第3章 登場人物
登場人物が増えすぎたので、一旦整理する意味で。
本編に出せていない (出すと話が長くなるから省いてた)情報も一部含まれています。
朝比奈 護 (アサヒナ マモル)
本編の15年前、調査機関日本支部長だった男。宮崎に住む知人【関守 清】からの依頼を不審に思い、部下の代わりに現地へ赴いたところ法執行機関の【島津 功】によって行われたロドの開放に、居合わせた少年【黒木 灯真】と共に巻き込まれヴィルデムへと迷い込む。
使う魔法の名は「エウスプル イーエ (追い求める瞳)」。触れた物の持ち主へと続く線を見ることができる。その際、左目にレティクル (照準を合わせる線)が浮かび上がる。残したものに直接触れなければ効果はない。足跡のようなものでも追跡可能なため一度終われると護が魔法を解くまで逃げることはできないと言われている。物理的に存在するものでなければならず、その場に残った魔力残渣などでは使用できない。また、一度追跡を開始すると新しい目標を追うには一度解く必要があるため、複数を同時に追うことはできない。
同世代の中で、4大魔法使いと謳われていたほどその実力を認められている魔法使いであるが、朝比奈 護という名は本名ではなく、本当の名は本人も知らない。物心つく前に魔法使いによる犯罪組織に拾われ、暗殺者として育てられてきた。付けられたコードネームは【死弾 (ザダ・テルブ)】。
彼が15歳の時、その活躍ぶりに危機感を覚えた法執行機関は【国生 剛憲 (コクショウ ゴウケン)】、【ルイス・ブランド】、【アーサー・ナイトレイ】、【日之宮 一大 (ヒノミヤ モトヒロ)】、そして【朝比奈 茉陽 (アサヒナ マヒロ)】の特別チームを編成し死弾捕縛に動いた。数日にも及ぶ死闘の末、護は取り押さえられた。その戦いの中、護の素性や内面を見抜いた茉陽と彼女と共に戦った3名の意見書により、死弾と呼ばれた暗殺者は死亡したと報告され、護は協会の監視下で保護されることとなった。その後紆余曲折を経て調査機関で働き始めその才能を開花させるとともに、茉陽と新しい人生を歩みこととなった。朝比奈 護という名は正体がバレぬよう付けられた架空のもので、茉陽がつけた。
関守 清 (セキモリ キヨシ)
宮崎県に住む魔法使いの家系で、ロドを監視する役目を代々担ってきた。封印されたロドのある山を訪れた法執行機関の動きに疑問を抱き、調査機関に依頼する。息子の康夫が法執行機関に許可を出したことで彼のことも疑っていた。
ロドの開放事件の数日後、体調を崩し病死。自分の死期を悟っていたのか、遺言書が用意されており、持っていた金融資産は相続人全員で綺麗に分配されたたものの、住んでいた家や土地は孫の【関守 才賀 (セキモリ サイガ)】に相続された。
関守 康夫 (セキモリ ヤスオ)
関守家の長男で清の息子。法執行機関が事件捜査のため入ることを禁じられていた山に入ることを勝手に許可した。魔法のことは父から教わっているが、自分の思うようなものじゃないと知り、ろくに訓練もしてきていないので魔力を扱うことはできない。
関守家としての使命にも魔法使いとしての人生にも不満を抱き、あくまでも一般人として生きることを選択した。実家を離れ東京で暮らしており結婚相手も一般人である。清の死後、遺言書によって自分ではなく息子の才賀に土地などの一部が相続されたことがわかると、才賀に相続放棄するようしつこく迫った。関守家当主の座は、彼が相続した土地の相続者と遺言書に書かれていたためであった。才賀は相続放棄はしなかったため、元々悪い2人の仲はさらに険悪な状態となっている。
関守 才賀 (セキモリ サイガ)
関守 康夫の長男。生まれつき体が弱かったので幼い頃から清の家で生活することが多かった。魔法使いとして生きることを拒んだ康夫から離れて暮らしていたのもあって、魔法という力や関守家の担う役割についても理解している。中学生になって身体の調子が落ち着くと康夫の家に戻って行ったが、祖父の仕事を継ぎたいとその頃から考えており、大学卒業後は祖父の持つ畑を任され農家となった。康夫とはそのことで大喧嘩しており大学進学後はほとんど会っていない。
