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Case 40「ボクの友達」

ある日、フレインとともにフレインの癒師仲間の女性の家を訪ねる未青。

すると彼女の弟が帰ってくるのですが…

アスムールも秋が深くなってきたある日、ボクはセンセイの仕事について行った帰り、仕事先で一緒になった「プラルさん」というセンセイの癒師仲間の人の家に寄ることになった。その人もまたセンセイとは魔法専門学校の頃からの仲だという。


未青「あっ… ああっ… あっ…」

(ジョロ、ジョロロロロロロ…)

ずっとトイレを我慢していたボクは、玄関に入ったところで力尽きおしっこを漏らしてしまった。


フレイン「あらら(苦笑)プラル?どっか借りても良い部屋ある?」

プラル「あるよ(苦笑)そこ着替えに使って。」


手洗いうがいを済ませた後、ボクはプラルさんに案内された部屋に通され、そこでセンセイが転送してくれた着替えの服に着替えた。


着替えが済んだ後はリビングへ。

プラル「未青くんって転生者なんでしょ?実はうちにも2人転生者がいるんだよ。あいにくバイトとかで2人とも家にはいないんだけどね。」

未青「2人も!それって、同じタイミングで転生してきたとかですか?」

プラル「ううん。別々に引き取ったの。」

プラルさんは同じタイミングで2人同時に転生したわけでもないのに転生者を2人も引き取っているということに、ボクはびっくりした。センセイからは「複数人が同時で転生してこない限り、転生者を引き取ることはまずない」とも聞いているからだ。


プラル「1人目が4年前で、2人目が2年前。」

とプラルさんは言う。


するとそこへ…

(ドアが開く音)

玄関のドアが開いた。

「ただいまー…」

入ってきたのはボクと同い年くらいで、外見も体つきもボクみたく女子そっくりな男の子だった。

(えっ?)

ボクが一番気になったところ。それは…











私学校の制服のズボンが、股間から裾にかけてぐっしょり濡れていることだ。


「あっ…」

靴を脱いで家に上がった男の子はボクたちに気づいた。

「ネルルおかえり。お客さん来てるの。」

プラルさんからそう言われた男の子は何も言わず、家の何処かへと駆けて行った。


プラル「ごめんねフレインに未青くん。ネルルったらおもらしして帰ってきたのが恥ずかしかったみたい。」

未青「そのネルルくんって子、まさか…」

プラル「うん… 私の口から他の人に言いたくはないんだけど…」

未青(無言で小さく頷く)

プラル「よくやっちゃうんだ… 私学校から帰ってくる途中に我慢できなかったのもよくあることなの… それもあるのかとっても恥ずかしがり屋で…」


ネルルくんは実はよくおもらしをしてしまうという事実。さっきボクが玄関先でおもらしをしてしまった時プラルさんは驚いた様子をこれっぽっちも見せなかったのをボクは少し不思議に思っていたが、これで全てがつながった。

そしてボクは、ボクたちに挨拶をすることもなく部屋に駆けて行ったネルルくんの気持ちが分かった気がした。帰る途中に我慢しきれずおもらしをしてしまい、濡れてしまったズボンを家にいたお客さんにまで見られてしまったんだ。こんな恥ずかしいことはないだろうなと思う。


ボクは返す言葉が見つからなかった。


それからはしばらくセンセイとプラルさんのおしゃべりが続いたが、ボクはずっとネルルくんの事が心配だった。


すると、

「…」


視線を感じたボク。その方向を見てみるとネルルくんがいた。ネルルくんがリビングのあまり目立たないところから、こちらを見つめているのだ。

ボクは黙っておいた。ネルルくんはとても恥ずかしがり屋なんだ。もしボクが教えてたらネルルくんは恥ずかしい思いをしてしまうだろうから。プラルさんは魔法使いなんだ。すぐ気づくだろうと思っていた。


