Case 3「センセイのお母さん」
役場での転生者登録の次の日、未青はフレインからあることを告げられます。
それは、フレインの母親も含めた3人で、一緒に晩ご飯を食べようという誘いで…
転生者登録手続きが済んだ次の日。
「あっ…んっ…うぅ…」
(ジョロロロロ…)
ボクは今日もまたおもらしをしてしまった。今回はセンセイからこの世界の魔法についていろいろ教えてもらっている最中に突然強い尿意を催し、センセイと一緒にトイレに行こうとしたと同時に膀胱が決壊してしまったからだ。
「あらら(笑)。じゃ、着替え持ってくるね。」
「うん…」
いつものようにセンセイが着替えを持ってきて、迷彩魔法をかけられて濡れたズボンとパンツをそれに履き替える。
着替えが終わったとほぼ同時に、ドアのチャイムが鳴った。
(ドアのチャイムが鳴る音)
「はーい。ちょっと行ってくるね。」
「うん。」
センセイは玄関の方へ行き、しばらくしてまた部屋に戻ってきた。
「お待たせー。お母さんが注文した新しい調理器具が届いたの。」
「そうなんだ。」
この世界にもボクが前いた世界と全く同じインターネットやパソコン・スマホなどがあって、ネットショッピングやフリマアプリ、それに動画サイトなどもあり、前いた世界における「YouTuber」のような人たちも同様にいる。
「そうだ。」
「どうしたの?センセイ。」
センセイはボクに話しかけてきた。
「今夜さ、お母さんとも一緒に晩ご飯食べようよ。お母さん、『転生者登録も済んだわけだし、そろそろ未青くんとお話してみたいな。』ってさっき言ってたんだ。」
「マジで?」
センセイのお母さん。昨日転生者登録手続きに行くための玄関に行く途中、通りがかったリビングでテレビを見ていた女の人だ。まだボクと話したことはない。
「センセイの… お母さん…」
センセイのお母さん。ちょっと緊張する。
「あっ…」(チョロロロッ…)
緊張したからか、ボクはおしっこを少し漏らしてしまった。「チビった」というにも少し多いくらい。パンツは肌ではっきり分かるくらい濡れ、ズボンにもシミが少し浮かび上がってしまった。
「どうしたの?」
「…。 少し… 出ちゃった…」
「あらら。」
「安心して、とっても優しい人だから。未青くんのこともちゃんと分かってくれてるし。」
「それって、おもらしのことも…?」
「うん!だから心配しなくていいよ。」
センセイのお母さんはボクのことを分かってくれているようだった。もちろんトイレが格段に近くて日常的におもらしをしてしまうことも。
それを聞いたボクは少し安心した。
「だったら、ボクも大丈夫かな…」
「よかった。夜が楽しみだね(笑)」
「センセイのお母さん… 一体どんな人なんだろう…」 ボクはそんなことを考えながら、センセイが用意してくれた服に着替えた。
結局その服も、午後におもらしで汚しちゃったけど。センセイと買い物に行った帰り道でトイレに行きたくなって急いだけど、玄関前でタイムリミットになってしまったからだ。
「間に合わなかったぁ…」
「あらあら(笑)早く部屋で着替えよう。」
そしてその夜。
「未青くーん。フレイーン。ご飯できたわよー。」
「はーい。 ほら、未青くんも行くよ。」
「うん。」
センセイのお母さんが呼ぶ声がした。
「あ、未青くーん!」
リビングの食卓にはセンセイのお母さんが待っていた。クリーム色のブラウスに水色の膝下くらいの丈のロングスカートに身を包んだ、とっても綺麗で上品な感じの女の人だ。
「はじめまして。私、フレインの母の『シャピアフェ・スノーウィー』です。未青くん、よろしくね。」
「はい… ボク、赤砂未青と言います… 今夜は… よろしくお願いします…」
「なんなの改まっちゃって(笑)フレインと話すときみたいに、タメでいいのよ。」
「分か…りま… あじゃなかった… うん…」
やっぱりセンセイのお母さんということもあってボクは緊張する。最初からタメでいいと言われたらなおさらだ。でもセンセイのお母さん…シャピアフェさんはとっても優しい人なのに間違いはなかった。
「もうお母さん、最初からタメなんて未青くんにはちょっとハードだよぉ…(汗)」
食卓の上には、前の世界で見慣れていたいろんな家庭料理が並ぶ。蕎麦・オムライス・ハンバーグ・唐揚げ…
「ほらね。この世界の料理も、未青くんが前いた世界とそんな変わらないでしょ?」
「はい!…じゃなかったうん!」
「早速食べてみて。」
ボクはシャピアフェさんに言われるがまま、料理を口に運んだ。
「とっても美味しい…!」
「うふふ。喜んでもらえて何よりだわ。」
シャピアフェさんもセンセイも、本当に嬉しそうな顔をしていた。
センセイによるとシャピアフェさんは料理がとっても上手だという。センセイは中でも、シャピアフェさんの作るコーンスープは一番大好きだという。
そのコーンスープもちゃんと食卓にある。
「美味しい!」
「でしょ?」
センセイの大好きなコーンスープを一緒に飲んでいるのが、ボクはなんだか嬉しかった。
料理の次は魔法に関する話。シャピアフェさんもいろんな魔法が使えていてその数と実力はセンセイのそれを遥かに超えるほど。癒師歴はなんと35年以上で今まで数え切れないほど多くの人に魔法で癒しを与えてきた。それだけでなく大けがの治療にも応用できてしまうほどの治癒魔法の技術の高さから、病院での緊急時の応急処置の仕事をしていたこともあったという。
