Case 17「自分史上最大の太もも露出」
5月6月にも関わらず真夏並みの暑さになることがある昨今。
どうやらそれは未青とフレインたちの世界も例外ではないようで…
ボクが前いた世界では、まだ5月6月だというのに7月くらいの暑さになることがある。
「あつ~い…」
と言いながら今日も今日とてスカートをパタパタさせるボク。
どうやらこの世界も同じだ。5月の頭だと言うのにここ数日、暖かいを通り越して暑い日が続いているのだ。
おかげでスカートの下のパンツの上に履いているものはスパッツから薄いショートパンツに変わった。スパッツを履くのは夜寝るときだけになったのだが、パジャマの長ズボンを履かず下はスパッツだけというおまけつき。最初はちょっぴり恥ずかしかったが、今の暑さならこれがちょうどいい。
しかし事件は起きた。それは下にスパッツだけを履いて寝るようになってから4日目の夜の、大体夜中の3時過ぎのこと。
「センセイ… センセイ…」
「ん~。未青くん…?」
「トイレ…」
「トイレね。一緒に行こう。」
「うん…」
寝ている最中に膀胱がかなり痛むほどの尿意で目が覚めたボク。センセイと一緒にトイレに急いだのだが…
「あっ…」
トイレのドアに右手をかけようとした時急に膀胱の括約筋あたりに強い痛みが走り、そのままおもらしをしてしまった。
「あああ… うぁぁぁぁー!」
「間に合わなかったね… よしよし。」
センセイに慰められながら、ボクは泣きながらシャワーを浴びに行った。
その後の朝。
「今日はここ数日でかなり暑くなることが予想されます。熱中症等にご注意ください。 ではまず全国の天気です―」
というテレビの天気予報が聞こえてくる。たしかに今日はまるで、もう7月かと思うくらいの暑さだ。
夜中にトイレを我慢したせいで体が少し疲れてしまったのか、起きるのがちょっと遅かったボク。ボクが朝ごはんの席に着いた時には、ちょうど入れ替わりでセンセイは歯みがきをしに洗面所に向かい、その後部屋に戻っていった。
遅れて朝ごはんを食べ終えた後歯みがきをして、部屋に行くボク。
先に部屋に戻っていたセンセイ。そのセンセイは、上に薄いピンク色の半袖のTシャツを着て、下には股下数cmくらいの薄い青色のズボンを履いていた。
「センセイ… なんだかちょっとえっち…」
「えへへ…(笑)」
センセイのお尻と太ももの境目くらいまでが見える。ボクは目のやり場に困ったのは言うまでもない。
「そうだ。今日はめちゃくちゃ暑くなるみたいだから…」
そう言ってセンセイが見せてきたもの。それは…
「え…?」
ボクは一瞬固まった。
なぜかというと、それは今センセイが履いているものと全く同じ、かなり短いズボンだったからだ。
「これ今日履いていいよ。スカート履いてる時やさっき(のスパッツだけの状態)よりかは、お腹のあたりがスースーしなくて済むんじゃない?」
「え…でも… ボクがこれ履くの?」
「うん!私が未青くんくらいの時に履いてたのだから、サイズ面は大丈夫だよ。」
と満面の笑みで言うセンセイ。たしかに脚や膀胱がスースーすることでおもらししてしまうリスクは下がるかもしれないが、目のやり場に困るレベルの短さのズボンを履くのなんて、見る以上に恥ずかしい。
でもせっかくセンセイがすすめてくれているんだし、「スカートみたいにそのうち慣れるかな」と割り切って、履くことにした。
迷彩魔法をかけられたボク。今センセイが着ているTシャツのサイズが小さい版を着て、初めてスカートを履いた時にようにちょっとドキドキする。一応ファルンさんの家に行った時にスカートの下に履いていた、藍色の薄いショートパンツを履いた上で、ボクがそのズボンを履いた。
「!」
それは衝撃の光景だった。
なんとズボンの裾から、ショートパンツがはみ出てしまっていた。
(だめだこりゃ…)
と思いながらボクはズボンを一旦脱いでショートパンツを脱ぎ、また改めてズボンを履いた。
「いいよー…」
というボクの合図で、迷彩魔法が解けた。
「わあ(笑)未青くんかわいい。」
「そうかな… 太ももすごく出てて… ちょっと恥ずかしい…」
と言いながらボクは太ももに手を添える。
「未青くん、完全に照れちゃってるよ。」
「だって…」
これだけ太ももが露出しているのなんて初めてだ。何でも太ももの露出している範囲が、脚の付け根7cmにも満たないくらい下くらいまであるからだ。スパッツでも10cmくらいはある。(センセイに測ってもらった)
「でも、脚がスースーする感じはしないなぁ。」
「そう?良かった。」
センセイは嬉しそうだ。
「キュン。キュン。」
そこへレプリンの鳴き声が聞こえてきた。ボクはそれを聞いてレプリンのケージの前に駆け寄った。
「レプリンおはよー。」
「ねえレプリン。未青くんのこの短いズボン可愛い?」
「キュン!」
「えへへ…(照)ありがとう。」
薄いピンクの半袖のTシャツにかなり短いズボン。レプリンもどうやら可愛いと思ってくれているようだ。
(もしボクがレプリンに初めて会った時にスカート履いてたら、レプリンは完全にボクのことを女子って認識してたのかもしれないな…)
とボクは考えていた。
ボクはセンセイと一緒にしばらくレプリンと遊ぶ。今日は平日だがクルルスさんは癒師の仕事に行くため授業はない。
そこへ…
