Case 75「久しぶりの冒険」
「クルルスさ… あっ… ああっ… ああああ…」
(ジュウウウウウウウウウウビチャビチャビチャビチャ…)
ある日のクルルスさんとの授業中、ボクはおしっこが限界になりトイレを言い出そうとしたが、言い出しかけたところでタイムリミットを迎えそのまま椅子に座った状態でおしっこを漏らしてしまった。
クルルス「あらら未青くん…。言い出しながら漏らしちゃうなんて。」
フレイン「ほら。シャワー浴びて着替えよう。」
未青「うん…」
いつものようにシャワーを浴びて新しいパンツ・スパッツ・靴下・スカートに履き替え、授業の続きをやる。
「じゃあ、今日はここまで。」
「ありがとうございました。」
おもらしの影響で時間は予定より長くなってしまったが、授業は終わった。
フレイン「せっかくだからクルルスも食べてく?」
クルルス「ありがとう。じゃあそうする。」
クルルスさんも一緒に昼ご飯だ。
一同「いただきます。」
その食事の最中、クルルスさんはこんなことを言い出した。
「ねえ未青くん。未青くん最近フレインと一緒に冒険には行った?」
「冒険…ですか? そういえばしばらく行ってなかったなあ…」
「あらそうなの?」
「だってボク、バイトとかあるから…」
思えばここ最近、センセイとしばらく冒険に出かけていなかった。
フレイン「そうだ。だったら早速今度の土曜日行こうよ。未青くんその日バイト休みでしょ?」
未青「うん。じゃあボクも行こうかな。」
クルルス「そうしよう。しばらくぶりだから、癒師の仕事がどんなものなのか忘れてるところあるんじゃない?ちょっと思い出してみなよ。フレインが仕事の時どんなことしてたか。」
未青「はい。ちょっと思い出してみます。」
ボクはクルルスさんに言われるがまま、センセイが仕事の時どんなことをしていたか思い出すことにした。
(えっと… まず役場に行くかホームページで… なんだったっけ… あ、求人票的なやつか。を確認して、それで仕事をした後は、どうするんだったっけ…)
やっぱり、忘れていたところがいくつかあった。
未青「やっぱり覚えてないところいくつかあった…」
クルルス「あらあら。じゃあ、今度の土曜日に確認しなくちゃね。」
未青「はい…(苦笑)」
というわけで、土曜日にセンセイの仕事に行くことが決まった。
そして土曜日。朝10時頃。
フレイン「じゃあお母さん行ってきまーす。未青くん?準備出来た?」
未青「うん。じゃあ行ってきまーす。」
シャピアフェ「いってらっしゃい。」
今日センセイと行く場所は、中羽というところ。舞嗣遠から茜唀とは逆の方向に電車で1時間ほど行ったところにある、農業で栄えている町だ。
「中羽って、ここ最近植物に由来する謎の風邪が蔓延しているところだよね。昨日もテレビで見たけど。」
「そうなの。その風邪も癒師でしかも高度な魔法でしか治せないものなの。それだから最近中羽からの癒師求書が増えているの。昨日役場行って確認しただけでも、9割方中羽からだったよ。」
「そうなんだ… 人から人には移らないタイプのやつでよかったね…」
「そうだね… 人から人に移るやつだったら今頃舞嗣遠も大変なことになってたと思うよ。」
それから1時間ほど経ったところで、中羽の駅に着いた。
(スマホの地図を見ながら)「10分ほどバスに乗るよ未青くん。そのあたりが一番ひどいのよ。」
「うん。」
バスの中では、見た感じよその街から癒師の仕事で来た人が乗っていた。
そしてバスに乗って着いたところは、いかにもといった感じの静かな農村だった。
「(少しせき込む未青)なんかちょっと空気が悪いね。普段はとっても空気が良い場所って聞いているけど…」
「うん。その植物性ウイルスの影響かもね…」
バス停から歩くこと数分で、まず1軒目の農家の家に着いた。
(ドアのチャイムを鳴らす音)
住人「はい。」
フレイン「すいません。癒師求書を見て来たんですが。」
住人「癒師の方ですか?どうぞお入り下さい。」
家に入るボクたち。シャピアさんと同じくらいの女の人が出迎えてくれた。
フレイン「治してほしい方はどちらに?」
住人「こちらです。」
小さな部屋に通されたボクたち。そこには小学校低学年くらいの男の子が布団で眠っていた。
フレイン「その子ですか?」
住人「はい… なにせ主人や私の魔法レベルでは治せないものでして… あ、お連れさんもどうぞ。」
2人「失礼いたします。」
センセイはその子の元に寄り添い、おでこを触った。
「うわあ凄い熱… じゃあこれは水魔法の方がいいかな…」
と呟くと、センセイは布団をめくり、その子の心臓のあたりに手をかざした。
(頑張れ。センセイ。)
その様子を傍で見守るボク。
すると、その子の体が心臓から末端にかけて水色に光り出した。
(治っていってるのかな?その子の体?)
