表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界へは夢の中から  作者: TKSZ
4/8

4.ダンジョン

区切りがわからん

午後からはダンジョンへと思ったけど精神的に疲れたのでサリエンスの屋敷に帰った。門を出て高速走行でサリエンスの屋敷へ。時間は1時間。距離は300km。

新幹線以上の平均速度だ。


「戻ったよ」

「あれ、ダンジョンは?」

「精神的に疲れたので帰ってきた。講習と実力審査で疲れた。あ、ランクは2級だよ」

「門を出てよね?」

「そうだよ」

「じゃあ18時まで戻らないと捜索がかかるわよ」

あ、そうだった。届けを出していない。ハンターが夜間に門外で活動する時には届が必要だった。


帰りながら自己鑑定を行った。高速走行も能力名に入っている。


須厨気他可視すずきたかし 20歳(60歳) (賢者)


物理攻撃耐性(小) 魔法攻撃耐性(小) 毒耐性(小) 状態異常耐性(小) 敏捷(中) 体力上昇(中)

聖魔法中級 土魔法初級 雷魔法初級 光魔法初級 

鑑定 刀剣術 魔力操作 俊敏 気配察知 体術 気配隠蔽 潜伏 錬金 調合 思考速度上昇 思考能力上昇 魔道具製作 高速走行

転移適性 全魔法適性 鍛冶適性 



クルボストン帰る途中で魔物やら獣を倒し、薬草などを採集してハンターギルドに納品することにした。これってギルドへの貢献?

まあ、納品は明日にして今日は宿をとって休むか?


