Case 31「センセイとお揃いのカラフルなスパッツ」
川祭りから数日が経った、バイトがないある朝。
(ぐしょ…)
ボクは今日もまたおねしょをした。シーツや、パジャマ代わりに履いていた黒いスパッツがぐっしょり濡れている。
夜も非常に暑いから、部屋は朝から冷房がかかっている。
「未青くんおはよ。またやっちゃったね(笑)」
「うん…(照)」
今日もあまりにも暑い。センセイも朝からスパッツを履いている。色は水色で、しかも一分丈だ。初夏くらいに太ももとお尻の境目までは見えるくらいのズボンを履いていた時ほどではないとはいえ、露出が多くて目のやり場に困る。
下半身がびしょ濡れのボクはクローゼットの中から着替えの服を取り出す。
シャツ・夏ものの薄いTシャツ・替えのパンツ・それに…
藍色のスパッツだ。丈は今センセイが履いているのと同じ一分丈のものだ。
「未青くんもスパッツだけ?スカートとかは履かなくていいの?」
「うん…(照)」
ボクは言いだせなかった。「センセイがスパッツ履いているのが可愛いから、ボクもスパッツだけにしたい。」と言うことが。
ボクはシャワーを浴びに行った。でもその最中、なんだかドキドキしてしまっていた。
シャワーから出てきたボク。朝ごはんの席にセンセイがいた。
「あら未青くん朝もスパッツなの?うふふ。可愛いわね。」
と、シャピアさんは言った。
朝ごはんを食べ終えたら歯みがきをする。ボクの後はセンセイだ。
すると…
「きゃあっ!」
洗面所の方からセンセイの悲鳴っぽい声が聞こえてきた。どうやら手を滑らせて、水を入れたコップを落としてしまったらしい。
「センセイ、大丈夫?」
「大丈夫だけど…」
よく見ると、センセイのスパッツが濡れてしまっていた。しかも濡れているのは股間から裾にかけて。これじゃまるでセンセイがおもらしをしてしまったみたいだ。
「センセイ… 大丈夫…?」
「うん… でもちょっと恥ずかしいな…」
センセイはやっぱり恥ずかしそうだった。
「ボクだよ完全にこれ…」
〜回想・何週間か前、朝の歯みがきの最中〜
(歯みがきをしている音)
未青「ん?んっ… んっ… んんっ…!」
(ジョロロロロロロロロ…)
〜回想終わり〜
スパッツを替えるというセンセイ。ボクは洗面所から出て、部屋に戻ってレプリンに朝ごはんの野菜スティックをあげた後、一人テレビを見ていた。
「非常に暑い日が続いています熱中症等にはご注意ください。また水属性や氷属性の魔法が使える魔法使いの皆さんは、周りに体調の悪そうな方がいらっしゃいましたら―」
(部屋のドアが開く音)
すると、部屋ににセンセイが戻ってきた。
「センセイ。」
センセイは藍色のスパッツを履いていた。丈も含めて今ボクが履いているのと同じものだ。
「センセイのスパッツ… ボクとお揃いだー!」
「うふふ。せっかくだから未青くんと同じのにしようと思って。せっかく同じスパッツのセット持ってるわけだし。」
「えへへ…(笑)」
センセイとお揃いのスパッツを履いている。ボクはそれがとても嬉しかった。
「キュン!」
フレイン「どうしたのレプリン?」
「キュン、キュン!」
フレイン「どうしたの?もしかして、お揃いのスパッツを履いてるのが可愛いって言いたいの?」
「キュン!」
フレイン「うふふ。ありがとう。」
未青「えへへ…」
またしばらくテレビを見ていると、ボクはふと思い立った。
(未青が立ち上がる音)
「未青くん?」
ボクはクローゼットの前に行き、スパッツをしまっているところを開けた。
その中には、黒・チャコールグレー・白・茶色・スカイブルー…ととにかく色とりどりのスパッツがまるでケースの中の色鉛筆のように並んでいる。ちょうど真ん中で区切られていて、左に一分丈、右が二部丈だ。デニムのタイトスカートを履く時にスカートの下に履く、薄いショートパンツもある。
「未青くんどうしたの?スパッツなんか見て。」
「なんか、どんな色があるのか気になって… センセイも同じの持ってるんだよね。シャピアさんがネット通販で買ってくれた(17色セット)の。」
〜回想・フレインの誕生日よりは前のある日のこと〜
「こっちはフレインの。」
「わ、私のも?」
