表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/120

Case 60「制服を着てみる一日」

(ぐしょ…)

4月のある日。ボクはおねしょで布団が濡れている感覚で目を覚ました。


「センセイおはよ~。」

「おはよう。おねしょしちゃったの?」

「うん…」


シャワーを浴びた後、暖かくなってきたので数日前に再開した朝のジョギングをする。ジョギングの後は朝ご飯だ。


朝ご飯を食べていると…

ニュースキャスター「ここからは舞嗣遠地域のニュースをお伝えします。新年度を迎えた今日、舞嗣遠地域でも街中には新しい制服に身を包んだ人が溢れています。それでは舞嗣遠魔法専門学校の正門前から中継です。」


アスムール民主国は今日から新年度だという。ボクの中で新年度といえば、中学校の入学式の席上でおもらししたことくらいしか思い出がない。


〜回想・未青、中学校の入学式にて〜

(校長先生の話が続いている)

(どうしよう…!出ちゃう…!出ちゃうっ…!!)

(ジュジュッ、ジュウウッ、ジュ、ジュウウウウウウウウウウウウ…!!)

(ビチャビチャビチャビチャ…!)

未青の母「未青!?だ、大丈夫!?」

(未青の嗚咽)

(あたりが騒然としている)

〜回想終わり〜


(もうあれから1年かぁ…)

なんてことを考えているボク。すると、


「ねえねえ未青くん。」

センセイが話しかけてきた。

「センセイ?」

「ご飯終わって歯磨きしたら、部屋に来て欲しいんだ。」

「部屋に?分かった。」


数分後。

「ごちそうさまでした。」


朝ご飯を終えて歯磨きを済ませると、部屋に戻るボク。部屋にはセンセイがいた。


「センセイ?」

「未青くん。ちょっと見て欲しいんだ。」

「?」


センセイはボクに見せたいものがあるという。また新しく発掘したお下がりの服だろうかと思っていたが…


「じゃーん!」

「これ…」


それはボクの予想を大きく上回るものだった。センセイが見せてきたもの。それは今まで見たことのないコスプレ衣装の制服だった。紺色を基調としたブレザーの制服で、赤い蝶ネクタイ風のリボンがついているそれ。スカートはミニスカートで紺色一色だ。


「可愛い…」

「うふふ。でしょ?癒師の仕事でお金が思ったよりも多く入ったから、昨日買ったんだ。」

「そうなの?ありがとうセンセイ。」

「どういたしまして。」

センセイはこう続ける。

「せっかくだから、今日これ着てみる?私も学生だった頃は、学校から帰った後も制服を着て過ごしたこともよくあったなぁ。未青くんはそういう経験ないよね?」

「帰った後も制服で過ごす…?うん。ないよ。」


帰った後も制服で過ごす機会がよくあったというセンセイ。当然ながらボクには、クルルスさんとの授業の時を除いてそんな経験はない。とはいえ、何の目的もないのに家で制服を着て過ごすというのはどういう気分になるのだろうかということに、ボクはちょっと興味が出てきた。


