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Case 59「セレちゃんの自信」

(小走りで急ぐ未青)

(出ちゃうっ… 出ちゃうっ…!)


もうすぐ4月というある日。ボクはカレンデュラへ向かう途中で強い尿意に襲われた。カレンデュラに近づくのと比例して膀胱の痛みは激しさを増していき、パンツにもチビりはじめてきた。


(ドアのチャイムを鳴らす音)

(激しい息遣いで細かく足踏みをする未青)

カレンデュラに着いた頃にはパンツはもうぐっしょりと感じるほど濡れてしまっていた。

(玄関が開いて靴を脱いだらトイレにダッシュだ)ボクはそんなことを考えながら誰かが出迎えてくれるのを待つ。


しかし…


「セレちゃ― あっ…!ああっ…!あああっ…!」

(ジョロロロロロロビチャビチャビチャビチャ…)


セレちゃんが玄関を開けて出迎えてくれたと同時にタイムリミットを迎え、ボクはその場で立ったままおもらしをしてしまった。


「ううっ…」

「あー未青ちゃんおもらしー(苦笑)マリーユさん呼んでくるね。」

「ありがとうセレちゃん…」


セレちゃんに促されてシャワーを浴びに行った後、マリーユさんがシャワー室の脱衣場に持ってきてくれたカレンデュラの制服に着替える。今日のバイトはルキちゃん・ハミンちゃん・レクファニーちゃん・そしてボクというフルメンバーだが、5分ほど遅れてしまった。


未青「ごめんね遅くなっちゃった。」

ハミン・ルキ「大丈夫。」


その後はせっせとお仕事だ。


未青「こちらブレンドコーヒーです。」

客A「ありがとうございます。」


その最中のこと、ボクはトイレに行きたくなった。

未青(ちょっとモジモジした感じで)「ちょっとトイレ行ってくるね。」

ルキ「うん。」


ボクはトイレに急ぐ、その最中、セレちゃんがお店の方を見て立っているのが見えた。

その後トイレに飛び込んでおしっこを済ませ、トイレからお店に戻る時も、セレちゃんはまだお店の方を見て立っていた。


(セレちゃん、どうしたのかな?)


お店の方を見ていたセレちゃんは、お店の様子が気になっている様子だった。ボクはその様子が少し気になっていた。


12時少し過ぎ。昼休憩の時間になった。ボクはセレちゃん、ルキちゃんと一緒にまかないのトーストを食べる。

セレちゃんの一緒の食事。ボクは聞いてみることにした。

未青「ねえセレちゃん。」

セレスティーヌ「どうしたの未青ちゃん?」

未青「さっきセレちゃんお店の様子じっと立ってみてたけど、どうかしたの?なにか気になるものでもあったの?」

セレスティーヌ「ああ… 実はね…」


セレちゃんはこう続けた。

セレスティーヌ「実は… 私も未青ちゃんたちと一緒にお店で働きたいと思ってるんだ。やり方は分かるんだけど…」

未青「セレちゃんもボクたちと一緒に?いいけど、どうしたの?」

ルキ「私も大歓迎だけど、何か不安とか心配なこととかある感じ?」

セレスティーヌ「うん…」


どうやらお店で働くことに対して自信がない様子のセレちゃん。セレちゃんはなかなか言うのが恥ずかしそうな感じで、言葉を続けた。

セレスティーヌ「だって私… よくおもらししちゃうから、『もしお店でやっちゃったらどうしよう』って感じで心配なんだ。」

未青「そうなんだ…」


ボクはセレちゃんの気持ちが一番分かる気がする。セレちゃんと同じように日常的におもらしをしてしまっているボク。今日がそうだったようにここでも数えきれないくらいおもらしをしている。

ボクにはそのセレちゃんの気持ちが痛いほどわかった。初めてお店でおもらしをしてしまった時は、本当に悲しくて恥ずかしくてショックだったのだから。


~回想・未青が初めて店舗スペースでおもらしをした時~

未青「んっ… んんっ…」

エレナ「未青さん?」

未青「んっ… あっ… ああっ…」

(ジョロ… ジョロロ… ジョロロロロロロ…)

