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鼻の大きなじぃじ

作者: 蒼井 蜜柑

鼻の大きなじぃじに捧ぐ

鼻の大きなじぃじ、僕の爺さんは僕と同じで鼻が大きかった。


ちなみに僕の鼻は自分の親指が第一関節までスルリと入るくらいだ。


そんな鼻の大きなじぃじは色んな事をやっていた。


戦時中に借金をしながらカメラを買ってカラーの写真を現在に残している。


当時の技術もさる事ながら、それを大切に保存している祖母も凄いと思う。


新しいもの好きだった爺さんは大きな建築物が出来れば見に行ったり、全国色々飛び回っていた。



そんな爺さんは良くこんな事を言っていた。




「箸とらば 我が一力で食うと思うな」



意味のひとつは、ひとは一人では生きていけない、その人の後ろには父親と母親がいてその後ろには祖父と祖母が、人は命を繋いであなたがいるのだから。


ご飯を食べる時に、箸を持つたびに、その料理を作ってくれた人、その食事の後ろにいる人たちに感謝しなさい。


という事を僕に懇々と言い続けてくれた。


当時小学生だった僕は爺さんが

「箸とらば…」と言い始めると続けて我が一力で食うと思うなと言っていた。


失礼なクソガキだったと今思い返せば思うが、当時は口煩いジジイだと思っていた。



そんな爺さんが亡くなってこの間、十三回忌

の法要を行った。爺さんの子供たち4人が集まって爺さんのあーでもない、こーでもないという話をした。そんな子供たちを見て祖母は幸せそうにニコニコしていた。



今では僕は二人の子供に恵まれた。子供は毎日成長していく、


彼らには僕の爺さんの様に有難い話をしてくれる人は近くには居ない。


今になって爺さんの有り難みが分かるようになった。


少し遅いかもしれないけど、爺さんのしてくれたように僕も子供や孫にお前は一人じゃ無いんだよと、言い続けられるような人になりたい。

読んでくれた方ありがとう。

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