魔力の使い方は祖父や亡くなった祖母から学んでいた。中学から大学入学までの間は師匠である祖父から離れていたものの、家族に黙って細々と訓練を続けていた甲斐もあってその能力は優秀。
清の死後、関守家が守ってきた実家や畑、ロドが封印されている山を相続。祖父の農業も継いで現在は完全に両親から独立。自分と同じ魔法使いの家系の雇用にも協力し、関守家の新しい当主としての評価も上々。
島津 功 (シマヅ イサオ)
法執行機関日本支部に捜査員。関守家が守ってきたロドの封印を解いた張本人。護の出現という想定外の事態が発生し焦った彼は、突如現れた黒木 灯真を利用してこっそりとロドを起動させ、護を巻き込む。
護よりも年上で、なぜか彼が元暗殺者【死弾】であると知っている。
日之宮流が法執行機関で学ぶ武術に正式採用される以前からの門下生で、努力を惜しまず、日之宮流師範代の候補になる程その実力が評価されている。自分に厳しく、自分のことになると手を抜くことを知らない。しかし、それは自分に対する自信の無さによって起きる行動で、他人が絡むと自分の意見を言えなくなるほどの小心者。
そんな性格を師範である日之宮 一大はよく知っており、彼が残した計画の一部を記したメモを見た時、彼らしからぬ行動だと感じとっている。
黒木 灯真 (クロキ トウマ)
宮崎県在住の15歳。小学生に間違えられるほど体は細く背も低い。ロド異常開放事件に巻き込まれヴィルデムへと迷い込んだ。
国の有力者とも深いつながりがあるという宮崎の名家【黒木家】の婿が地方で作った女性の子供で、手切金を渡して女性は捨てたと言われている。母親は女手一つで彼を育てたが、病に倒れ死去。彼女の死を聞きつけた黒木家が、男子の跡取り欲しさに引き取った。旧姓は如月。
衣食住を与えられ学校にも通えていたが、義母は一切交流をせず住んでいる部屋も本邸から離れていて、食事は運ばれてくるものを常に1人で食べていた。血のつながった父親は仕事を理由に会いに来ることはなかった。そんな環境にいたせいか、母親に会いたいと夢見ながら街中を1人で徘徊することも多く、近所では有名だった。
あるとき、学校から帰った灯真は義母と父親の話を偶然耳にして家を飛び出した。彼らの話を全て聞いていたわけではないが、「この家にはいらない」という言葉が彼の耳に強く残った。他人の目が、自分はいらない存在だと語っているように思えた彼は、どこか誰もいないところへ、そう考えて入ってはいけないと有名だった関守家の山へと向かった。そこで護たちと遭遇し、ロドの開放に巻き込まれてしまった。
三科 尚頼 (ミシナ タカヨリ)
神奈川県警、横浜警察署 刑事一課所属の刑事。神楽塚で起きた事件の応援で駆けつけた。被害者が自分の妻であると知り犯人を追うとともに未だ見つかっていない娘の行方を追っているが、被害者の家族であることから捜査から外されてしまい、代わりに担当外ではあるものの、親友である稲葉 豊 (イナバ ユタカ)の失踪した息子の行方を追っている。
冨樫 銀次 (トガシ ギンジ)
横浜警察署 刑事一課 課長。三科たちの上司。三科にとっては武道の師匠でもある。部下たちからは慕われているものの、あまり上からは好かれていないためこれ以上の昇進は難しいという噂。
嵯峨 達良 (サガ タツヨシ)
神奈川県警の横浜警察署の刑事で三科の同僚。稲葉豊とも競技射撃でよく知る仲であり三科の妻が亡くなったことを彼に伝えた。担当を外された三科に代わって、彼の妻が殺害された事件を追っている。
三科 梢 (ミシナ コズエ)
三科尚頼の妻。故人。ロド解放事件の折、神楽塚にて殺害された。犯人は未だ見つかっていない。また、共にいたはずの娘も行方不明のままである。
岩端 桃矢 (イワハナ トウヤ)
法執行機関日本支部第2捜査班所属、東日本担当部隊長。協会からの指示で神楽塚で起きた光の柱の調査に赴いている。
森永 かなえ (モリナガ カナエ)
法執行機関日本支部第2捜査班所属、東日本担当部隊員。最年少捜査員として世界中に名を知られている魔法使いの女性。岩端隊長と共に神楽塚の調査に向かっていたが、集まるマスコミのせいで思うように調査できず苛立っている。
