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Case 11「キミも転生していたの!?」

フレインは未青も一緒の仕事の帰り道、魔法専門学校の後輩にバッタリ遭遇します。

フレインと同じく転生者を引き取っているというその後輩なのですが、そんな彼女の転生者はなんと未青の特徴に心当たりがあるようで…

「あっ、あっ… あああっ…」

(ジョ… ジョロロロロロロロロロ…)


ある日センセイの仕事について行った帰り道。(まい)()(おん)の駅を出た直後にボクは尿意を催し、そのまま家まで持ち堪えられず途中で力尽きおもらしをしてしまった。


()()くん。お家に帰ってシャワー浴びよ。」

「うん…」

漏らしてしまったおしっこで汚れてしまった半ズボンを隠すようにセンセイがつけていた薄い上着を腰に巻き、慰められながら家に帰る。


その途中、家まであと3分ほどのところにある銀行の入口近く。

「あ、スピーサー!」

「ん?あ、フレインさん!」

すれ違った女の人にセンセイが反応した。

「こんにちは。あなたがフレインさんの転生者さん?」

(無言で頷く)

ついさっきおもらしをしてしまったボクは、恥ずかしくて口を開くのも精いっぱいだ。

「あ~ごめんね~…(汗)実は()()くんさっきおもらししちゃったんだ…(苦笑)」

「あらまそうなんですか…(苦笑)」

「『赤砂()()』っていうの。」

(無言で頷く)

「私は『スピーサ・エレギナ』。よろしくね。」

「よろしく…お願い…します…」

そのスピーサさんは魔法専門学校に通っていて、センセイの後輩にあたるという。

「実は私にも転生者の子がいるんだ。()()くんいくつ?」

「13…です。」

「そうなの?()()くんよりもちょっと年下なんだ。女の子なの。」

「へー。」


しばらく2人の立ち話が続く。ボクはその様子を黙ってみていた。パンツと半ズボンがびしょ濡れなままに。


「いっけない。()()くん早く着替えないといけないんだった。スピーサ。じゃあまたね。」

「はーい。」


次の日。

「ねえ()()くん。突然で悪いけど今日スピーサの家に行くよ。」

「いいけど… なんで?」

「なんかスピーサが昨日ね、私と()()くんに会ったことを引き取っている転生者の子に話したら、その子が『「みお」って名前の女の子っぽい感じの男の子、心当たりがある』って言ってたんだって。」

「えっ?ボクのこと、知ってるってこと?」


ボクのことを知っている人とは誰なのか?とりあえず行ってみることにした。

昨日スピーサさんと会った銀行の角の交差点。そこを右に曲がって徒歩大体10分。1階がレンタルショップになっているマンションの7階に、スピーサさんの家がある。


「お邪魔しまーす。」

「フレインさん。()()くんも。いらっしゃい。」


ボクが家に来たのに反応して、奥からこちらに駆けてくる足音が聞こえた。

その人は昨日スピーサさんが言っていたように、ボクよりも少し年下めの女の子だった。は黒に近い茶髪のポニーテールで、若干テニスウェアみがある黒と白のルームウェアを着ている。大人っぽい印象だ。


思い出してみると、ボクより少し年下の大人っぽい女子。心当たりがある。

すると彼女がいきなり口を開いた。

「あー!やっぱり()()くんだ!」

ボクはその声を聞いて一発で思い出しだ。

「よ… (よう)()ちゃん!」


()() (よう)()。同じ病院に入院していて、お互いの病室に何度も遊びに行くほど仲が良かったボクよりも2つ年下の優しい女の子だ。ボクが病院内学校の授業中におもらしをしてしまった時は必ずと言っていいほど看護師さんのところに連れて行ってくれていた。しかしボクが死ぬ…もとい転生する1年半前のある日、彼女が入院している原因になっていた病気が急に悪化して倒れ、そのまま次の日に死んでしまった。


(よう)()ちゃんはボクよりも先にこの世界に転生していたという事実。その子にボクはこの世界で再び会うことができたわけだが、嬉しいというよりもびっくりした気持ちの方が強い。


センセイもスピーサさんも、その様子にびっくりしていた。

「スピーサさん!やっぱり間違いないよ!」

と、 (よう)()ちゃんは言う。

「本当!?」

「うん!」


~回想・スピーサと (よう)()、家で~

「ねえ (よう)()ちゃん。さっき私の学校の先輩に会ったんだ。」

「へー。その転生者さんってどんな人?」

「それがね、女の子っぽい感じの男の子で、名前が『みお』って言うの。それとあまり言いづらいことなんだけど会った時に先輩が『その子さっきおもらししちゃった』とも言ってて…」

「待って。『みお』って名前で、女の子っぽい感じの男の子… 私ちょっと心当たりがある… 家に呼ぶことってできる。」

「できるけどどうしたの? (よう)()ちゃんってその『みお君』っていう子に心当たりがあるの?」

「うん。病院で一緒だった子に同じ特徴の子がいて…」

~回想終わり~


「とりあえず上がろう…(苦笑)」

とセンセイは言う。ボクは先に手洗いうがいを終え、センセイが手洗いうがいをしている間に、ボクは (よう)()ちゃんのことをセンセイに話した。


(うがいを終えて)「本当に仲良しさんだったんだね。」

「うん。病院でおもらししちゃって看護師さんが着替え持ってくるのを待っている時も、ずっと側にいてボクのこと慰めてくれてたんだ。」

「うふふ。お姉さんみたいね(笑)」

「ボクの方が年上なんだけどね…(苦笑)」


スピーサさんと (よう)()ちゃんがリビングでお菓子を置いて待っていた。

仲が良かったが1年半ぶりの再会。しかもセンセイもいる。ボクは緊張していた。


()()くんも転生してたんだ。いつぐらいに来たの?」

(よう)()ちゃんがボクに聞いてきた。

「何週間か前だよ。」

「そうなんだ。 フレインさんって優しい?」

「うん…」

センセイのことを聞いてきた (よう)()ちゃん。ちょっと恥ずかしかった。

その後もいろいろな話をした。ボクと (よう)()ちゃんが前の世界の病院で過ごした日々のこと。 (よう)()ちゃんとスピーサさんのこと。スピーサさんとセンセイの魔法専門学校のこと…