折角クルボストンに泊ったのでダンジョンに行ってみることにした。

宿泊したのはトイレバス付のビジネスホテルという感じの宿だ。部屋はシングル。残念ながらこの世界にはテレビはないようだ。

食事は宿の1階の食堂で摂った。昨日はハンターギルドへ納品はしていない。ハンターギルドにはダンジョンから帰ってきてから行きたい。

宿は一泊は銀貨3枚だった。夕食が銅貨6枚、朝食は銅貨2枚だった。

昨日の夕方、宿の食堂で親しくなったハンターに生活魔法を見せてもらった。

就寝前に試してみたら生活魔法が使えるようになっていた。

生活魔法は照明・飲料水・加熱・冷却・着火・洗浄・乾燥が使える魔法だ。

これは旅に便利そうだ。

ダンジョンに行くための携帯食と食器と水筒は前日中に用意した。

今日は日帰りで行ってくる予定だ。まあ、様子見というところだな。

一応ザックは担いでいる。

この世界には魔法の鞄は存在する。『収納の鞄』という。縦横高さとも2mの収納できる魔法の鞄はハンターギルドでもレンタルしている。

収納の鞄は時間停止はないが私の持つ賢者の腕輪は容量無限で時間停止機能がある。

私の持つ賢者の腕輪の収納には生物も収納できる。入れてもその生物が死ぬことはない。

むしろ重傷者を入れておけば医療機関に運んでいる間は時間停止する事ができるので無限収納に入れる時点で手遅れでなければ手遅れになる前に医療機関に運べる。

私がいれば大抵の怪我や病気は聖光治療と聖光回復で治療できそうだけど。

今、担いでいるザックも収納機能のある魔法の鞄だ。昨晩自分で魔道製作の能力を使って作った。本当は時間停止有の鞄も作れたのだが自重した。

容量は縦横高さとも10mになってしまったのは目を瞑ってもらおう。ハンターギルドでレンタルしている鞄はサリエンスがハンターギルドに提供した物らしい。

時間停止有の魔法の鞄は国宝級らしい。この世界の魔法の鞄の最大容量は縦横高さとも30mらしい。

無限収納魔法は存在するが大賢者サリエンス以外で使える者はいないらしい。

念のために治癒と魔力回復と解毒の魔法薬を10本ずつ昨晩調合して持っている。全て最高品質の物ができた。

防具は着けていないが服や靴や帽子には特殊素材が埋め込まれていて私を護ってくれる魔道具になっている。

材料はこの間に狩りや採集で手に入れた素材だ。


ダンジョンの出入り口に近づくと広場があり露店で賑わっていた。人波を掻き分けさらにダンジョンに近づく。

出入り口前には出入りを管理する受付がある。まあ、ギルドカードを魔道具にかざせばいいというお手軽な受付ではあるが。

ダンジョンに入る予定期間によってかざす魔道具は異なる。ギルドカードにも帰還予定が浮かび上がる。

ダンジョン内にある安全地帯の階層にはハンターギルドの出張所があるところがあり、ここで帰還予定の変更が可能だ。

ここのダンジョンは全30階層で現在20階層までが攻略されている。

この世界のダンジョンは最下層にあるダンジョンコアを破壊することによって攻略が完了する。

ダンジョンが攻略され、攻略者が帰還用の転移門でダンジョン外に出ると中にいる他の人類全員が外に強制転移させられる。転移させられる場所は出入り口前の広場だ。

この後2時間かけてダンジョンは再構築される。再構築されると階層の地形や魔物は一新される。

ボス部屋は最下層にのみにありボスを倒すとダンジョンコアのある部屋に入れる。

安全地帯になっている階層には帰還専用の転移門が存在している。出入り口前の広場に転移できる。広場は混んでいるのに他人にぶつかることなく出て来れるのはダンジョンの不思議機能だ。

強制転移・転移門によるどちらの転移も転移によって脱出した記録が入り口の魔道具に自動的に記録される。だからこの場合改めて受付で帰還手続きを行う必要はない。

ここのダンジョンの場合は現在5階層と10階層と15階層と20階層に安全地帯があることが判っている。おそらく25階層にもあるだろうと言われている。

この世界のダンジョンは罠はあるが宝箱は存在しない。今のここのダンジョンでは1階層から5階層までには罠の存在は確認されていない。

私の場合、気配探知で罠の位置を確認できるので便利だよ。


1階層は洞窟でスライムのみがいた。スライムは核を撃ち抜いて倒すことができる。HLショットが有効だ。聖光剣で突くのもいい。スライムからは小さな魔石が手に入る。

1階層の幅10mぐらいの単調な一本道を2kmぐらい進むと2階層への階段があった。あまり面白みのないスライムは通行に邪魔な個体しか討伐されない。

2階層も幅8mぐらいの洞窟で両脇には20mおきぐらいで小部屋がある一本道だ。魔物はスライムとゴブリンがいた。ここでも魔物を倒して得られるのも小さな魔石のみだ。

ただここにも良質な魔石を採掘できる場所が何ヶ所かある。その魔石の採掘を主に行っているハンターもいる。

ゴブリンは弱いがどんどん出現してきて通行の邪魔をしてくる。走りながら聖光刀で切り捨てていく。魔石の回収は腕輪の収納機能の自動回収モードを発動させることによって止まることなくできるようになった。

2階層の一本道は6kmぐらい続いていた。そして3階層への階段に至った。この2階層で採掘できる魔石は良質で脇にある小部屋で魔石の採掘を行っているハンターも結構いた。

