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Case 26「裏世界アニメのぬいぐるみ」

ボクが今の世界に転生してから2ヶ月が過ぎた。


ちなみに、今過ごしているこの世界に「裏世界アニメ」という言葉がある。その意味は前の世界で言うところの「異世界もののアニメ」じゃない。ボクが前いた世界で放送されているアニメ、それ自体のことを指す。どうやら別世界の有形無形さまざまな物をこちらの世界に複製して召喚するというかなり上級な魔法を使って、大量に仕入れているようだ。

特にこの世界にある国々のうちアスムール民主国は「裏世界アニメ」の放送比率がトップクラスに高いようで、それ目当てに移り住んでくる人もいるって話もセンセイから聞いた。ボクも楽しみに見ていることは言うまでもない。



これは、ある暑い日の土曜日の朝10時過ぎのこと。

「お兄ちゃん。」


センセイと一緒にスクリアに買い物に行った帰り道。ルイーザちゃんに会った。

ルイーザ「ルイーザちゃん!」


フレイン「カリンさん。こんにちは。」

カリン「こんにちは。フレインちゃんに未青くん。」

未青「こんにちは。」

カリン「ルイーザ。お姉さんにもこんにちはしなきゃ。」

ルイーザ「お姉さんこんにちは。」


そのルイーザちゃんは、前の世界でも見たことがあるおもちゃを持っていた。コンパクトのようなものを首にぶら下げていて、手には青い電子辞書のタッチペンらしきものを持っている。

「ルイーザちゃん。このおもちゃ…」

「お兄ちゃんも知ってるの?」

「うん。」


ルイーザちゃんが持っていたおもちゃ。それはボクも毎週日曜日の朝楽しみにしていたアニメに登場する変身アイテムだ。


「お兄ちゃんすごーい!ルイーザの宝物ー!」

「そうなんだ。ボクも毎週楽しみに見てたよ。ルイーザちゃんは誰が好き?」

「ルイーザ?ルイーザはね―」

ルイーザちゃんは、物語の途中に加わったキャラクターが一番お気に入りなようだ。

「ボクもその子好きだったなあ。それ、どこで買ったの?」

「『うらせかいなんとか』のものをいっぱい売ってるお店。ママに買ってもらったんだ。」


ボクたちはしばらく、その作品についていろいろ語り合った。


ルイーザちゃんはそのおもちゃを、舞嗣遠の駅前にある裏世界アニメのグッズをたくさん扱っているお店で、カリンさんから買ってもらったようだ。アニメと同様にアニメのグッズやアイテムも召喚され広く流通していることもセンセイから聞いた話だ。お店の名前も聞いたことがある。


