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episode.004 勇気の断片



「薬……?」


「はい、今から三年とちょっと前に聖女様が降り立ちました……その時、丁度近場で流行り病が広がっていて民衆は不安と恐怖を感じている最中でした」



フラクの話では、三年とちょっとぐらいの時に“流行り病”が始まって沢山の人に降りかかった。

その際に、近隣の大陸も商人交易都市の民衆達は不安と恐怖を感じて日々の平穏が奪われていた。


そんな中で、一人の“異端なる聖女”が現れた事で物事は一変したという。



「聖女様が一人の子供に、ある薬を渡して飲ました事により子供に掛かっていた“流行り病”が治ったのです」


「それだけなら、問題はないよね……」


「そうなんです……、それで治った事で沢山の患者は聖女様に詰め寄り薬を頂いていたんですが……」



一人の患者を助けた“異端なる聖女”の力を見た民衆は、彼女の力を頼りに病を治していった。

これだけなら、美談で良い話で終わるのだろう。


異変は、直ぐに始まった。



「何故か皆は、その薬を求めるようになり……それに対して、前ギルドマスターが申し立てをしたら聖女様が突然として泣いた事により、現ギルドマスターがリコールを言った途端に聖女様が一つの提案を出したのです」


「それが、“リコール投票”だね?あれは、民衆だけしか出来ないから……ん?て事は、聖女様は分かっていて民衆を操作するために?」


「はい、前ギルドマスターを追い出すために……」



ククルは大体の話が読めてきて、頭の中で話を纏めていた。


聖女様というのは“偽装”であり、元から前ギルドマスターを陥れて地位を略奪するために“流行り病”を流しては、“例の薬”を与えて民衆の思考などを“操作”して現ギルドマスターに地位を与えるために“リコール投票”を提案した。


元々、それは仕組まれていたという事になるのだろう。



「……それで、前ギルドマスターは?」


「幽閉されています……あの屋敷の最深部の地下牢に」


「……どうにか、救いたい所だけど……ヴェニタスもノルンも、ダンジョンに入って間もないし……あと、一人呼び出しをするしかないのかなぁ……」



ククルはメニューパネルを出して、パートナーアイコンに触れると残りの三名の側近を見ては、苦笑いを浮かべるしかなかった。


この中で一番頼りになるのは、ヴェニタスなのだが今はダンジョンの探索で不在の状態だ。

そうなると、次に戦闘に関して頼りになるのが居るのだが“戦闘狂”で“爆弾魔”でもある。



「でも、事は早い方が最悪な事からは避けれるよね」



ククルが“レーヴェ”という名前に触れると同時に、喫茶店の窓側が激しい音を立てて壊れると5名の屈強な男の傭兵らしき人物達が入ってくる。



「ククルさんっ、あれは聖女様が雇った傭兵ですっ!」


「って事は、事情を知っているフラクを消しに来たって事だね」


「おうおう!別嬪な嬢ちゃんが二人も居るじゃねぇーか!」


「いひひっ、兄貴!これは、殺すのは勿体なくないですか?」



ククルは男達の会話を聞いては、なんというか“よくあるチンピラのようだなぁー”と思っていて、どうも危機感を感じていないようである。


フラクが持っていた長弓を構えると、ククルはフラクを手で制して後ろに下がらせる。



「ククルさんっ?」


「大丈夫だから、信じて?」



不安そうな表情をするフラクに、ククルは優しく微笑みながらも目の前の傭兵の男達を身構えていた。



「お?なんだ、諦めて俺らに犯させてくれるってのか?」


「発言には気を付けた方が、お兄さん方々の身の為にもなると思うけど……遅かったかもしれないね?」


「あ?何が、」



一瞬だけ視界に何かが光ったと思えば、屈強な男達が天井に逆さに吊るされていて鉈のような刀剣が向けられている。


その鉈のような刀剣を持っている人物を見ると、其処には不敵な笑みを浮かべた薄めの茶色の髪色に少し前髪の長いウルフカットで、ツリ目をした若葉色の瞳をして暗殺者なのか軍人なのかとも思わせる服装をした青年が立っていた。



「アカン、アカン!ダメやでー?兄ちゃん達?俺の大事な主に色目を使うってのは、ご法度やで?」


「レーヴェ」


「ククルさんの、お知り合いですかっ??」


「あ、うん」


「主ーっ!ちょっと、待っててやー?」



レーヴェは満面な笑顔を浮かべながら、屈強な男五人を引き摺り落としては喫茶店の裏へと立ち去った。


ククルはレーヴェが何のために裏に行ったのかは、分かっているせいか苦笑いを浮かべるしかなかった。



(これこそ、“不適切な表現”を隠す画像が流れそうだよ)


「だ、大丈夫なんですか?あの人、一人で?」


「あー、大丈夫だと思うよ……ただ、後で裏の相似はちゃんとさせておくから」


「え?」



ククルは呆れながらも、この絶妙なタイミングで来てくれたレーヴェに感謝を忘れていない。

もしも、来てくれなかったと考えると微かに身体が震えてしまっている。



(本当、呼び出しで直ぐに駆けつけるのは……何時も、レーヴェとヴェニタスの二人が一番なんだよね…)


(本当、頭が上がらないよ)





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