「大けがを治すことができるのって、実はかなりの技術力がいるんだよ。」
と、センセイは言う。
「あんたはまだそれほどでもないわよね。よくて骨折した時に骨を応急的につなぎ合わせるくらいだもんね。」
「も~未青くんの前でそれ言わないで~。」
センセイはちょっぴり恥ずかしそうな顔をしていた。
センセイはチアダンスも得意で、魔法専門学校のチアリーディング部にも入っていた他、個人のチアダンス選手権で優勝したこともあるという。
「えへへ(照れ笑い)」
「本当にチアの衣装可愛かったんだから。未青くんが見たらきっと、あまりの可愛さにおもらししちゃうかもね。」
「あはは…(照れ笑い)」
ボクは照れ笑いするしかなった。
シャピアフェさんはこんなことを聞いてきた。
「未青くん。フレインのことが可愛いなって思った事ある?」
ボクにはハードすぎる問題だ。確かにセンセイが可愛いのは事実だ。でもそれをお母さんの前で言うなんて、ハードすぎる。
「も~何てことを未青くんに聞いてるのよ~!」
センセイが突っ込んでいた。
「ね、どう?どう?」
ボクは意を決して、首を縦に振った。正直言って恥ずかしい。
「わー!ありがとう未青くん!」
「えへへ…」
「いいのよ。お母さん、とっても嬉しい!」
これ以降もいろんな話が続いた。
しかしその話の最中…
「!…」
ボクがトイレに行きたくなってしまった。しかも緊張が抜けきっていないからなのか、膀胱の痛みは急速に激しくなっていく。
初めて尿意を感じてから15分も経たない間に、ボクの膀胱は苛烈な痛みを帯びていた。その激しさに、ボクは下を向いてしまった。
「あら?未青くんどうしたの?」
シャピアフェさんが心配そうにボクに話しかけてきた。
「あの… ト… トイレ…」
「トイレね。でも未青くんまだ、この家の1階のトイレまだ使ってなかったわよね。」
「うん… でも…もう…ダメ…」
「大変。フレイン。未青くんを早くトイレに連れて行ってあげて。」
「分かった。未青くん、こっちだよ。」
センセイに案内されてボクはトイレに急ぐ。パンツにおしっこが滲み出て、床におしっこの雫が垂れるような感じもする。
リビングからそう時間はかからない。ボクは今にも決壊しそうな膀胱の括約筋に、必死で力を入れて閉じ続けた。
そしてトイレのドア。ボクはそのドアノブに手をかけようとした。
しかし…
「あっ… ああっ…」
膀胱が悲鳴を上げるかように急に痛みを増したと同時に、手足がすくんでしまった。
そして膀胱の痛みが引いてくるのと同時に、みるみるうちにパンツとズボンが濡れていくような感じがした。
(ジョォォォォォ…)
トイレのドアの一歩手前。ボクは間に合わなかった。
トイレのドアの前に広がる水溜りの上に立ち尽くすボクのもとに、後ろからセンセイが心配して歩み寄って来た。
「ううぅ…」
ボクの目には涙が滲み出ていた。
「残念だったね… お部屋に戻って着替えよ。」
センセイはそう言って、ボクの頭を優しくぽんぽんした。
(無言で頷く)
「フレイン。未青くん大丈夫だった?」
「うぅん… ダメだった…」
「そう… ごめんね。『フレインのことが可愛い?』だなんてことを聞いて、緊張しちゃったのかな?」
シャピアフェさんもなんだか心配そうな顔をしていた。
いつもの部屋で着替えた後、ボクたちはリビングに戻った。
シャピアフェさんは戻って来たと同時に、ボクに謝ってきた。
「さっきは急に『フレインのことが可愛いなって思った事ある?』だなんて、急に困るようなことを聞いてきてごめんね。それで急に緊張しちゃったのかな?」
「そんな… 確かに突然なことに緊張して急にトイレに行きたくなっちゃのかもしれないけど… センセイが可愛いのは…ホントのことだから…」
ボクはこう続けた。
「それよりも… せっかくみんなでの食事の場でおもらししちゃって… ごめんなさい…!」
それよりもボクは、せっかくの初めての3人での食事の場でおもらしをしてしまったことが、本当に申し訳なく感じていた。
「気にしなくていいのよおもらししちゃったことなんて。たまたま、ここで行きたくなっちゃっただけなんでしょ?」
(無言で頷く)
「大丈夫よ。」
そう言ってシャピアフェさんはボクのところに来て優しく抱きしめ、頭を撫でた。センセイはその脇で優しく見守っていた。
「ねえ未青くん、明日の朝も3人でご飯食べよ。」
「うん… シャピアフェさん!」
「もう。『シャピアさん』でいいわよ。フレインのこと『センセイ』って呼んでるみたいに。」
「分かった。シャピアさん!」
-登場人物-
シャピアフェ・スノーウィー(Shapiafe=Snowy)
フレインの母親。47歳。癒師歴は35年以上。
魔法の実力や技術力もフレインの倍以上。上級の治癒魔法も使える。
性格:のほほんとしたのんびり屋な性格で、おせっかい焼きな一面も
身長:約184cm
バスト:C
誕生日:3月23日
得意属性:水・花
趣味・特技:料理・バレエ・ASMR動画鑑賞
得意料理:コーンスープ・野菜炒め・玉子焼き
好きなもの:美味しいもの・水のせせらぎ・綺麗な花・少女漫画・可愛い服
苦手なもの:騒音・高い所
トピックス:料理の上手さは、経営の傾いていた友人の家のレストランの経営を一気に回復させたほど。
一人称:私