エレナ「未青さん!?大丈夫ですか?」

カウレ「大変…!」

ルキ「未青ちゃん…」

エレナ「すいませーん!」

ルキ「マリーユさーん!」

未青「(かなり酷い涙声で)ごめんなさい!ごめんなさい…!」

~回想終わり~


未青「大丈夫だよ。どうしてもトイレに行きたくなったらボクとかに伝えればいいわけだし。」

ルキ「セレちゃんもきっとできるよ!」

ボクたちはセレちゃんを励ました。トイレに行きたくなったらボクたちに伝えて行けばいい。ただそれだけの話なのだから。


セレスティーヌ「ありがとう未青ちゃんにセレちゃん。私、ベルーザさんに話してみようかな。」

セレちゃんはとても安心していて、嬉しそうな表情をしていた。


すると…

(テーブルの下から何かが震えているような音が聞こえてきている)


セレちゃんの足が震えていた。セレちゃん的におしっこが漏れそうなのは容易に察せる。

未青「セレちゃん、もしかしてトイレ行きたい?」

セレスティーヌ「う… うん…。ちょっとマジで漏れる…」

未青「じゃあすぐに行ってきていいよ!」

ボクがそう言うと、セレちゃんは席を立ちトイレにダッシュしていった。


その数分後、セレちゃんはオレンジ色のショートパンツをぐしょぐしょにして戻ってきた。

セレスティーヌ「未青ちゃん… えへへ… 間に合わなかった…(苦笑)」

未青「な… なんかごめん…」

ルキ「やっちゃったねセレちゃん…」

セレスティーヌ(照れている)


セレちゃんはあと一歩間に合わず、便器の前でおもらしをしてしまったようだった。


マリーユ「未青ちゃんとルキちゃんお願ーい!」

未青・ルキ「はーい。」


次の日。

未青「おはようございます。」

ハミン「あ、未青ちゃんおはよう!ねえ見て見て!」

カレンデュラに着いたボクをハミンちゃんが出迎えてくれた。ハミンちゃんはボクに見せたいものがあるという。まあボクにはそれがどんなものなのか何となく察せるが。


セレスティーヌ「じゃじゃーん!」

それはボクの察した通り、カレンデュラの制服に身を包んだセレちゃんだった。


レクファニー「セレちゃんとっても可愛い!」

未青「うん!制服とっても似合ってる!」

ハミン「ルキが来たらルキにも見せようよ!」

セレスティーヌ「うん!」


ラジオ「タンザナイト土建グループが、10時をお知らせします。」(オーソドックスなラジオの時報音)

時刻は10時。今日はセレちゃんも一緒に、アルバイトが始まった。


(ドアが開く音)

未青「いらっしゃいませー。」

セレスティーヌ「いらっしゃいませ。」

猫族の獣人の女性常連客「あら?こんな金髪の子いたかしら?新しいバイトの子?」

未青「あ、このカフェのオーナーの子で、昨日まではバックヤードで働いていたんです。」

セレスティーヌ「塩浜・セレスティーヌ・美咲です。よろしくお願いいたします。」

常連客「この名前法則ってことは転生者さんね。よろしく。」

セレスティーヌ「よろしくお願いします。」

常連客「じゃあ、注文いいかしら?」


セレちゃんにとっては初めての注文だ。ボクはその様子を見守っている。

常連客「ベーコンとチェダーチーズのホットサンド、それにブレンドコーヒーをお願いできるかしら?」

(セレスティーヌが注文をメモに取る)

セレスティーヌ「分かりました。ベーコンとチェダーチーズのホットサンドとブレンドコーヒーですね。しばらくお待ちください。」


セレちゃんはそう言って、バックヤードへと戻っていった。


そして、セレちゃんはベーコンとチェダーチーズのホットサンドとブレンドコーヒーをお客さんのもとに持ってきた。これで完璧だ。


常連客「ありがとう美咲ちゃん。」

セレスティーヌ「はい!」(満面の笑み)

セレちゃんもお客さんも満面の笑顔だ。


その後も次々にお客さんが来たが、セレちゃんがそのほとんどの注文を受けていった。連係プレーもばっちりだ。


そうこうしている間に時刻は11時半ごろになっていた。

未青「ちょっとトイレ行ってくるね。」

ルキ「うん。未青ちゃんすっごく頑張ってたね。」

未青「そうかな?セレちゃんほどじゃないと思うけど… ちょっと早くしないと漏れちゃうから行ってくるね…!」

おしっこが漏れそうになっていたボクは、一目散にトイレに急いだ。


なんとかギリギリ間に合った。

(はぁ~。)

おしっこをした後、手を洗ってお店へ戻る。


未青「ただいまー。」

セレちゃんとルキちゃんがいるお店。ボクはそこに戻って、お店の様子を見ているセレちゃんに話しかけた。

「ねえセレちゃん。」

すると…


(チョロロロロロロロロロロロ…)

セレちゃんの立っているところからなぜか水の音が聞こえてきた。ボクは

(まさか!)