そう思ってから間もないタイミングだった。

「あ、ネルルいるの?おいで。」

プラルさんはすぐに気づいた。


ネルルくんはすぐにこっちに来た。


「お客さんよ。」

「こん… にちは…」

ネルルくんは恥ずかしそうにボクたちに挨拶をした。


フレイン「はい。こんにちは。」

未青「お邪魔してます。」


ボクがそう言うと、ネルルくんはボクの方を見た。

ネルル「…」

未青「?」

プラル「どうしたのネルル?未青くんのこと気になる?」

ネルル「え?あ… あ…」

プラル「私の友達のうちの転生者の子よ。」


ネルルくんはどうやらボクの事が気になっているようだ。

プラル「未青くんはネルルと歳近いからタメでいいわよ。未青くん、大丈夫?」

未青「はい。」

もともとボクは男子は苦手だ。と言ってもそれは雰囲気の問題。ネルルくんにはその雰囲気がないから、ボクはネルルくんとタメで話すことになんら問題はなかった。


ネルル「いいの…?」

プラル「うん。」

未青「大丈夫だよ。よかったらしばらく一緒に遊びたいな。おしゃべりするだけでもいいよ。ネルルくん。」


ボクは初めてネルルくんと口を聞いた。思えば、ボクの方から友達を誘うというのは病院以外では初めてだ。


ネルル「…、うん!」

ネルルくんは言った。ネルルくんはボクと友達になりたがっているのではないか。そんな気がした。


ボクのところまで来るネルルくん。ボクを自分の部屋に案内するという。

ネルル「おいで。未青くん。」

ボクはネルルくんの部屋に案内された。ネルルくんに名前を呼ばれたボク。何だかちょっと嬉しい。


ネルルくんの部屋の中にはいろんな写真が貼ってあった。


「この写真、全部ネルルくんが撮ったの?」

「うん。俺、写真撮るの好きなんだ。」


ネルルくんの趣味は写真を撮る事なようだ。いつも使っているカメラも見せてくれた。

ネルルくんはフォトアルバムを持ってきて、壁に貼り切れなかった写真の数々を見せてくれた。


「ねえネルルくん。この2人は?」

写真のうちの1枚を見ていてボクは気になった。ボクより年上の女の人2人が映っている。

「ユイ(ねえ)とレイ(ねえ)。姉ちゃんが引き取った転生者で、一緒に暮らしてるんだ。」


それはプラルさんが引き取った2人の転生者だった。名前は結衣さんと蘭玲(ランレイ)さんという。

実質3人のお姉さんがいるネルルくん。ちょっぴり恥ずかしいこともあるけれど、3人とも優しいから好きだという。

ネルル「もちろん、家族として…だけどね…」


ボクはネルルくんとこの後もいろいろとおしゃべりをした。同い年くらいの男の子とのおしゃべりなんていつぶりだろうか。少なくともこの世界に転生してからは初めてなだけに、ボクもとっても楽しかった。


すると、

「ねえ未青くん…」

「ネルルくん?」

「俺…トイレ行ってくる…」

「うん。」

ネルルくんはトイレに立った。早足でしかも足をモジモジさせていたネルルくん。おしゃべりが楽しくてついつい我慢しすぎてしまったのだろう。


しかししばらくすると、部屋の外から声が聞こえてきた。

「レイ(ねえ)…?まだ?―」

ドアが閉まっていてあまりよく聞こえないがネルルくんの声だ。どうやらトイレは使用中みたいだ。

しかしネルルくんはなかなか戻ってこない。ネルルくんは実はピンチなのかもしれない。心配になった。


(もしかしてネルルくん、我慢できなかったのかな…)

そんなことをふと思ったその直後だった。


(ネルルの泣き声)

何やら部屋の外が騒然としている。そしてネルルくんの泣き声が聞こえてきた。

(まさか!)と思ってボクは部屋を飛び出した。


トイレの近くまで来てみると…


(ネルルくん…)

ネルルくんがプラルさんと蘭玲(ランレイ)さんに慰められながら泣いていた。床には水たまりが広がっていて、ネルルくんのズボンはびしょ濡れだ。


「ネルルくんはお姉さんがトイレから出るまで我慢しきれずおもらしをしてしまった。」その不安は的中してしまった。


未青「ネ、ネルルくん…!」

プラル「未青くんも心配で来てくれたの?」

未青「うん…」

蘭玲「あなたが未青くんって人?プラルさんから話は聞いてるよ。ごめんね心配させちゃって。」


ネルルくんは泣きながら家のどこかへ連れていかれた。結衣さんがネルルくんの部屋に入って着替えを持っていっていた。


フレイン「未青くんは部屋に戻ってて。心配してくれてたってプラルには改めて言っとくから。」

未青「うん…」


センセイにそう言われたボクは部屋に戻った。


ネルルくんがプラルさんに付き添われて部屋に戻ってきたのは、それから20分くらい経ってからのことだった。


ネルル「ただいま… 未青くん… ごめん…」

未青「大丈夫…?ネルルくん…?」

ネルル「今は…」

未青「よかった…」


そして、ボクはこう続けた。

未青「おもらしよくしちゃうの… 実は…ボクもなんだ…」

ネルル「えっ?」

ボクはネルルくんに自分もよくおもらしをしてしまうことを話した。転生する前のこと、転生した直後のこと、聖堂のトイレでのこと、この間のジョギング中のこと、そしてついさっきのこと…


