Case 81「大ピンチセンセイ」
「未青くん、起きて。起きて。」
「ん~… ん…」
(ぐしょ…)
センセイに起こされたボク。そんなボクは今日もおねしょをしていた。
その後は冬物のランニングウェアに着替えた後、センセイと日課のジョギングに駆けだした。
シャピア「行ってらっしゃーい。」
未青・フレイン「行ってきまーす。」
12月になってどんどん寒さを増す舞嗣遠の街。自分だってこの時期になると朝はギリギリまで寝ていたいと思うこともある。でも大好きなセンセイと一緒にジョギングするのは楽しいし、走った後はなんだか暖かい感じがするから、ジョギングは夏以外の朝の日課として完全に定着している。
「ねえ未青くん。」
「なあにセンセイ?」
「今日はあの辺行ってみようよ。」
「いいね。」
ボクたちのジョギングのルートは変わることがある。今日は若菜ちゃんがバイトをしている本屋さんあたりの、ちょっと大回りの道を行く。
走り続けるボク。するとその途中で…
「あっ…」
ボクの体に尿意が走った。
「未青くん?さっき何か言った?」
「センセイ… ボクトイレ行きたい…」
「トイレ?分かった。でもこの辺トイレやトイレ貸してる店とか少ないからなあ…」
「ええ…?」
「未青くん、我慢できそう?」
「うん…」
トイレの使えそうなところが少ない中、ボクとセンセイは走り続ける。センセイはスマホで何かを見ている。きっとトイレの使えそうな場所を調べているのだろう。
しかしながらトイレは見つかることもなく、ボクの尿意はすっかりと増していき、膀胱の痛みも強くなってきた。
「センセイ… トイレ使えそうなところまだ見つからないの?」
(やや荒い息遣い)「そうみたい… 私も探してるんだけど、なかなか… まだ朝早いから、お店も開いてないし…」
「そうなの?ボクもう漏れちゃう…」
「そ、そうなの…?」
「うん… も、もうちょっと我慢できる?」
「分かった…」
ボクはさっきのセンセイの言葉の調子から、なんだかセンセイの落ち着きが段々なくなっているかのように思えてきた。
(フレインの荒い息遣い)
走っているスピードは(いつものことだが)いつものよりセーブしている感じだが、センセイの息遣いが荒い。今の走り方にしてはやや大げさすぎる息遣いな気もする。
(センセイ… どうしたんだろう…)
と思った直後だった。
「!」
センセイの右手が一瞬、股間を隠すような動きを見せた。
その直後センセイは、微かな声で
「漏れちゃう…」
と言った。その決定的な一言を、ボクは聞き逃さなかった。
(センセイも実はトイレに行きたいのでは)ボクはそう思った。
「センセイ…」
「なに?み、未青くん?」
「センセイさっきから息遣い荒いみたいだし、言ってることにも落ち着きがないみたいけど、どうかしたの?」
「実はわ、私… 私もトイレに行きたくて…」
「やっぱり?なんだか薄々そんな感じしてた…」
「そ、そう…?もうホントにかなりヤバい… 早くしないと… で、出ちゃう…」
ボクはこの時完全に理解した。「センセイは今にもおもらしをしてしまいそうなのだ」ということを。ボクもボクで今膀胱が大ピンチなのだが、センセイも今、大ピンチとも言える状況だ。
「センセイ?トイレある場所見つかりそう?」
「うん… 一応やっと見つかったけど…」
「それって何?コンビニとか?」
「そ、そうだよ… でも、私も間に合うかどうかふ、不安なところ…」
「ボクも…」
僅かながら光明が見えた。しかしセンセイもボクも今にもおしっこが漏れそうな状況。はっきり言って間に合うかどうかは際どいところだ。
「未青くん。コンビニもうすぐだよ。」
「分かった。」
膀胱がかなり激しく痛む中、ボクたちは目的地のコンビニに着いた。
フレイン「すいませんトイレ借ります!」
コンビニのトイレの前まで来たボクたち。センセイはボクにトイレを譲る様子だ。しかしそれでは、センセイが我慢しきれずトイレのドアの前でおもらしをしてしまうのは確実ともいえる状況だ。
「センセイ。」
ボクはセンセイに口を開いた。
「未青くん?」
「センセイ先トイレに入っていいよ。」
「いいの?未青くんも見るからにヤバそうなのに…」
「だって… もしセンセイがここでおもらししちゃったらセンセイとっても恥ずかしいし… それにここに居合わせたみんながセンセイのこと変な目で見ちゃうかもしれないでしょ…?」
「未青くん… ありがとう。分かった。私先に入ってるね。」
センセイはそう言うと、一目散にトイレに駆け込んでいった。
(トイレのドアが閉まる音)
「…」
(漏れちゃう… 漏れちゃう…)
今にもおしっこが漏れそうなボク。パンツに少し少しおしっこをチビらせながら、センセイがトイレから出てくるのを待つ。
(ジュウウ… ジュウウ…)
それから数分が経ち…
「お待たせー。」
センセイがトイレから出てきた。
「ありがとうセンセイ…!」
センセイがトイレから出ると同時に、ボクは一目散にトイレに駆け込んだ。
しかし…
「あっ… ああああああっ…!」
(ジュウウウウウウウウウウウウウ…)
ボクはトイレの洋式便器に跨った状態で、我慢していたおしっこを漏らしてしまった。
(ポチャポチャポチャポチャポチャ…)
ランニングウェアから零れ落ちるおしっこが便器の中に流れ落ちる音がする。脚にはタイツにおしっこが流れていく感覚がする。
(間に合わなかった…)
そんな気持ちになってヘコんでいたボクは、トイレを後にする。ランニングウェアのショートパンツもタイツも中のパンツも、もうすっかりぐしょぐしょだ。
(トイレから出てくる未青)
そのトイレの外では、センセイが待ってくれていた。
「センセイ…」
「未青くん。あらあら間に合わなかったのね。」
「うん… でも…」
「でも?」
「センセイがトイレ間に合ったの、それだけでボクは大丈夫だよ。」
「うふふ。気遣いありがとう。未青くん。後で着替えよう。店員さんには私が話しておくから。」
「ありがとうセンセイ…」
このあとセンセイはボクがトイレでおもらししちゃったことを店員さんに報告した後、トイレで家から転送してくれた替えのランニングウェアに着替えた。
そしてボクたちはコンビニを後にする。
その帰る途中のこと。
「実は私ね…」
「さっきトイレに駆け込んでパンツ下ろすまでの間に、パンツにちょっぴり出ちゃったんだ…」
「本当…?センセイ、おしっこチビっちゃったの?」
「うん… 未青くんには悪いけど、ちょっぴり間に合わなかった。(苦笑)」
「センセイ… なんかちょっと可愛い…」
「もう何言ってるの未青くん~!」
実はセンセイも、トイレでおしっこを少しチビってしまったようだ。不覚にもボクは、そのことに少しキュンとしてしまった。
その後家に着いたボクたちは手洗いうがいをした後、朝ご飯を食べた。朝ご飯の後は
「ねえセンセイ。」
「なあに?」
ボクはセンセイに近寄ると、センセイの膀胱のあたりに手を添え、優しく撫でた。
「ちょっと…w 未青くん何してるの?www」
「センセイの膀胱さん、さっきはよく頑張ったね。」
ボクはついさっきまで限界までおしっこを我慢したセンセイの膀胱を撫でるのだった。
「(笑) ありがとう未青くん。」