3階層には草原と森林が広がっていた。ここでは地図を持っていないと4階層へ階段を探すのは大変そうだ。3階層では薬草や果実をはじめとする様々な植物素材が採集できる。

魔物はスライムとゴブリンとホーンラビットとフォレストウルフ、獣は狸と狐と猪がいた。聖光剣やHLショットで簡単に対処できる。

一般のハンターの場合はフォレストウルフが群れになると対処が大変だろう。私は30頭の群れにも対処できたが・・・。

私の場合は気配探知で4階層への階段をすぐに見つけることができた。まあ、20kmも離れているので魔物討伐や採集を行いながら階段まで進んだ。

私の場合は討伐と採集の時間を入れても階段まで2時間もかからなかった。

4階層は両生類系と爬虫類系の魔物と狸と狐がいる湿地の多い階層だった。魔物は毒を持つ物が多かった。

私の場合は毒に耐性があるので問題ないが一般のハンターの場合は毒対策が必要だろう。

両生類系は毒カエルと毒イモリという魔物、爬虫類系はキラースネークとポイズンスネークというヘビの魔物と噛みつきトカゲという魔物だった。

切ると毒を撒き散らす魔物は厄介だ。という事で聖光炎という炎を創り出して魔物を焼き払ってみた。生活魔法の着火と聖魔法の組み合わせだ。

さらに聖魔法で毒の浄化もできるようになった。聖光回復と聖光浄化の複合による聖光解毒だ。この階層には小さな池もあり水草系の薬草も採集できた。

池があり湿地があるために足場が悪く迂回路を多用しないといけなかったが2時間で5階層へ階段に辿り着く事ができた。

そして5階層は安全地帯。森と草原がありウサギやイノシシがいるのどかな場所だった。

ここは昼も夜もある。1階層と2階層の洞窟は天井がほのかに光っていて照明は不要だった。3階層と4階層は常に昼間だそうだ。よく獣がその環境に耐えれれるなと感心したがどうやら巣穴を持っちるらしい。

この5階層にはテント村がある。商売をやっている者もいる。食堂や宿もある。道具屋や鍛冶屋や八百屋や肉屋もある。

まあ、値段はいいのだが・・・。

今回は様子見だ。帰還用転移門を使ってダンジョンから無事帰還した。


帰還した後、ハンターギルドに行った。溜まっていた素材を売ったのだが・・・・・問題が発生した。

魔法の鞄から多量の素材を出してしまった。縦横高さが全て10mでなければ入らない容量の素材と魔物の死体だ。

ギルドでレンタルされているのは縦横高さが全て2mの時間停止のない魔法の鞄だ。

それだって高価でレンタルも実績があり信用のおけるベテランハンターが対象だ。レンタル料は2日で金貨1枚、保証金が金貨5枚だ。

縦横高さが全て10mの時間停止のない魔法の鞄なら金貨2000枚の価値があるという。

私の作った魔道具の魔法の鞄が大容量の物であることがばれてしまった。話の流れでついポロリと・・・・。

容量の大きさに驚いたようだけどそれ以上に私自身が魔道具を作ったことに驚かれていたようだ。

その結果・・・・。

当然のことながらギルド内が大騒ぎになった。何故ならば魔法の鞄が現在作れるのは大賢者サリエンスだけという。・・・そんなの知らないよ。

それも最近は大賢者サリエンスが魔法の鞄を供給してくれないという。だから魔法の鞄は品不足だという。縦横高さが全て2mの時間停止のない中古の魔法の鞄が金貨160枚だという。