辻原 武文 (ツジハラ タケフミ)
法執行機関日本支部第2捜査班所属、東日本担当部隊員。森永とは同期だが、意見が合わずよくぶつかり合っている。しかし、現場の分析能力は優秀でかなえもそのことは認めている。逆に、かなえの瞬時の判断力と行動力を武史は認め、いざという時は頼りにしている。
朝比奈 茉陽 (アサヒナ マヒロ)
旧姓は天野。 元法執行機関所属の捜査員で日之宮 一大の部下として働いていた。また、当時は訓練教官も務めており、笑顔で人を叩く鬼教官としても知られている。
夫が指名手配されていると知るも、彼のことを信頼し無事に帰ってくるのを息子の勇人と共に待っている。協会や法執行機関の動きに疑問を抱いている。
西海 進 (ニシウミ ススム)
法執行機関職員で第1捜査班所属。朝比奈宅の家宅捜索指令を受けてやってきた。捜査員歴はそこそこの中堅。朝比奈茉陽とは教官と訓練生という関係で、彼の夫である護とも何度か一緒に仕事をしたこともある。洞察力に優れ、どちらかといえば調査機関向きではないかと言われている。趣味の将棋では第1捜査班内最強らしい。
稲葉 光秀 (イナバ ミツヒデ)
神奈川県在住、15歳。神楽塚に封印されていたロドのそばを自転車で通り過ぎようとした際、何者かが行なったロドの開放に巻き込まれた。その際、両目を傷付けられ光を感じられる程度の視力しかない。
北オスゲア大陸にて虹槍騎士団のヘイオル ヒュートとイエリリーア モーテに保護される。その後、魔力や魔法について教えられヴィルデムに迷い込んでからおよそ2ヶ月後に目の代わりになる魔法に目覚めた。自分の感情をハッキリと口に出す性格のため、虹槍騎士団の面々には妙に好かれている。
痛みを感じ目が見えなくなる直線、反対側から歩いてくる女性とその娘らしき人物を目撃している。
稲葉 豊 (イナバ ユタカ)
稲葉 光秀の父。三科刑事とは学生時代からの親友。息子が行方不明となり何度も警察署を訪れるが家出を疑われ怒っていた。仲裁に入った三科が捜査すると言ってくれたはいいが、彼の家族のことを聞いており彼の心身の状態を案じている。
日之宮 一大 (ヒノミヤ モトヒロ)
法執行機関北欧支部長にて魔力を用いた武術【日之宮流】の師範。光の柱事件が自身の所有する住宅で発生し、かつ息子たちが光の柱が発生した場所で行方不明になっていることから取り調べを受ける羽目になる。また、事件の捜査への参加も許可が降りず息子たちの捜索に動けていない。
かつて、当時魔法使いの間で有名となっていた暗殺者【死弾】の捕縛のため、特別に編成されたチームの1人。暗殺者として動いていた頃の朝比奈 護と戦った。捕縛した彼のことを危険視しつつも、直属の部下であった朝比奈 茉陽を信じ彼の更生に力を貸した。
日之宮流の門下生であった島津 功が光の柱事件に関わっていることに疑問を抱いている。
日之宮 心一 (ヒノミヤ シンイチ)
東京都在住、16歳。日之宮 一大の長男。幼い頃から魔法について教えられ日之宮流の訓練を受けてきた。自分が強くなっていくことを実感するのが喜びで、自分を鍛えることが大好き。また、力を試すために自分より強い人に挑もうとする。逆に自分より弱いとわかっている相手に対して下に見ることが癖になっており、弟の誠一に止められることも多いが、口は悪いものの自分から手を出して力を誇示することはしない (ただし、相手からやられたらやり返す)。
誠一と共に道場で訓練をしていたところ、道場の地下にあったロドの開放に巻き込まれ、セルキール大陸の西側に位置する国【ユタルバ】で保護される。
ユタルバに広まっている武術が日之宮流にとても近かったことに興味を示し、兵隊たちに何度も戦いを挑んだ結果、共に同じ源流の武術を使っていたことで共感し受け入れられた。それ以降、グランセイズに向かうまでユタルバ軍の兵士たちとの訓練に明け暮れる。
日之宮 誠一 (ヒノミヤ セイイチ)
東京都在住、13歳。日之宮 一大の次男。次男なのに名前に一という文字が入っていることや口の悪い兄と比べられてか、誠一が兄なのではと言われることが多い。