と思ってセレちゃんの足元の方に目をやる。


それは案の定の出来事だった。セレちゃんの立っているところから、おしっこの水たまりが広がっていった。

セレちゃんがお店のカウンターでしたこと。それは「おもらし」だ。


セレちゃんがお店のカウンターでおもらしをしてしまった。ボクは慌ててそのことを通信魔法(テレパシー)でみんなに伝えた。

するとその直後バックヤードからマリーユさんが出てきて、セレちゃんをシャワーに連れて行った。

マリーユ「セレちゃん、来れる?」

セレスティーヌ「うん…」


カウンターでおもらしをしてしまったセレちゃん。ボクたちはそれをお客さんに悟られないようにするべく必死だった。


客C「あのーご注も… 店員さん、どうしたんですか?」

未青「ちょっとお水が零れちゃいまして。すぐに向かいます。」

ボクは分身魔法を使ったルキちゃんにその場を任せ、セレちゃんがするはずだったであろう注文を取りに行った。


そして時間は昼12時15分。昼休憩の時間だ。

未青「ルキちゃんのご飯ちょっと多めにしておいてくれませんか?さっき分身魔法使ったからとてもお腹空いているかもしれないから。」

ベルーザ「分かったわ。」


ボク、セレちゃん、ルキちゃんの3人で昼ご飯。そこには微妙な空気が流れていた。

未青「ねえセレちゃん。」

セレスティーヌ「未青ちゃん?」

未青「どう?接客の仕事は楽しい?」

セレスティーヌ「うん…」

未青「よかった。じゃあ、午後も頑張ろうね。」

セレスティーヌ「うん… 未青ちゃんにルキちゃん…」

未青・ルキ「?」

セレスティーヌ「ごめんね… さっき私お店でおもらししちゃったこと…」

未青「大丈夫だよ。ボクだって初めてのバイトの日におもらししちゃったんだし、ましてやボクなんかお客さんの前でおもらししちゃったことあるんだから(苦笑)ほら覚えてる?人魚さんの姉妹が来た日の事。」

セレスティーヌ「うん… ごめんね…迷惑かけちゃって… 私ずっと我慢してたんたけど、仕事が楽しくてなかなか言い出せなくて我慢しちゃって、気が付いたら一歩でも歩いたら出ちゃうレベルにまでなってたんだ…」


そう言うと、セレちゃんは泣き出した。

セレスティーヌ(涙声で)「私… さっきまで泣くのもずっと我慢してたの…」

ルキ「大丈夫だよ。セレちゃんがおもらししちゃうの、今に始まったことじゃないじゃん。」

未青「そうだよ。セレちゃん。同じよくおもらししちゃう人同士、ボクにはセレちゃんの気持ちが分かるよ。」


ボクはさらにこう続ける。

未青「ボクが初めてここでおもらししちゃった時、セレちゃんたちが慰めてくれたの、ボク今でも覚えてるよ。」

セレスティーヌ「えっ…?」

未青「うん!改めてになるけど、ありがとう。セレちゃん。」

セレスティーヌ「未青ちゃん…!」


セレちゃんはそう言って、ボクに抱き着いた。

未青「待って?一応言っとくけどボク男の子なんだよ?」

セレスティーヌ「いいの。」


泣き止んだセレちゃん。それからご飯を食べ終えた後、午後の仕事だ。


午後の仕事でも次々と注文を受けていくセレちゃん。自信を取り戻したようで、ボクとしても一安心だ。


そして午後4時半。今日の仕事は終わりだ。途中おもらしをしてしまうというハプニングにも見舞われたが、セレちゃんはお店で働くのが楽しかったようだ。


すると、セレちゃんはベルーザさんと話しているのが見えた。

「ねえねえベルーザさん!」

「あら、どうしたのセレスティーヌちゃん?」

「私明日もお店で働く!」

「そうなの?じゃあ明日も頑張ってね。ここだけの話だけどセレスティーヌちゃん、お小遣い増やそうかしら。」

「わーい!」

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