3・一般市民スライムを仲間にする
状況を整理して永遠と続くような草原を少し歩くと、あまりにも大きい水面張力した白い水滴のようなものが草原の中にあった。
「ん?白い…水滴?…いや、これは?なんだかよく分からないが、"鑑定"使ってみるか。てかこれにも使えるのか?草にも使えたんだし使ってみるか。」
っと少し疑問に思いながら白いよく分からないものに意識を集中して"鑑定"を使ってみると。
【名前】 セイクリッドホワイトスライム
【年齢】 3日
【性別】 無
【レベル】 1
【固有スキル】吸収・強奪・自己再生
「スライム?へぇ~これがスライムなのか…てかセイクリッドホワイトスライムって何?ただのスライムに随分と大層な名前過ぎやしないか?それとも本当はメチャクチャ強いのか…?まぁ考えて答えが浮かぶもんでもないか。固有スキル''吸収'' ''強奪'' ''自己再生''か。自己再生、吸収は何となくわかるが強奪…か、吸収は体の中にものを取り込み消化する。自己再生は分裂したりした体を再生できる…なんてところか…ふむ強奪というと何かを奪うのか?いまいちよく分からんな…ふむ。」
軽く頷き、ただ観察しているだけでは時間が勿体ないのでこのスライムに色々ちょっかいをかけてみることにした。
「てかこいつ生きてるのか?」
俺が近ずいても何の反応も示さないので…もしかしたら死んでるんじゃないかと思い。
そこらに落ちている木の枝でスライムをつついてみると。
「キュッ。キュゥゥウ!!」
という鳴き声を発しこちら飛びかかってきた。
もしかして怒って攻撃でもしてくるんじゃないかと思った俺はとっさに腕で顔をガードし身構えた。しかし、襲ってきたのではなく、俺の足元に落ち。まるで猫のように自分の体を俺の足に擦り付けてきた。ひんやりとした感触を楽しんでいると。
「キュッ。キュキュッ」
と、喜んでいるような鳴き声を出した。
「ん?何だ俺に攻撃してくるんじゃなくて俺に懐いたのか?」
っと疑問を呟いていると。
「キュウッ」
という、俺の疑問を理解し肯定するかのように鳴いた。なので、恐る恐るスライムを撫でてみると。
「キュゥゥー」
と、気持ちよさそうな甘えた声で鳴いた。
「ふふっ、そうかそうか気持ちいいか。じゃ一緒に行くか。」
「キュウ!」
俺が少し歩くとスライムが後ろから跳ねながらついてくる。ちゃんと着いてきているのを確認したあと、少し速度を上げて歩いていると。生まれて3日だからなのか、レベルが低いからなのか、跳ねるスピードが遅くだいぶ後ろから跳ねてこちらへ向かっていた。
これじゃあ人がいるところに着く前に日が暮れてしまうと思い、直径30センチぐらいのスライムをだき抱えて進むことにした。
そして、そこからまた歩き始めた。