「じゃあ… 着てみようかな。」

「本当?早速着てみて!」

センセイはとても楽しみな感じだった。


自分に迷彩魔法をかけ、服を脱ぎ、パンツの上には黒いスパッツを履いて、コスプレ衣装の制服に着替える。


着替えが終わった後、ボクは迷彩魔法を解いた。

「どうかな?センセイ。」

「うわぁ~!とっても可愛いよ未青くん!」

「そう?」

ボクは反射魔法を使って、自分の姿を映し出しておる鏡を出した。

その鏡には、紺のブレザーの制服を着ているボクが移し出されていた。

「本当だ!可愛い!」

「でしょでしょ?早速お母さんにも見せに行こう。」


というわけで、ボクはシャピアさんに今のボクの姿を見てもらうべくセンセイと一緒に1階に向かった。


「シャピアさんシャピアさん!」

シャピアさんは1階でお皿を洗っていた。

「ん?未青くんどうしたの?」

「見て見て!新しい制服!」

「あら。昨日フレインが買ったのじゃない。うふふ。可愛いわよ未青くん。」

「ありがとうシャピアさん。」


その後はまた部屋に戻り、おとといから読み始めている本を読んだ。

本を読み始めてからどれだけの時間が経っただろうか。


「未青くん。」

センセイが部屋に戻ってきた。

「センセイ?」

「ちょっと、ベッドに寝転がってみない?縦にうつ伏せで。」

「ベッドに?」


ボクはセンセイに言われるがまま、ベッドに上がり寝転がってみた。


「なんだか、ちょっと気持ちいい。」

「でしょ?私も学生だった頃はよくこうしてたんだ。」

「どうだった?」

「『あー今日も一日頑張ったー!』って感じがして気持ち良かったなぁ。お母さんからは『早く着替えなさい』とか言われてたけどね(苦笑)」

「そうなんだ。ボク的には、なんだか不思議な感じがする。」


制服を着てベッドの上に寝転がる。何だか不思議な気分だ。


ベッドに寝転がって、ボクはしばらく本を読んでいた。さっきの続きだ。センセイは後ろからその様子を見守る。

「未青くんスパッツ見えてるよ(笑)」

「えっ?あ、ああ…ありがとうセンセイ…(苦笑)」


センセイにスカートがめくれているのを指摘されたボク。ボクはスカートを直した。ちょっと恥ずかしい。


(スパッツ履いててよかったマジで…)


それから数分後。

(ドアのチャイムの音)

シャピアフェ「未青くーん。お客さんよー。」


ボクにお客さんが来たという。今日は誰も家に誘っていないボク。一体誰なのだろうかと思って、ボクは1階に向かった。


ルキ・ハミン「こんにちはー。」

フレイン「あら。未青くんのバイト先の子?」

ルキ「はい。あなたがフレインさんですか?」

フレイン「そうよ。いつも未青くんがお世話になってるわ。」

ハミン「こちらこそです。」


家に来たのはルキちゃんとハミンちゃんだった。朝早くから癒師の仕事に出ていたその帰り道、たまたま近くを通りかかったから寄ることにしたという。


未青「ルキちゃんにハミンちゃん。おはよう。」

ルキ「未青ちゃんおはよ。ブレザーの制服可愛い。」

ハミン「うん!めっちゃ可愛い!」

未青「ありがとう2人とも!」


というわけで、ボクはルキちゃんとハミンちゃんの2人で遊ぶことになった。


ルキ「じゃじゃーん。」

ルキちゃんは「Short Track」というスマホのショートムービー投稿アプリを立ち上げ、その画面をボクに見せた。


ルキ「未青ちゃん『Short Track』って知ってる?」

未青「うん。テレビのCMで名前聞いたことならあるよ。でもボクスマホ持ってないから、やったことはないな… 3人で一緒に撮るの?」

ハミン「そうよ。もうシャピアフェさんやフレインさんから許可はとってるから、未青ちゃんも一緒に撮ろうよ。」

未青「いいの?じゃあ…」


ボクはルキちゃん・ハミンちゃんと一緒にShort Trackの動画を撮影することになった。


ルキちゃんはその様子を分かりやすく教えてくれる。曲に合わせて体を動かしたりポーズをとったりする。


ハミン「未青ちゃんさっきのポーズ凄く可愛かったよ!」

未青「そう?ありがとうハミンちゃん。」


動画を何本も撮るボクたち。ボクも一緒に撮っていて楽しいと思っていた。もっと撮りたいと思っていた。


しかし撮り始めてから30分以上が経った頃には、ボクの膀胱にはおしっこがかなり溜まっていた。すぐにでもトイレに行きたいと思うくらいだ。


しかし…


ハミン「ルキ、未青ちゃん…」

ルキ「ハミン?」

未青(ルキからワンテンポ遅れて)「ハミンちゃん?」

ハミン「ちょっとトイレ行ってくる… 夢中でShort Track撮ってたからかなりヤバい…」

ルキ・未青「分かった。」


ただでさえボクも漏れそうな状態だが。ここはハミンちゃんにトイレを譲ることにした。そのハミンちゃんはトイレに急いでいった。


(漏れちゃう…)