ユタルバに広まっている武術が、日之宮流と同じだと気づいたのは兄の戦いを見ていた誠一の方。自分を鍛えるためとはいえ、強い相手に立ち向かおうとする兄の行動にヒヤヒヤしている。誠一自身も日之宮流の訓練を受けているが、兄とは違ってその力の使い方に悩んでいる。
国生 蛍司 (コクショウ ケイジ)
東京都在住、15歳。両親に連れられて京都にある祖父の家に遊びに行ったが、立ち入りを禁止されていた山に入る両親を止めようと追いかけたところ、父親に封印が解かれたロドに放り込まれてしまう。
その後はグランセイズ領内にあったロドからヴィルデムに迷い込み、発見した【ガートラム・アーザヌ】と【ビヌイゴ・タウタフ】に保護される。一時は留置場に入れられていたがガートラムに監視下で鉱夫の仕事を手伝わされている。
ヴィルデムに迷い込んでから1ヶ月が経った頃、洞窟の崩落事故によって鉱夫仲間たちと共に閉じ込められてしまった蛍司は、そこで魔法の力に目覚め脱出に成功する。怪我をして危険な状態だった作業員らを助けたことがグランセイズで働く鉱夫たちに認められるきっかけにもなった。
ヴィルデムに来た経緯から、両親が自分を捨てようとしたのかと思い悩んでいるが誰にもそのことを打ち明けられずにいる。
国生 剛憲 (コクショウ ゴウケン)
国生流活性闘技継承者で蛍司の祖父。法執行機関を取りまとめる日之宮流とは犬猿の仲であり、決まり事には従いつつも彼らや協会のことを嫌っている。調査機関に対しては、朝比奈 護を気に入っているため比較的協力的ではあるものの、ロド開放事件で指名手配されたことで、調査機関とも距離をおいている。
息子夫婦の突然の来訪が、何らかの裏があると感じつつも彼らからの言葉に喜び油断した結果、入ってはいけないと伝えていた山への侵入を許してしまった。
サム・スティーブンス
法執行機関北米支部の捜査員。身長190センチ、アフリカ系アメリカ人の男性。顔や頭には昔事故で負った火傷の跡がある元消防士。学生時代はアメフト部だった。ロドの異常開放に巻き込まれヴィルデムへと迷い込み、マーク・アレクサンダーと共に行動していた。
グランセイズで護と合流し、互いに情報共有を行うが……。
マーク・アレキサンダー
サムと同じくアフリカ系アメリカ人。12歳。親の仕事の関係でオーストラリアに滞在中、ロドの開放に巻き込まれた。ヴィルデムでは偶然サムと同じ場所に出たため、彼と共に行動していた。
体が弱くあまり激しい運動ができない。そのため、体の線は細く灯真といい勝負である (年齢を考える灯真の方が小さすぎるのだが)。
アーネス・リューリン
ヴィルデムに迷い込んだ護と灯真が世話になっているフォウセの女性。丸目、杏色の短髪。背が小さいものの、それはフォウセという種族の特徴であり年齢は20歳。フォウセの中では立派な大人である。また、60代目縛封師の称号を持つフォウセの戦士でもある。
灯真の事情を気にしてか、何かと世話を焼いている。
ジノリト・リューリン
アーネスの父。フォウセの集落を取りまとめている長。アーネスの丸目は父からの遺伝。長でありながら縛封師に選ばれなかった男などと自ら笑い話にしているが、扱う槍の技術に加えて、一定空間内の温度を自在に下げ敵の身体能力・判断能力を低下させる優れた能力を持つ。しかし、森や仲間への被害を気にして魔法を使うことを自ら禁じているため、彼の実力を知るものは一族の中でも一握り。子供たちですら知らない。
フェルディフ・リューリン
アーネスの弟。仲のいい人からはフェイと呼ばれる。姉とは違い切れ長の目。灯真と同じ歳。生まれてすぐ、重い病にかかり生きられるかわからなかった。多くの人の尽力により回復し今に至ると両親から聞かされてきたフェルディフは、弱っている人に対して優しく振る舞おうとするが、恥ずかしさが先行し口が悪くなりがち。
ラスカ・リューリン
ジノリトの妻。切れ長の目はフェルディフに遺伝している。髪の色はジノリトらのような杏色ではなく、落ち着いた感じのアンバー色。ジノリトの実力を知る数少ない人物の1人。護を自分の息子のように可愛がっている。
ゼフィアス・ディルアーグナ