「だって、せっかくだからお揃いがいいんじゃないかと思って。2つ買っちゃった。」
〜回想終わり〜
「そうよ。私のも見てみる?」
「いいの?」
「うん。未青くんはその中のを全部出してきて。」
センセイはそう言ってクローゼットの前に行き、スパッツをしまっているのであろうところを開けた。
その間ボクは、中に入っているスパッツを全部取り出して、床に置いた。ボクとほとんど同じとはいえ、センセイが普段履いているスパッツの履かれていない状態を見るというのは、とてもドキドキする。「こんなことしてもいいのか?」とも言わんばかりの、背徳感にも似た感情がボクの中に渦巻いていた。
それから遅れて2分くらい。センセイもスパッツを持ってきた。ボクと同じようにデニムのミニのタイトスカートを履くとき用のショートパンツもある。
17色セットを買ってもらう前にもボクは、センセイからはお下がりで、シャピアさんからはおもらしした時用の着替えとしてスパッツをいくつかもらっていたため、ボクと違う点があるとするならそれがないことくらいだろうか。
「ボクの方が、やっぱりちょっと多い…」
「(笑)そうだね。」
「えへへ。センセイが小さい頃かボクくらいの頃、カラフルなスパッツって履いてたの?」
「私は黒しか履いてなかったかなぁ… あの時未青くんにあげたのも、みんな黒だったでしょ?」
「うん。」
ちょっぴり恥ずかしさもあったが、おしゃべりしているのは楽しかった。
今日はクルルスさんとの魔法の勉強もない。一日本を読んだりテレビを見たり、シャピアさんのお手伝いをしたりして過ごした。
時刻は午後の3時くらいになった。
おやつもそうだが、サクラさんが出ているドラマの再放送の時間でもある。今日はバイトがないからリアルタイムで見られる。
『ラジオスケイプ』というドラマ。京杜に次ぐアスムール民主国第2の都市「胡ノ田」の郊外も郊外にある街「宙丘里」の小さなラジオ局が舞台の、Web小説を原作にしたお仕事ものの作品だ。主演は当然サクラさんだ。今日は第6話。エリア内で火魔法を悪用した連続爆破事件が起き、サクラさん演じる主人公が臨時ニュースのキャスターとして長時間奮闘する話の後編だ。
ディレクター「はいスタート!」
サクラが演じる登場人物「再び宙丘里のスタジオから連続爆破事件のニュースをお伝えします。」
CMが終わって、また主人公がニュースを伝え始めた。
しかし…
「…」
ボクは突然、強い尿意を襲われた。
(どうしよう…)
ドラマの展開が気になるボクは、トイレに立つことはできなかった。
「あと半分。ギリギリ間に合わないかもしれないけど我慢し切れるだろう。」と思っていた。
しかしその考えは間違っていた。尿意はどんどん高まっていき、それに比例して膀胱の痛みも強くなっていった。ドラマに意識を向けても誤魔化しきれないくらいだ。
ボクは膀胱括約筋と太ももをピタッと閉じながら、テーブルの下で見えないように大事なところをスパッツの上から両手で押さえていた。
終わるまであと15分、10分、5分、3分… 時間が経つのに比例してさらに苛烈さを増していく尿意と膀胱の痛み。ドラマの内容は辛うじて頭に入ってくるが、そんなボクの頭の中は「おもらし」「センセイとお揃いのスパッツ」の2つの言葉がグルグルしていた。
アナウンス部長「本当に長時間よく頑張ったな。お疲れ!」
(社員たちからの拍手)
サクラが演じる登場人物「本当に、皆さんのおかげです…!(嬉し泣きの声)」
エンディングテーマをバックに、長時間の臨時ニュースを務め上げたという大仕事を労われたサクラさん演じる主人公が社員みんなの前で涙を流す場面で話は終わった。センセイによると、その場面は本放送当時SNSで大きな反響を呼んだという。
ドラマが終わってCM。ボクのパンツは滲み出たおしっこでだいぶ濡れてしまっていたのと、少しでも動いたらその瞬間にボクの膀胱が決壊することははっきり分かる。ボクの膀胱は既に限界を超えていることの何よりの証明だ。
タイムリミットを待つだけのボクはもう、完全に立ちあがることすらできなくなっていた。
(脚が細かく震えている未青)
「未青くん?どうしたの?」
(出ちゃうっ… 出ちゃうっ… 出ちゃうっ…!!)