ハミンちゃんがトイレから戻ってくるのを待つ中、ボクは脚をモジモジさせながらルキちゃんに悟られないよう必死におしっこを我慢していた。


しかし…

ルキ「未青ちゃん?」

未青「ルキちゃん、どうしたの?」

ルキ「未青ちゃんも、もしかしてトイレ行きたいの?」

ルキちゃんにボクがトイレに今すぐにでも行きたいのを悟られるまでに、時間はかからなかった。


未青「うん… 実はボクも我慢してて…」

ルキ「分かった。ハミンにテレパシーで早くするよう言っておくから、もうちょっと我慢できる?」

未青「うん… でももう出ちゃうよお…」


ルキちゃんは通信魔法でボクが今にもおしっこが漏れそうだから早くしてほしいことを伝えた。


そしてその数分後。

(ハミンが駆けてくる音)


ハミン「ただいま。未青ちゃんトイレ行っていいよ。」

未青「分かった。」


しかし…

(チョロロロロ…)

パンツに少し溢れてしまった。急に動いたことに加え、やっとトイレに行けることに安心してしまったことで完全に油断し膀胱の括約筋が少し緩んでしまったのだ。ボクは今にも力が抜けそうな膀胱括約筋に必死に力を入れながら、トイレに急いだ。


(ヤバい… もうダメ…)


スカートの上から大事なところを押さえながら、トイレへ急ぐボク。トイレに着いた頃には、もう膀胱の痛みは耐えきれないほどだった。


(出ちゃう…! 出ちゃう…!)


トイレのドアを開けたボク、溜まっているおしっこを暴発させる1秒前というボクの膀胱。便器に―








































跨ってスカートの上から大事なところを押さえたまま、ボクはおしっこを解き放った。


(口の細かく震わせる未青、目にはうっすら涙が浮かんでいる)


ボクはあと少し間に合わなかった。「あの時気が抜けていなければ間に合ったかもしれないのに。」ボクの中には、後悔の気持ちすらあった。


便器の両脇には足を伝って床に流れ落ちたおしっこの水溜まりが広がっている。ボクはそれをそのままに、トボトボと部屋に戻った。


ルキ「未青ちゃんおかえ…」

ハミン「…」

未青「えへへ… 間に合わなかった… センセイにはボクから話すよ…」

ルキ・ハミン「分かった。」


ボクはセンセイに、トイレに間に合わなかったことを報告した。トイレの様子もセンセイに見せた。


フレイン「あとちょっとだったんだね… よしよし。私が着替え持っていくから、シャワー浴びてきて。」

未青「分かった…」


パンツもスパッツもスカートもびしょびしょの状態で、ボクはシャワーを浴びに行った。


(ふう…)

10分ほど経ってシャワーから出たボク。すると…


洗濯機の上に、薄いピンクのブレザーの制服があった。察するにさっきのの色違いだろう。


それを着てみたボク。

「可愛い…」

という言葉が、ボクの口から零れた。


未青「センセイセンセイ。見て。」

フレイン「未青くん。やっぱり私の思った通り似合ってるわ。」

シャピアフェ「ピンクの制服なんていかにも春らしいわね。」

未青「ありがとう。ルキちゃんハミンちゃんにも見せてくるね。」


ボクは急いで部屋に戻る。

ルキ「わあー!未青ちゃんとっても可愛い!」

ハミン「よかったね。フレインさんがクローゼットから出すこと見逃さないでおいて!」

未青「ルキちゃんハミンちゃんもありがとう。」


制服を着てみる今日一日。その残りはそれで過ごすことにした。


ルキ「じゃあ、帰る前に動画もう一つ撮ろう。」

ハミン「うん!」


ルキちゃんハミンちゃんと一緒に撮った動画は、ボクが可愛いとどれも評判だったようだ。

<用語解説>

【Short Track】

アスムール民主国で人気のショートムービー投稿アプリ。時間は15秒・30秒・45秒・60秒の4モード選択可能。また動画にもリアルタイムで様々なデコレーションや加工ができる。

投稿した動画は他SNSにもシェアでき、「Short Tracker」と呼ばれるスター投稿者も存在するほど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