守護者の森に住う大きな鳥。翠玉の半透明な羽を纏った翼と、銀色に輝く冠羽を持つ。独特な口調で話し、ノガルダのことはノダと呼ぶなど、他人を二文字の名前にする癖がある。
守護者の森と呼ばれる森林地帯に古くから住んでおり、自身も何年生きているか覚えていない。この場所には、他の地で住めなくなった生き物達が多く、ノガルダもその一種である。この子らを家族の様に慕いこの森で守ってきた結果、いつの間にか守護者として名が知れ渡る様になった。
アディージェ
天然魔道具採取を生業とするレクイースの一族の男性。黒髪の中に赤いメッシュの入っている。専門は鉱石。魔力を流し込んだ任意の場所を爆破する魔法を持つ。どんなに細い隙間でも爆破可能で、ピッケルなどを使うよりも的確に目的の場所を掘り進むことができるらしい。
共に行動するラーゼアには兄のように慕われている。ここぞというときの判断力は随一で、何度も危険な状況を脱してきた。ラーゼアには彼女がいるのに自分にはいないことを実は気にしている。
ラーゼア
レクイースの一族の男性。髪は短髪金色。アディージェらと共に行動している。専門は植物。特に花を好む。日本語にすると語尾に「っす」と略される癖のある言葉遣いをする。ムードメーカーでもありトラブルメーカー。しかし、記憶力の良さでは共に行動する3人の中で一番。一度訪れた場所は忘れない。
専門ではないが昆虫に関しても多少知識はある。それは付き合っていた女性 (ピオリア)が専門としていたためである。遠征後結婚する約束もしていたが、それは果たせぬままとなってしまった。
あらゆるものに空気を混ぜる魔法を使う。ラーゼアはこれを使って固まっている土を耕した様なフカフカな状態に変えて植物を根ごと採取する。生体には効果がない。水に使うと炭酸水を作ることが出来るため、旅先で重宝しているという。
ヴァイリオ
レクイースの一族の男性。いつもフードをかぶっているが、濃い緑色の髪は渦を巻く勢いの癖っ毛であり濡れるのを嫌がっている。アディージェらと共に行動している。専門は動物。特に肉食の獣を専門とするが、獣医でもあり哺乳類や鳥類であれば大抵の動物は診ることが出来る。爬虫類も扱えなくはないが、蛇が苦手。
3人の中で一番の常識人。使う魔法は針。刺した部位を他の組織を一切破損させることなく抜き取ることができる。例えば、これを使って歯を抜いても一切痛みは感じず、歯も歯茎の損傷もゼロ。ただし、血管は途中で断絶してしまうので出血はする。
アウストゥーツ
西の大陸からの移民だという男性。2mある細身の長身。髪は肩まであり水色。その正体はオスゲア大陸で【アウスドネス】の名で指名手配されてる危険人物。本名は本人も知らず、自分の名前も本人がつけたものである。黒い槍を生み出す魔法を使うが、その詳細は不明。
メヒー・クオル
守護者の森で護たちが出会った女性。膝まである長い銀色の髪と、自身の美しい肢体を見せつけるかのようなタイトな黒服に身を包んでいる。出身はオスゲア大陸らしくメヒーが姓でクオルが名。シオルという双子の妹がいる。
世界中を旅している歴史学者で天才を自称する。守護者の森にいるのも、遺跡調査のため。完全治癒魔法である【エルハ・オークスラエルテ (治癒の桜樹)】の使い手であり、重症だったラージアの治療を行った。
フォウセとは森にある遺跡の調査を交渉しているうちに仲良くなり、怪我の治療も無償で引き受けている。オルゼという相棒兼恋人と常に一緒にいて、彼の前でのみ素の自分を出すことができる。
オルゼ
メヒー・クオルと旅をする青年。身長は彼女より頭一つ分以上低く、抱きしめられると彼女の胸に顔が埋まってしまう。
南オスゲア大陸で幼い頃に両親と生き別れた孤児。種族的にはセルキール大陸の出身と思われるが、正確なところはわかっていない。南オスゲア大陸内で起きた北側への侵攻に兵士として駆り出されていた経験を持つ。戦闘中に仲間を庇って重傷を負ってしまうが、庇った仲間は逃げて自身は戦場に置き去りにされた。自分の行動は正しかったのかと自問自答しながら命が尽きかけていたところ、偶然通りかかったメヒー・クオルに救われた。それ以降、彼女と行動を共にし、調査を手伝っている。