(ジュッ、ジュウッ、ジュウウッ… ジュウウウウウウウウウウウウウウ―!!)
そしてボクはリビングの椅子に座ったままタイムリミットを迎えた。
サクラさん演じる主人公、それにラジオ局の長い戦いの終わりの余韻を押し流すように、ボクが我慢していたおしっこが椅子の上に溢れ出して床に零れ落ちる音が鳴り響いていた。
「おもらし」を終えたボクは、そのまま俯いた。
「未青くん…」
「センセイ…ごめん… スパッツ… センセイと お揃いだったのに… (未青の泣き声)」
「大丈夫?CMまで我慢できなかったのね。」
(泣きながら頷く)
ボクはセンセイに頭や肩を優しく撫でられた後、シャワーを浴びに行った。
「あっ… ああっ…」
「未青くん?」
「出る…」
(チョロロロロ…)
シャワーに向かう最中にまた強い尿意に襲われたボク。ついさっきおもらしをしたボクが持ちこたえることなどできず括約筋はすぐに力尽き、ただでさえぐしょぐしょのパンツとスパッツに中にまたおしっこを漏らしてしまった。
フレイン「よしよし。」
シャピアフェ「ここは私がやっておくから。」
「ありがとう…」
ボクはシャワーを浴びた。着替えのスパッツはオリーブグリーンの一分丈のものだった。
シャワールームを出たボク。
「未青くん。フレインはお部屋に戻ったから。」
掃除はボクがシャワーを浴びている間に終わったようで、センセイは部屋に戻っていた。
「ただいまー。」
「おかえり。」
部屋にいたセンセイ。
「ん…」
ボクはふとセンセイの履いているスパッツに目がいった。
「センセイ… ボクとお揃い…」
「でしょ?せっかくだから、今度も未青くんとお揃いにしようかなと思って、私も履き替えちゃった。」
そう言ったセンセイ。
「センセイ…!」
わざわざボクに揃えて履き替えてくれていたことが、ボクは何よりも嬉しかった。ボクはセンセイに抱きついた。
「うふふ。未青くん可愛いわ。」
「センセイもだよ。」
それから数時間後、シャピアさんとキッチンで、晩ごはんの支度を手伝っていた時のこと。
「未青くんおしっこ?漏れそう?」
「うん…!」
途中で突然強い尿意に襲われ、トイレに駆け込むも…
「あぁぁっ…!」
(ジョ〜…)
あと少し間に合わず、トイレに飛び込みドアを閉め、便器を背にした状態でおもらしをしてしまったボク。
「間に合わなかったのね(笑)」
センセイが持ってきてくれていた替えの薄紫色のスパッツ。
未青「またお揃いだね。(笑)」
センセイもそれと同じものを履いていた。
「フレイン、今日ずっと未青くんとお揃いのスパッツ履いてるわね(笑)」
「えへへ…(照)」
次の日。今日ボクはバイト。センセイは癒師の仕事だ。
「あ。」
2階のベランダで洗濯物を干しているシャピアさん。小物干しを透視魔法を使ってタオルで隠された向こうを見てみると、藍色とオリーブグリーンのスパッツが2枚ずつ干されていた。片方はボクが履いていておもらしで汚してしまったもの。もう片方はセンセイが履いていたものだ。どっちがどっちのかはラベルでしか判別できないから、ここからでは分からない。(センセイが昨日最初に履いていた水色のは昨日洗濯済み)
シャピアフェ「未青くん。いってらっしゃい。」
未青「いってきまーす。」