「他にもいろいろ買ってやったんですけど、ルイーザはこれが一番のお気に入りなんですよ。」

というカリンさん。ルイーザちゃんは本当に楽しそうな顔をしていた。


「ほらルイーザ行くわよ。おやつのケーキ買いに行くんだったでしょ。」

「そうだった!お兄ちゃん。バイバイ。」

「バイバイ。また遊ぼうね。ルイーザちゃん。」

「うん!」


そう言って、ボクは2人と別れた。


家に帰って手洗いうがいを済ませ、シャワーを浴びた後…

「シャピアさん、パソコン使っていい?」

「いいわよ。でも珍しいわね。未青君がパソコン使うなんて。」


ボクはパソコンを開いた。ルイーザちゃんが話していたあのお店のことについて調べるからだ。


アスムールでトップシェアを誇るインターネット検索サイトの検索欄に「セカイのキョウカイ 舞嗣遠」と打ち込み、エンターキーを押す。


検索結果のトップに表示された「セカイのキョウカイ 舞嗣遠駅前店」という項目。これがお目当ての店だ。やっぱりボクも何度か通りがかったことがあるところだった。


「ん?どうしたの未青くん?」

シャワーを浴び終わって部屋に戻ってきたセンセイが、ボクのところにやってきた。

「センセイ。さっきルイーザちゃんが言ってたお店調べてるの。」

「セカキョウね。私、そこ行ったこと何度かあるよ。」

「そうなんだ。」

「うん。それに実はね…」


センセイはそう言うと、スマホの画面を見せてきた。その画面には

「セカイのキョウカイ キョウカイ員証」

と書いてある。


「私実はそこの会員なんだ。」

と言った。


「そうなの!すごい!センセイ。」

「えへへ。前に癒師仲間と一緒に行った時、一緒に登録したんだ。」


ボクはこの時に分かった。ルイーザちゃんが

〜回想・さっき〜

「『うらせかいなんとか』のものをいっぱい売ってるお店。ママに買ってもらったんだ。」

〜回想終わり〜

と言った時、センセイは何かを知っているそうな雰囲気だったのが。


「そうだ未青くん。ちょっとマウス貸して。」

「うん。」

そう言ってボクはセンセイにマウスを渡した。マウスの矢印は、画面右上にある、プレゼントボックスのイラストの下に「ショップ」と書かれたアイコンのところへ移った。


そこをクリックしたセンセイ。ログイン画面が出てきた。「セカイのキョウカイ キョウカイ員ログイン画面」と書いてある。

センセイはそこの入力フォームに、念力魔法を使って一瞬で会員IDとパスワードを入れると、画面が切り替わった。


「セカイのキョウカイ キョウカイ員ショップ」という文字が書かれた画面。

その下には、見覚えのあるアニメのキャラクターのフィギュアやぬいぐるみ、おもちゃやグッズもある。


「会員限定のネット通販もあるんだよ。お店で売ってる値段と同額で買えるんだ。」

「そうなんだ。」

「せっかくだから、未青くん使ってみてもいいよ。実は私ね、ここ最近の癒師の仕事でかなり儲けたんだ(笑)」

「いいの!?ありがとうセンセイ!」


ボクはこのサイトで買い物をしていいことになった。シャピアさんから物言いがついて、最大でも7,000苑くらいまでということになったが。


そういえばここしばらく魔法の勉強やカレンデュラでのバイトでしばらくセンセイの癒師の仕事について行けてなかったなあと思いながら、ボクは商品検索欄にカーソルを入れ、そこに「ぬいぐるみ」と打ち込んだ。


エンターキーを押すと画面は切り替わり、いろいろなアニメのキャラクターのぬいぐるみが出てきた。


前の世界でもネットで見たことがあって「欲しいな」と思ったこともあった、アニメのキャラクターのぬいぐるみ。ボクは見ているだけでも楽しかった。


それから30分ほど。ボクは2つのぬいぐるみを選んだ。どれも前の世界で見ていたアニメのキャラクターのものだ。


「これにするー。」

「OK?」

「うん。」

値段は2つ合わせて3,500苑強。センセイが注文手続きを済ませた。


たまたま2つとも舞嗣遠駅前店に在庫があったようで、商品が届いたのはその日の夕方4時過ぎだった。


「その日のうちにお迎えできてよかったね(笑)」

「うん!」


ボクとセンセイは晩ご飯の後の歯磨きを済ませた後は、ぬいぐるみで写真を撮ったりして遊んだ。


「レプリン。撮るよ。」

「キュン!」

レプリンと並べて撮ったりもした。



3日後の昼過ぎ。

〜家の玄関〜

(ドアのチャイムが鳴る音)

フレイン「はーい。」

(ドアを開ける音)

マリーユ「こんにちはー。」

セレスティーヌ「こんにちはー。未青ちゃんは?」

「あら、セレちゃんじゃない。いらっしゃい。未青くんなら上よ。呼んでくるね。」


セレちゃんが家に遊びにきた。アニメが好きなマリーユさんの影響でセレちゃんも裏世界アニメのキャラクターのぬいぐるみをいくつか持っているようで、


〜回想・日曜日、カレンデュラ〜

「ねえねえ未青ちゃん!これ見て!」

「あ、これ!ボクも別のキャラクターの持ってるよ。昨日センセイに買ってもらったんだ。」

「そうなの?じゃあ今度お店がお休みの日に遊びに行きた〜い!」

〜回想終わり〜


と、お店の定休日を利用して家に遊びにきたのだ。


その時部屋で本を読んでいたボクは、センセイに呼ばれて玄関へと行った。

「セレちゃん。」

「未青ちゃん、これ、持ってきたよ。」

セレちゃんは、日曜日にカレンデュラで持っていたものと同じものを持ってきてい。ボクがこの間うちに来たぬいぐるみのうち片方のキャラクターが登場する作品の、別の登場キャラクターのものだ。


セレスティーヌ「未青ちゃんのはお部屋にあるの?」

未青「うん。」

セレスティーヌ「えー見たい見たい!」

マリーユ「手洗いうがいしてからだよセレちゃん(苦笑)未青ちゃんは先に部屋に戻ってて。」

未青「はーい。」


それからしばらくして、セレちゃんが部屋にやってきた。

「セレちゃん。」

「未青ちゃん。これ?私も大好き。」


そんなセレちゃんはぬいぐるみのみならず、レプリンにも興味を示していた。


「キュン?」

「レプリン気になる?ボクの友達なんだ。」

「こんにちはレプリン。私、塩浜・セレスティーヌ・美咲。よろしくね。」


その後ボクたちは、セレちゃんのスマホでぬいぐるみの写真を撮ったりした遊んだ。


使っているものが違うだけで、まるで小さい頃に戻ったような気分だ。



それからしばらくして…

「未青ちゃん。」

「セレちゃん?」

「トイレ…」


セレちゃんはトイレに行きたくなった。遊んでいるのが楽しくてついついトイレを我慢してしまい、限界になってしまったようだ。


「連れてってあげる。」

「うん。」

ボクはセレちゃんを急いでトイレに連れていった。


しかしその最中、ボクの体にも強い尿意が降りかかってきた。セレちゃんの尿意が移ってきて、ボクの元々の尿意に上乗せされた感じだ。


トイレに飛び込むセレちゃん。しかし、なかなか出てこない。


(トイレの中から聞こえてくるセレスティーヌの泣き声)