未青「ボクもいるから…心配しなくていいよ…。」

ネルル「うん…!」

ネルルくんはすっかりボクに心を開いてくれた。



ボクとネルルくんは、もうすっかり友達だ。


そうこうしているうちに、帰る時間になった。


「じゃあね。ネルルくん。」

「『ネルル』でいいよ。あさって、未青ん家に遊びに行ってもいい?」

「いいよ。ネルル!」


ネルルくん…いやネルルはボクたちの家にも遊びに来てくれる。本当に楽しみだ。


そして2日後。

(ドアのチャイムが鳴る音)

ネルル「未青ー。」

未青「ネルル!」

結衣「うふふ。私は鴫越(しぎこし)結衣です。あなたが未青くんね。」

蘭玲「ファン蘭玲ランレイです。ネルルのこと、よろしくお願いします。」


~昼前・リビングのトイレのドアの前~

未青「ああっ… あっ…」

(ジョロ…ジョロロロロ…)

ネルル「未青… 大丈夫…?」

未青「えへへ… 間に合わなかった…」

-新しい設定付き登場人物-

プラル・ランデロック(Pral=Randelock)

フレインの癒師仲間である魔法使い・癒師の女性。癒師歴は13年。魔法の実力はフレインと同じくらい高い。25歳。

フレインとは魔法専門学校からの仲。

性格:面倒見が良くて優しい。

身長:約171cm

得意属性:花

誕生日:5月4日

趣味・特技:ぬいぐるみ集め・ダンス・ダンスゲーム

好きな食べ物:モンブラン

苦手なもの:昆虫以外の虫・シンナーの臭い

一人称:私

家族構成:父・母・弟・転生者2人。


ネルル・ランデロック(Nelulu=Randelock)

プラルの弟。魔法使い。14歳。

女子的な容姿や体つきだが、声は未青よりも低め。

体質的な理由でトイレが近く、未青同様に日常的におもらしをしてしまっている。一応癒師ではあるが、その事情や私学校に通っていることから癒師の仕事をしたことはない。自身曰く「ペーパー癒師」。癒師歴は1年。

性格:泣き虫で恥ずかしがり屋。自分のことはあまり表に出さないタイプ。

身長:約165cm

得意属性:水

誕生日:12月15日

趣味・特技:写真・リズムゲーム・ボール投げ

好きな食べ物:コーンスープ・クッキー

苦手なもの:暗い場所・尿意・圧が強い人

一人称:俺

トピックス:通っている私学校の体力テストのボール投げで学年1位になった事がある。


鴫越しぎこし 結衣(Yui=Shigikoshi)

プラルが引き取った2人の転生者のうちの一人。享年14で現在18歳。

4年前に交通事故(学校の帰り道に車に轢かれそうになった後輩を庇って自身が車に轢かれた)で命を落としてフレインたちの世界に転生し、プラルに引き取られた。

性格:正義感があって優しい性格。

身長:約160cm

誕生日:7月14日

趣味・特技:料理・スケートボード

得意料理:ハンバーグ

好きな食べ物:ハンバーグ・ハンバーガー

苦手なもの:アスファルトやコンクリートを削る音

一人称:私

トピックス:バイト先のファミレスではバイトリーダーを務めている。

トピックス2:ネルルからは「ユイねえ」と呼ばれている。


ファン 蘭玲ランレイ(Huang Lanling)

プラルが引き取ったもう一人の転生者。享年14で現在16歳。

2年前、通っていた中学校の生徒会選挙(いわゆる校内にある「ブラック校則」の改正)をめぐる騒動の渦中で命を落とし(蘭玲を快く思わなかった教師と結託した生徒に「生徒会選挙の事」のことと称して図工室に呼び出され、そこでバールで頭を殴られ死亡)てフレインたちの世界に転生し、プラルに引き取られた。

中国人だが物心ついた頃から生涯をずっと日本で過ごしていたため、日本語は日本人と遜色なく喋れる。

理由は不明だがトイレが近くチビってしまうことが多々あり、おもらしをしてしまう事もたまにある。

性格:のんびりとしている一方でおしゃべり好き。結衣同様に正義感がある。

身長:約160cm

誕生日:9月19日

趣味・特技:編み物・バドミントン

好きな食べ物:辛い料理全般

苦手なもの:高いところ・尿意・工具

一人称:私

トピックス:ネルルからは「レイねえ」と呼ばれている。

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