グルゥ・セイズ・ハクナーディル
ヴィルデムのセルキール大陸においてグランセイズを首都とする東側の国【オーツフ】を治める王。4人の妻を持ち、子供好き。芸達者で時には大工、時には鍛治と王様とは思えぬ行動を取り家臣を困らせているが、そんな姿が民衆に受け入れられている。セイズは代々オーツフの王に与えられるミドルネーム。
ヴィルデム内で起きたロドの異常開放で国生 蛍司を保護したことから、他の場所でも迷い込んだものいる可能性を考え各国に協力を要請していた。
ビヌイゴ・タウタフ
ネイストレン鉱脈管理者を務める鉱夫たちのリーダー。何かあるとすぐ背中を叩く。鉱物への知識が深く、魔道具に必要なネイストレンや発光結晶だけでなく天然魔道具にも精通している。その知識量は、同じく鉱物を専門とするレクイースのアディージェが驚くほど。
ロドの異常開放と同時期にネイストレン鉱脈のわずかな異常を、過去に起きた事件を重ねており、また被害者出ることを恐れている。
オーチェ・エイヴォルフォ
オーツフの宰相にしてグルゥの右腕的存在。頭脳明晰で見た目の美しさにも定評がある。オーツフが国として成り立っているのは彼のおかげというものもいる。ネイストレン鉱脈を管理する一族の役割を嫌い、採掘の腕よりも知識を蓄えた。筋骨隆々な他の国民に比べて、生まれついた体質で筋力はそこそこあるものの体は細い。
ガートラム・アーザヌ
グランセイズでネイストレン鉱脈の管理を任されている鉱夫の1人。右腕に常に銀色のアーマーをつけているが、これは怪我によって神経を傷つけてしまった右腕を補助する魔道具である。これがなければ彼の右腕は一切動かせない。
光の柱が発生した際、偶然近くにいたため蛍司のことを最初に発見した。それ以降何かと気にしており、監視役も自ら名乗り出た。蛍司にとっては恩人でもあり、仕事場の先輩でもあり、魔法の師匠でもある。
ヘイオル ヒュート
北オスゲア大陸、虹槍騎士団 (ジェイニリーア スキュアンド)の副団長を務める男性。切長の三白眼、銀髪。ヴィルデムにやってきた光秀を保護した。虹槍騎士団で最も常識人。
イエリリーア モーテ
虹槍騎士団の団長を務める女性。首元を隠す髪は真っ直ぐなアッシュグレイ。かき上げられた前髪だけが金色に染まっている。丸目。
何かと直感で行動するタイプ。それがいいところでもあるが、ヒュートを困らせることも多い。
キャヒボア ネーシャ
虹槍騎士団の女性団員。褐色の肌に茶褐色の髪。団長の実力は認めているが、やり方にいつも納得できず口喧嘩が絶えない。男になんて負けないが口癖だが実際はいいとこのお嬢様。団長の意見に反発するのも優しさから。
騎士団の中では治癒士の役を担っている。
イクエゴス・ダール
虹槍騎士団の男性団員。団員の中では若い方。非常に目がよく、優れた洞察力を持つ。ただし臆病。オスゲア大陸に残り、ヒュートたちとは同行していない。
チュリシオ ヌーイ
虹槍騎士団の男性でもう1人の副団長。団員の中ではかなりの古株。低い声が特徴で、口数は少ない。団の料理番を務めている。「エイァ ディアノム (問題ない)」と言ってどんな料理でも出してくる。オスゲア大陸に残り、ヒュートたちとは同行していない。
キリアン
ロドの開放に関わっている可能性がある人物の1人。ブロンドの長い髪とスマートな長身に女性と見間違うが、声で男性だとすぐにわかる。
サイード
ロドの開放に関わっている可能性がある人物の1人。顔立ちから中東系と思われる。常に紅い刀身のダガーを見つめ、暇を見つけては研いでいる。キリアンらの中では1番の年下。
トモキ
ロドの開放に関わっている可能性がある人物の1人。日本人と思われる。丁寧な言葉遣いだが、表情を変えずに人を傷つけていた。アウストゥーツとソリが合わない様子
レオナ
ロドの開放に関わっている可能性がある人物の1人。仲間たちの中では唯一の女性。特に目立った動きはないものの、何としても達成したい目的がある模様。
ヴィクトル
ロドの開放に関わっている可能性がある人物の1人。リーダー的存在の様子。常に大きなリュックを背負っている。異世界ヴィルデムの生態系に強い興味を示している。