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Case 57「センセイ、酔う」

ある日の夜。ボクはシャピアさんと2人で晩ご飯を食べていた。なんでセンセイがいないのかというと、センセイは今日魔法専門学校の卒業式に便乗して行われたセンセイの同期の同窓会に出ているからだ。


そして時刻は夜の9時頃。

(センセイまだかなー。)

と思っていると…


(玄関のチャイムが鳴る音)


玄関のチャイムの音が鳴った。

(センセイかな?)

と思ったボクは、

「はーい。」

と言いながら、ボクは玄関へ向かう。


(玄関のドアを開ける音)

未青「センセイおかえ…」

ヘブン「あ未青くん。こんばんは。」

フレイン「あ~未青くん~?ただいま~。」


玄関を開けると、そこにはヘブンさんと、ヘブンさんに背負われているセンセイがいた。


未青「こんばんはヘブンさん。センセイ… どうしちゃったんですか?」

ヘブン「ああフレインね、同窓会でお酒飲んじゃって酔っぱらっちゃったのよ… 無理やり飲まされたりしたってわけじゃないからそこは安心して欲しいんだけど…」

未青「は… はい…」


センセイが酔っぱらっている。そんな状況は初めてだったから、ボクはそれを理解するまでに少し時間がかかってしまった。


未青「センセイ… 立てる?」

フレイン「うん… 未青くんごめんね~。」

ボクはヘブンさんを手伝い、センセイを家に入れた。その後ヘブンさんは家に帰った。


ヘブン「ありがとう。じゃあね未青くん。」

未青「はい。さようならヘブンさん。」


家に入り手洗いうがいをした後、センセイはリビングでシャピアさんから水を飲まされていた。幸い泥酔だったり悪酔いはしていないようだ。


未青「センセイ。」

フレイン「ん~?なに~未青く~ん。」

未青「お酒、今日どのくらい飲んだの?」

フレイン「う~ん… カップで7杯かな~…」

未青「センセイって、お酒飲んで酔っ払っちゃうってのは初めて?」

フレイン「ううん… 20歳の誕生日の日に初めてお酒飲んだ時もこんな感じ… っていうかその時はこれよりもっと酷かったかなぁ…」

未青「その時の量覚えてる?ていうか思い出せる?」

フレイン「ん~… この状況じゃ思い出せないかも… お母さんに聞けば分かると思うからお母さんに聞いて…」


というわけで、ボクはキッチンにいるシャピアさんに聞いてみることにした。シャピアさんはセンセイに飲ませる新しい水を用意していた。


未青「ねえシャピアさん。」

シャピアフェ「未青くんどうしたの?」


未青「センセイが初めてお酒飲んだ日、どれくらい飲んだか覚えてる?」

シャピアフェ「そのこと?そうね~。コップ3杯くらいだったな~。」

未青「センセイさっき『その時はこれよりもっと酷かった』って言ってたけど…」

シャピアフェ「そうなのよ。フレインったらたった3杯飲んだだけで二日酔いが続いたのよ… 未青くんは想像つく?」

未青「想像… つかないなぁ…」


まだ13歳で当たり前ながらお酒を飲んだことなんか全くないボク。お酒を飲む量と二日酔いの関係性についての想像はつかなかったが、センセイはそんなお酒に強くないということは理解できた。


すると…

(ん?)

リビングでセンセイが椅子から立ち上がる様子が見えた。トイレにでも行くのだろうかと思ったボクは、センセイのもとに駆け寄り、センセイを支える。


「センセイどこ行くの?」

「トイレ… ちょっとヤバい…」

「さっきいっぱいお水飲んだからね… このままじゃ危ないからボクも一緒に行くよ。」

「そう… 未青くんありがとう~。」


ボクは未だ足が千鳥足気味なセンセイを支え、トイレまで連れて行った。なんとか間に合ったが、千鳥足だからかいつもより時間がかかってしまった。


トイレから戻ったセンセイに、シャピアさんはこう言った。

「フレイン今日はもう寝なさい。」


シャピアさんはセンセイにシャワー代わりの浄化魔法を簡単にかけた後、センセイを支えながら2階に連れて行った。ボクも一緒について行く。


ベッドに腰掛けてセンセイは自分に迷彩魔法をかけてパジャマに着替えた。センセイはパジャマに着替えることはできるようだ。ボクも自分に迷彩魔法をかけてパジャマに着替える。


「センセイ… おやすみ…」

「おやすみ~未青くん。」


夜10時半少し前にボクたちは眠りについた。

それから数時間が過ぎた頃だろうか。ボクは尿意で目を覚ました。

(どうしよう。トイレ行きたい…)


今この状態でセンセイを起こすのは危険だ。酔いと寝ぼけとで大変なことになってしまう可能性もある。


(怖い…)

(ジュジュウ…)


暗いところが怖いボクは、そう思った瞬間一気に尿意が加速し、パンツに少しチビってしまった。


(でも… 立たなきゃ…)

ボクは勇気を振り絞ってベッドからトイレに立った。しかし勇気を振り絞るのと比例して、尿意はどんどん強くなっていく。


今にもおしっこを漏らしそうなボク。廊下の電気をつけ、パジャマのズボンの上から大事なところを押さえながらトイレに向けて歩を進めるが、頭の中は「おもらし」という言葉でいっぱいだ。


するとそこに、

「あら未青くん?」

「シャピアさん…」


廊下でシャピアさんとバッタリ遭遇した。

「どうしたのシャピアさん?」

「ちょっとフレインの様子を見に行こうと思って。未青くんはどう見てもトイレよね。よかったら一緒に行く?」

「ありがとうシャピアさん… でも… もう出ちゃ… あ… あ… ああああ…」

(ジュウウ… ジュウウ… ジョロロロロロロロロ…)


ボクはとうとう、パジャマの上から大事なところを押さえたまま、シャピアさんの前でおしっこを漏らしてしまった。


「ううっ…」

「大丈夫?未青くん?」

「うん…」

「着替えのパジャマは私が持ってくるから、未青くんはシャワー浴びに行きなさい。」


ボクはシャピアさんに促され一人シャワーを浴びに行った。着替えて戻った頃には、時刻はもう3時になっていた。


「おやすみ。シャピアさん。」

「おやすみ。未青くん。」


次の朝。

「おはよう。おはよう未青くん。」

ボクはセンセイに起こされた。珍しくおねしょをしなかった。

「センセイ… おはよう。いろいろ… 大丈夫?」

「うーん… まだ頭痛いのがちょっと残ってるくらいかなぁ…」


センセイはほとんど大丈夫になったようだ。ボクもこれで一安心だ。


フレイン「お酒はまたしばらくは大丈夫かなぁ…(苦笑)」

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