()()くんって家でスカート履いてるんですか?」

「うふふ。そうよ。」

ボクは家ではスカートを履くこともあるという話も飛び出した。センセイはその写真を見せてきた。

「かわいい~。()()くんすごく似合ってる!」

「えへへ… ありがとう…(照)」

()()くんはどんなのが好きなの?」

「制服みたいなのと、あと青いデニムのタイトスカート…かな…(照)」


話が続く中で、ボクはトイレに行きたくなってしまった。

(よう)()ちゃんがいる前でのトイレ。1年半ぶりすぎて恥ずかしく、とてもじゃないが言い出せない。ボクはいつの間にか椅子の上で、ズボンの上から大事なところを押さえて脚が細かく震えてしまっていた。「トイレに行きたい」「どうしよう」という言葉で頭がいぱいな中で。

すると…

()()くん?」

(よう)()ちゃんがボクに話しかけた。

「もしかして、トイレ行きたいの?」

「うん… もう、漏れそう…」

「大変。フレインさん、スピーサさん、私が連れて行くね。」

「ありがとう。」

「お願いね。」


(よう)()ちゃんがトイレに連れて行くことになった。病院内学校の授業中にトイレを我慢できなくなった時のように、 (よう)()ちゃんは脚が震えているボクをゆっくりと立たせ、手を繋いでトイレに連れて行こうとした。

(ジュッ…ジュッ…)

しかし、席を立った同時にボクの膀胱の痛みは限界値を越えた。そして…

「あっ…うっ、うっ…」

()()くん?」

(つないでいる手がほどけ、()()が床に崩れ落ちる)

ボクは床に座り込んだままおもらしをしてしまった。センセイとスピーサさんも見ている前で。


()()くん。大丈夫?」

(よう)()ちゃんが心配そうに近寄ってきた。

「うぅぅぅー!うあぁぁぁぁー!」

前の世界の病院内学校の授業中に我慢できなくなり (よう)()ちゃんと一緒にトイレに急ぐも、間に合わず病院の廊下でおもらしをしてしまった時のように、ボクは泣き出した。


「私が着替え用意するわ。スピーサ。シャワー借りるわね。」

「はーい。」

「フレインさん。お願いします。」

「うん。()()くん、行こう。」


ボクはセンセイに連れられてシャワーを浴びに行った。


その後ボクは着替えた。今回は男もののズボンだ。

お風呂場のドアを開けると、そこには (よう)()ちゃんがいた。

(よう)()ちゃん?心配になって来たの?」

と、センセイが尋ねる。


「ねえ()()くん。今から部屋で一緒に遊ぼ。せっかくまた会えたんだから。」

「… うん…!」


ボクは (よう)()ちゃんの部屋で、一緒にお絵描きをして遊んだ。病院にいた時と同じような。


その最中にボクは嬉しくなって、また泣いてしまった。


「ありゃりゃ。()()くん泣かないで。」

「だって… (よう)()ちゃんとまたこうして遊べるのが嬉しくて…」


~迷彩魔法を使って、廊下から部屋の様子を見ているフレインとスピーサ~

()()くん、本当に嬉しそうね。スピーサ。」

「はい。よかったらまた一緒に遊びに来てください。できれば()()くんには、スカート履いてきて欲しいです(笑)」

「うふふ(笑)了解。」

-新しい設定付き登場人物-

()()(よう)()(Youka=Mama)

未青と同じ病院に入院していた少女。1年半前に病気の悪化で命を落とし、フレインたちのいる世界に転生してきた。享年10で現在11歳。

大人っぽい雰囲気で、また未青とは親友のような関係だった。

性格:しっかり者で優しい性格。

身長:約136cm

誕生日:8月30日

趣味・特技:お絵かき・テニス

好きな食べ物:パンケーキ

好きなもの:可愛い服・色鉛筆

苦手なもの:騒音・歯医者

トピックス:陽夏も病院内でおもらしをしてしまったことがある模様。

一人称:私


スピーサ・エレギナ(Speatha=Elegina)

陽夏を保護している魔法使い・癒師。16歳。癒師歴は8年。

魔法専門学校の現役生徒で絶賛魔法修行中。一通りの魔法は使えるため癒師の仕事はできる方だが、まだ上級の治癒魔法は使えない。

魔法専門学校入学と同時に親元を離れ、陽夏に出会うまでは一人で暮らしていた。

性格:おっちょこちょいだが、一生懸命。

身長:約157cm

バスト:C

誕生日:7月21日

得意属性:水

趣味・特技:お絵かき・ゲーム

得意なゲームのジャンル:シューティング

好きな食べ物:カップケーキ・バウムクーヘン・ピザ

苦手なもの:空気の薄いところ

トピックス:アスムール民主国でトップクラスの人気を誇る男性アイドルグループ「B-laster(ブラスター)!」のファン。

一人称:私

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