえ陽夏ちゃん…」
「未青くん?」
「ちょっとボク… トイレ行ってくる…」
ボクは意を決して、陽夏ちゃんにトイレを訴えた。
「トイレ?」
「うん… もうかなりヤバい… 漏れちゃう…」
「分かった。じゃあ私ここで待ってるから。」
「ありがとう。」
今にもおしっこが漏れそうなボク。ボクは一心不乱にトイレに急いだ。
しかし、トイレのドアのドアノブを掴んだ時の事だった。
「あ… ああ…」
ボクの体に、膀胱を起点とした耐えられない程の痛みが走った。
(…!)
ボクはその痛みを振り切って、トイレのドアを開けたのだが…
(ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウ…)
トイレのドアを開け、便器を目の前にしたところで、ボクは我慢していたおしっこを漏らしてしまった。
今年も新年早々おもらしをしてしまったボク。履いているズボンはすっかりぐしょぐしょだ。
陽夏「あ!」
そこへ陽夏ちゃんが駆け寄ってきた。
「未青くん… 大丈夫…?」
「うん… 間に合わなかった…」
「フレインさんには私が伝えておくから、シャワー浴びて着替えよう。」
「うん…」
この後ボクはいつものようにシャワーを浴びに行った。シャワーから出たら、これまたいつものようにセンセイが用意してくれた服に着替える。
そのセンセイが用意してくれた着替えの服は、相変わらずと言うべきか女ものの服だった。厚地の生地のオレンジ色の短いギャザースカートに、黒いタイツだ。
リビングに出るボク。
スピーサ「あー未青くんスカート履いてるー。」
フレイン「私が用意したんだ。」
陽夏「なんだかやっぱりこっちの方が未青くんらしい(笑)」
未青「そうかな…?(苦笑)」
スピーサ「可愛いから私はいいかなって思うなあ。」
未青「えへへ…」
その後ネルルとプラルさんが家に来て、ボク・センセイ・陽夏ちゃん・スピーサさん・ネルル・プラルさんの6人で初詣に出かけた。
(魔法専門学校に受かって楽しい学校生活が送れますように… それとおもらしの回数が減りますように…)
魔法専門学校を受けることが決まっているボク。「絶対に受かっていろんな魔法を勉強したい」と、ボクは思っていた。
というわけで、正月が明けたらクルルスさんとの受験対策の幕開けだ。
ちなみに未青くんは、今のところカレンデュラのバイト代は手渡しで貰っています。