と思った後、大体5分後の事。
男の子の体から光が消えた。
「お母さん、体温計はありますか?」
「はい。」
センセイは住人の女の人に体温計を持ってくるよう指示した。
(男の子が脇の下に体温計を差し込む)
それからしばらくして…
(体温計の音)
「お母さん!体温下がったよ!」
その子の体温は下がっていた。仕事は成功だ。
(体温計を見て)「あらほんと36.2℃?よかった!本当にありがとうございます。」
「いえいえ。癒師として当たり前のことをしたまでです。」
住人「本日は本当にありがとうございました。」
フレイン「どういたしまして。」
家を出るボクたち。センセイは癒術目録を確認していた。
「まず役場に行ったりインターネットで癒師求書を確認して、それを元にその人のところに行って、仕事をした後、した仕事の内容は癒術目録に自動的に記録される。でそれを元に支払われるお金が決まる。こんな感じか。」
「そうだよ。思い出した…っていうか改めて覚えられた?」
「うん!」
その後近くにあった食堂で昼食をとった後、仕事をこなすセンセイ。
かれこれセンセイは夕方近くまで、6件もの仕事を成し遂げた。それはつまり。6人もの人が罹っていた風邪を治したことになる。
「じゃあそろそろ帰ろうか。今回もそれなりに稼げるだろうと思うし(笑)」
「センセイ(笑)」
「場合によっては未青くんに新しい服とか買ってあげるわね。」
「ありがとうセンセイ!」
ボクたちは家に帰る。
バスに乗って中羽の駅に出て、そこから電車に乗ったボクたち。
しかし時間が経って次が舞嗣遠というところで…
(…!)
ボクの体に強めの尿意が降りかかってきた。
「センセイ…」
「未青くん?どうしたの?」
「トイレ…行きたい…」
ボクは意を決して、センセイに尿意を打ち明けた。
この電車は急行で止まる駅が少ない。次の停車駅は舞嗣遠ではあるものの、その舞嗣遠まではまだだいぶある。
「あらら。この電車一応トイレあるけど… 隣の号車だったね。」
「うん…」
「行こう。」
ボクたちは席を立ち、隣の号車に移動する。
「ええ…」
そのトイレは使用中だった。この電車唯一のトイレだというのに。
それからしばらく経ったが、一向にトイレは開く気配がない。
なかなかトイレが開かない状況が、ボクの尿意を強めていく。
「これ舞嗣遠駅着いても出なさそうだね… お腹の調子悪いのかな…」
「ええ…」
「とりあえずドアの前まで移動しよう。」
「うん…」
ボクたちは電車のドアの前に移動した。電車のドアが開いたらすぐにホームに飛び出せるようにするためだ。
「漏れちゃう… 漏れちゃうぅ…」(苦悶に満ちた表情の未青)
「未青くん… 駅着くまで我慢できる?」
(恥ずかしそうに俯く未青)
「せめて駅までは頑張ろう。駅着いた後だったら(おもらし)しちゃってもいいからね。」
「うん…」
(せめて電車の中でおもらしはしたくない。)ボクはそう思っていた。なにせボクは前に電車の席に座ったままおもらしをしてしまったことがあるのだから。
~回想・その時~
(ジュウッ… ジュジュッ… ジュウウッ…)
未青(出ちゃう… 出ちゃう…!!)
(ジュウウウウウウウウウウウウウウ―!!)
リライマ「み、未青くん!?」
フレイン「未青くん… もしかして私が寝てたから、『トイレ行きたい』っていうの恥ずかしかったの?」
未青「うん…」
フレイン「ごめんね… こんな大変なことになっちゃって…」
未青「(涙声で)ううん… ボクのせいで… ボクのせいで…」
~回想終わり~
そしてそのやり取りから数分…
「まもなく、舞嗣遠、舞嗣遠です。」
電車がもうすぐ駅に着く。でももうパンツもズボンのお股のあたりも、はっきり分かるほど濡れている。
「もうすぐだからね。頑張って。」
「うん…」
そして電車がホームに入線し、ドアが開いた。
「!」
それと同時に、ボクは一目散にホームに飛び出した。
しかし…
「ああっ…!ああっ…!あああああああああ…!」
急速に膀胱の痛みが強まって限界を超え、足が思うように動かなくなった。
そして、膀胱括約筋に込めていた全ての力が一瞬で抜けた。
(ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…)
大事なところからパンツの中目掛けて溢れ出していくおしっこ。ボクが駅のホームの真ん中でしたこと、それは「おもらし」だ。かれこれ30秒くらいの出来事だった。
「未青くん…」
「センセイ…」
「よくここまで頑張ったね。よしよし。」(未青の頭を優しく撫でるフレイン)
「ありがとう… センセイ…」
「いいのいいの。未青くん、電車の中ではおもらししたくないって頑張ってたんでしょ?」
「うん…」
「じゃあ大丈夫だよ。着替えようか。」
「うん。」
ボクはセンセイに駅のホームの隅っこのあまり目立たないところに連れて行かれ、迷彩魔法をかけられて替えのパンツとズボンに履き替えた。
「じゃあ帰ろうか。」
「うん。」
駅を出て家に帰るボクたち。
2人「ただいまー。」
シャピアフェ「おかえりなさい。」
フレイン「お母さん、今洗濯機空いてる?」
シャピアフェ「空いてるわよ。もしかして未青くんおもらし?」
フレイン「うん…」
センセイとの久しぶりの冒険。恥ずかしいこともあったが、ボクは本当に楽しかったと思う。
「それでね、センセイがね―」
晩ご飯の話題は、当然今日の土産話だ。