ということで私に魔法の鞄を注文しようと考えたハンターが殺到してきた。金貨250枚だと吹っ掛けてが24個も注文が入ってしまった。

予約の前金はいらないかわりに納品期限は2ケ月以内という事にしてもらった。実際には1日もあれば作れるのだが・・・。


「そんなことで騒ぎになったのか」


注文で騒ぎになったところへギルドマスターがハンターギルドに帰ってきた。

なんでもギルドの全国組織の幹部との話し合いがあったらしい。ギルドの全国組織は神聖国という宗教国家にあるという。

神聖国は全世界の神の総本山でもあるという。この国の宗教は一つしかない。神様は色々いるが宗教対立による争いがないのは嬉しい。

只最近になって邪神崇拝する組織が勢力を伸ばして地下で活動を始めているいう情報があるのが気になる。


「それで話というのは?」

「神聖国がタカシ君を招きたいと言ってきた」

「行く気がないのですが・・。何故私を?」

「君が聖魔法の使い手だからだよ」

「私を招いてどうしようというのですかね」

「察しはつくが私のいう事ではないな」

「そうですか・・・」


邪神対策か勢力拡大か?碌な事ではなさそうだ。


「それから大量の素材の納品と魔法の鞄の供給。この功績によってタカシ君のランクを1級にすることにしたから」

「はあ、ありがとうございます」

「あまりうれしそうではないな」

「メリットを感じないので」

「ギルドからこの街の君の拠点を無償貸与することになっている」

「そうですか。ありがとうございます」


    *    *    *


「うーん、お屋敷だね」


もらった拠点はお屋敷だった。元はどこかの国の王族が別荘として建てたらしい。

それを何故かハンターギルドが格安で手に入れたらしい。

因みのこの世界でランク1級のハンターは私を入れて6人だという事だ。


私が使うための家具は結構そろっている。庭もある。錬金室や工房や調合室や執務室や書斎もある。

客間もある。使用人の部屋もある。食堂・厨房・大浴場・談話室や会議室もある。

工房で作業をすれば魔法の鞄をすぐに作ることができる。これは助かる。チョンチョンチョンと30個も作ってしまった。

その後、地下室にサリエンスの屋敷と繋がる転移門を設置した。


「ただいま戻りました」

「おかえり。色々と大変だったみたいだね。色々やらかして」

「ひえー、見ていたのですか?」

「そりゃ、『聖魔女の森』の中のことはすべて把握しているよ。『魔法の鞄』を作ってしまったこともな。さて、神聖国行きだが」

「どうしましょう」

「あそこに行かれると私も状況を把握できないんだよね」

「それじゃいかない方がいいのですか?」

「いや、魔道具を持って行ってもらうよ」

「魔道具ですか?」

「携帯式全方位監視カメラという感じかな」

「便利そうですね」

「それで神聖国の狙いは?」

「取り込みと邪神対策。そんなところだろ」

「やはり」

「転移と空間魔法も身につけたようだし大丈夫だと思うわよ」

「え、いつの間に」

「自分で確認して見なさいよ」


自己鑑定をしてみた。


須厨気他可視すずきたかし 20歳(60歳) (賢者)


物理攻撃耐性(小) 魔法攻撃耐性(小) 毒耐性(小) 状態異常耐性(中) 敏捷(中) 体力上昇(中)

聖魔法中級 土魔法初級 雷魔法初級 光魔法中級 空間魔法初級 風魔法初級 修復魔法 収納魔法 

鑑定解析 刀剣術 魔力操作 俊敏 気配察知 体術 気配隠蔽 潜伏 錬金 調合 思考速度上昇 思考能力上昇 

魔道具製作 高速走行 転移 射撃術 

全魔法適性 鍛冶適性 



能力に空間魔法初級・風魔法初級・修復魔法・収納魔法・転移・射撃術・鑑定解析がある。

複合魔法の修復が修復魔法になったらしい。今までは存在しない魔法だろいう事だ。私が生み出した魔法らしい。

転移を実際に使ってみた。短距離転移そして気配で探知できる範囲の転移、さらに以前訪れたことがある場所の気配を調べての転移が可能になった。

クルボストンの拠点の地下に転移して設置しておいた転移門を外して戻ってきた。

収納魔法は時間停止の無限収納だった。腕輪と同じ機能か。


「いや、使いこなせば時間経過を色々設定できそうね」

「そうなのですか?」

「能力というものは努力次第で成長するのよ」

「そうですね」


鑑定解析も鑑定が成長したものか。


「一度地球に戻ったら」

「そうするよ」


    *    *    *



「知っている天井だ」


いつもの通り自宅の布団の中で目を覚ます。

朝4時半か。今日もジョギングに行くか。

サリエンスの説明だと私がいる世界の時間経過が速くなるらしい。

私はアーステルドで10日ぐらい過ごしたがこちらでは1分ぐらいしか経過していないのだという。

その後は普通に寝ていたから6時間ぐらい寝ていたわけだ。

反対に今回アーステルドに行く前に地球で睡眠も含めて24時間以上過ごしていた訳だけどアーステルドでは10分も経過していないのだという。

私ばかり時間経過が速いって老化も早いのではないかと心配したが一言大丈夫だと告げられた。

軽く100kmぐらいの距離を気配を隠蔽して走ってくる。時速は200kmぐらいで距離はフルマラソンの2倍以上だ。

気配を隠蔽すると監視カメラや赤外線センサーにも反応しないらしい。

まあ、不思議だ?どうなっているのだろう。

あ、転移でどこかに行って走ってくればよかったのかな?

それから人気のない所で能力を試してから出勤した。

気配隠蔽の能力で若返りの変化を周囲が気にならないようにもできるらしい。

これって精神干渉じゃないよね?

人を操るとかは怖いからやりたくないよ。

お読みいただきありがとうございました。

ご意見や感想をいただければ幸いです。

ブックマークへの登録もお願いします。


次話は現実世界の厄介ごとです。


自転車で行く異世界旅 https://ncode.syosetu.com/n9098fx/もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