すると、トイレの中からセレちゃんの泣き声が聞こえて来た。


「セレちゃん?」

「未青ちゃんごめん… 漏れちゃった…」


どうやらセレちゃんはあと一歩間に合わず、便器の目の前でおもらしをしてしまったようだ。


「マリーユさん、呼んでくるね。」

「(涙声で)うん… ありがとう未青ちゃん…」


ボクは(カレンデュラでセレちゃんがおもらしをしてしまった現場に遭遇した時と同じような感じで)階段を駆け降り、リビングでおしゃべりをしているセンセイとマリーユさんに、


「センセイ。マリーユさーん。」

フレイン「どうしたの?未青くん。」

「セレちゃん、(トイレ)間に合わなかった。」

と、セレちゃんがトイレに間に合わなかったことを報告した。


でもそんなボクの尿意ももうかなり限界で、その最中スカートの上から大事なところを押さえていた。


マリーユ「分かった。セレちゃん今どこ?」

「2階のトイレ…」


マリーユさんに場所を伝えたボク。ボクが今にも漏れそうなのを察したのか、センセイが案内するという。


(もう… ダメ…!)

ボクはそう思って一目散に、1階のトイレにダッシュした。トイレに近づく度に尿意と膀胱の痛みはどんどんと強くなっていく。


(トイレのドアを開ける音)

少し少し軋んでいく括約筋に力を込めながら、ボクはトイレのドアを開けて飛び込んだ。


しかし…

「あっ… ああっ… あっ…」

(ジョロロロロロロロロロロ…)



トイレのドアを閉めたと同時に、ボクの膀胱括約筋はついに力尽きた。

左手でスカートの上から大事なところを押さえたまま、ボクは便器の目の前でおもらしをしてしまった。


おもらしが終わったボクはトイレを出て、

「シャピアさん…」

「未青くん?」

「間に合わなかった…」


と、キッチンでおやつの準備をしていたシャピアさんにおもらしをしてしまったことを報告した。水色のルームウェアのミニスカートはすっかりびしょ濡れだ。


「あらら…」


シャピアさんは上の階にいたセンセイに、

「フレイン?未青くんも間に合わなかったわ…」

と、テレパシーで伝えた。


それからボクはシャワールームでシャワーを浴びる。同じ頃、セレちゃんもお風呂場でシャワーを浴びていた。


シャワーを浴び終わったのはボクが先だった。部屋に戻ってから10分くらい後に、セレちゃんが戻ってきた。


「あ、セレちゃん。」

「未青ちゃん。ただいま。」


部屋に入ってきたセレちゃん。ボクはスカートに目がいった。

そのセレちゃんが履いていたスカートは、今ボクが履いているのとお揃いの、明るい青色のデニムのタイトスカートだ。


「見てセレちゃん。お揃い。」

「未青ちゃん…!」


お互いう嬉しそうだった。



シャピアさんが持ってきたおやつを食べながら、また遊ぶ。ぬいぐるみと一緒におやつの写真を撮ったりもした。


それからしばらくして、遊び疲れたのかセレちゃんは寝落ちしてしまった。


ボクはセレちゃんにタオルケットをかけてあげた。そのボクもそれからしばらくして、寝落ちしてしまった。



ボクもセレちゃんも、寝落ちしている最中におねしょをしてしまった。

「スカートのお尻びしょびしょ〜…」

「ボクも…(苦笑)」


ボクもセレちゃんもまたシャワーを浴びて着替え、さらにセレちゃんはその後家に帰る。


「またおうちで遊ぼうね。また明日。」

「うん!」


そして次の日。

「セレちゃん。ハミンちゃん。おはよう。」

「おはよう!未青ちゃん。」


ハミンちゃんと一緒にボクを出迎えたセレちゃん。そのセレちゃんは、昨日家に持って来ていたぬいぐるみと一緒だった。ハミンちゃんによると、セレちゃんは昨日のことがとても楽しかったのか、朝から楽しそうにその話をしていた。


ハミン「私も未青ちゃんのぬいぐるみ見てみたいな。」

ー用語解説ー

【セカイのキョウカイ】

アスムール民主国にある「裏世界アニメ」のグッズ専門店。フィギュア販売の面では裏世界アニメグッズ販売国内シェア1位。店頭販売価格と全く同額で買える会員限定のネット通販サービスが人気。

運営会社は(けい)()郊外にある海に面する街「薇乃妹(びのまい)」に本社を置いている。

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