「フレイン?未青くん?」
部屋にシャピアさんが来た。
「あら(笑)未青くんまでこんな短いズボン履いてるの?」
「えへへ(照)」
「かわいいわよ。こうして見ていると、何だか2人ともおそろいの服を着た年の離れた姉妹みたいね。」
「そんな… し… 姉妹だなんて…(照)」
服が完全に女子のそれな上に、ただでさえ顔つきも体型も女子同然のボク。おまけに今回は「センセイとは姉妹みたい」というおまけつき。女子に間違えられること自体は慣れたことだがやっぱり言われると恥ずかしい。それがシャピアさんならなおさら。
「だって(笑)」
「『姉妹みたい』だって(笑)」
「あはは…」
ボクはシャピアさんと食器洗いの手伝いをするべく、センセイと一緒にキッチンへ向かう。
脚のほとんどが露出しているのはちょっぴり恥ずかしいが、今日はこれでも過ごしやすいくらいだ。
お手伝いを終えた頃には、すっかり喉も乾いてしまった。
「冷蔵庫にりんごジュースあるから、それ飲んでいいわよ。」
「はーい。」
センセイが冷蔵庫から出してくれていたりんごジュースの瓶から、ジュースをコップに半分強注いで飲んだ。
こんなに冷えたジュースは久しぶりだったから、本当に美味しかった。
部屋に戻ったボクは、魔法の本を読んだ。今のボクにとっては魔法の勉強をするのが一番の楽しみだ。いろんな魔法や能力・効果について書かれていて、本当にタメになるし楽しい。
本を読んでいる最中にセンセイは買い物に出かけいった。それからしばらく本を読んでいると、下からシャピアさんがボクを呼ぶ声がした。
「未青くーん。お風呂掃除できる?」
「はーい。」
ボクはそう言ってお風呂掃除に行く。この家のお風呂場はシャワーだけがあるシャワールームとは別にある。
ボクが前いた世界にいた頃は、調子がことさら悪くはないが大事を取って学校を休んだ時には、よくこうして家の手伝いをしていた。お風呂の掃除もマスクをして上でよくやっていた。
「お風呂掃除なんて久しぶりだな。」と思いながら、ボクはお風呂掃除を続ける。
でもその最中、ボクはトイレに行きたくなってしまった。さっき冷たいジュースを飲んだからなのか、強めの尿意だ。
「もう少しだから…」と思いながら、ボクは我慢しながらお風呂掃除を続ける。でもズボンのベルトを入れる部分が膀胱の辺りを締め付けるのと冷たい水に触れる度に、尿意と膀胱の痛みは激しさを増していく。
次第にパンツに滲み出始めてしまったおしっこ。ふとズボンを見てみると、大事なところのあたりにシミがうっすら浮かんでいるのが見えた。
(どうしよう…)
意を決してトイレに行きたいと言いに行こうとするが、台所でシャピアさんが何か作業しているのが聞こえてきた。
(これはちょっと言いに行きづらい状況だ…)
と思い、ボクは掃除を続ける。でもそんなボクは今にもおしっこが漏れそうで、脚は完全に震えてしまっている。
(出ちゃう… 出ちゃう…)
そしてついに、膀胱の括約筋に激しい痛みが走り…
(ジュッ… ジュジュジュッ… ジュウウウウウ―)
(ビチャビチャビチャビチャ…)
ボクはお風呂場でおもらしをしてしまった。お風呂場には、流れて出たおしっこが床に降り注ぐ音が響く。
太ももの内側には、ズボンの裾からおしっこが流れ落ちていく感じがする。
「ううっ… ううっ…」
ボクはその場にしゃがみ込んで泣き出した。
(お風呂場のドアが開く音)
しばらく泣いていると、お風呂場のドアが開く音が聞こえてきた。
「未青くん。どうしたの?」
シャピアさんだった。
「シャピアさん… ボク… ボク…」
ボクはシャピアさんに、自分がお風呂場でおもらしをしてしまったこととそれに至るまでの一部始終を泣きながら話した。
「ごめんね。おしっこを洗い流してそのままシャワーを浴びなさい。下の着替えは私が持ってきてあげるから。」
「ありがとう…」
ボクは服を脱いで漏らしてしまったおしっこの水溜りをシャワーを使い排水の方に洗い流した後、シャワーを浴びた。
とりあえずシャピアさんが持ってきてくれた着替えはグレーの短いスパッツだった。脚の付け根からは10cmくらいの丈だ。シャピアさんがネットショッピングで独自に買っていたものだという。
シャワーを浴びている最中にセンセイが帰ってきていた。事の経緯はシャピアさんがセンセイに話したから知っていた。
「そうだ。ねえ未青くん。」
センセイはそう言って、別の短いズボンを見せてくれた。
「ついさっき買ってきたのなんだけど、これ履いてみていいよ。」
色はスカイブルーでデニム地、丈はスパッツよりもちょっと長いくらいだ。「ホットパンツ」ともいうやつだろうか。
センセイに言われるがままそれを履くボク。太ももの露出範囲はスパッツを履いている時と同じくらいだが動きやすくもあって、さっきのより丁度いい気がする。
「どう?」
「こっちもこっちでかわいいし、何だかお腹にも余裕があっていいな。」
「よかったわ(笑)。未青くん、こっちの方もいいかなって思って。」
「でもこれ、女性ものだよね…」
「うん(苦笑)」
結局そのズボンも、夜におもらしで汚してしまったけど。テレビを見ている最中に急に催してしまい、トイレに急いだが間に合わなかったからだ。
「ごめんなさい… 買ってくれたばかりなのに…」
「あらあら(笑)気にしないで。」