第3話 予想の斜め上
ものすごい雨ですね。こんな日には外に出たくないです。さて、第3話ができました。読んでいただけると嬉しいです。
眩しい。非常に眩しい。魔法陣の光に包まれてからすでに2、3分経っているはずだ。なぜずっと光の中なのだ。普通、どこかよくわからない所に送られるものじゃないのだろうか。まぁ、どうしようもないし、待つとしようか。などと考えていたら、目の前に2つの扉が現れた。2つの扉はとても特徴的なものだった。1つは白く輝くとても美しいもので、もう1つは黒く禍々しい雰囲気を漂わせるものだった。これはどちらかを選べってやつだよなぁ。で、片方はハズレってパターンのあれだよなぁきっと。どっちを選ぶべきなのだろうか。こんな時、彩香ならどうするだろうか。簡単に想像できるな。絶対に白い方に入る。
「だって綺麗じゃん?」
とか言いながら入っていきそうだ。ならば迷うことは何もない。仁人は真っ直ぐに白い方の扉に入っていった。
「よかったぁ〜。こっちを選んでくれて助かったよぉ〜。」
入るとすぐにそんなことを言ってくる明らかに女神ですって感じの女性が立っていた。なんかいい人っぽいし、あいさつしておこう。
「あ、どうも。山中仁人と言います。よろしくお願いします。ところでここはどこなんですか?」
「よろしくねぇ〜。私はねぇ〜、メリスって言うんだよぉ〜。ここはねぇ、私の世界。いわゆる天界って感じかなぁ〜。」
おぉ、なんか喋り方軽いなこの人。いや、女神っぽいし人じゃないのか。
「あの、天界ってことはメリスさんは女神かなんかですか?」
「そうだよぉ〜。私は安堵の女神なんだぁ〜。」
「そうなんですね。ところで僕の前に女の子が来ませんでしたか?」
「んー?女の子?あぁ、ここに最後に人が来たのは多分10年前くらいだよぉ?」
「え、なぜです?」
「えー、だって私さっきまで寝てたんだもん。」
「え、寝てたんですか。」
「うん。寝てた。それで、起きたらなんか空間移動魔法にかかっている人がいたから対抗魔法で抵抗しつつ、こっちに案内しようとしてたのよぉ〜。というわけで、もう安心してね。あなたは今から元の世界に戻してあげるから。」
こいつのせいか!こいつのせいだったのか!あのクソ眩しい中、何分もなにもできずにたっている羽目になったのは全てこいつのせいだったのか!
「マジかよ。何やってくれてるんですか。余計なことしないでくださいよ。」
「えー、今まで感謝された事はあっても怒られた事は無かったんだけど、、、」
「僕は友達を助けるために空間移動魔法に入ったんです。だから今すぐ空間移動魔法の中に戻してください。」
「え、えぇぇぇぇぇ!何その反応!大丈夫?あんな所に行きたいだなんて、、、」
「いいから早く戻してくださいよ。時間がないんですから。」
「わかったけど、気をつけてね?あと、本当に困ったら心の中で私の名前を呼んでね。もしかしたらなんとかなるかもしれないから。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「じゃ、本当に気をつけてね。」
そんなこんなでやっと目的地に到着したのであった。
、、、この世界はどこかに移動するたびに何かしないといけないという決まりでもあるのだろうか。メリスに戻してもらった空間移動魔法によって目的地に到着したわけなんだが、目の前に完全武装した騎士っぽいのがいっぱいいるのは俺の気のせいだろうか。
「貴様、何者だ!突然現れて奇妙な奴め!捕らえて牢屋にぶち込んでおけ!」
騎士長っぽい人がそう叫んだ。うん、気のせいじゃないみたいだね。
「異邦人め!覚悟しやがれ!」
などと叫びながら何人かの騎士が迫ってくる。どうしようかな。彩香なら、、、逃げるな。よし、逃げよう!
とりあえず逃げてみた。そしたらあら不思議、なんと騎士さんたちが追いかけて来ません。どうしたことでしょう。答えは簡単。俺の逃げた先が先ほど騎士長っぽい人が言っていた牢屋だったのです。
ガシャン!キー、ガチャン!
捕まってしまったようだ。
「なんて腰抜けだ。こいつもまたハズレだな。おいお前ら、帰って陛下に報告するぞ。」
騎士さんたちは帰っていった。さて、どうしようかな。よくわからん所に来てすぐ捕まっちまった。とりあえず、情報が欲しいな。
「お兄さん、大丈夫かい?」
お、先客がいたのか。
「ええ、大丈夫ですよ。間抜けなことに自分から牢屋に入ってしまいましたんで。」
そう説明すると、先客の男に大笑いされてしまった。
「アハハハハハ。いや、すまない。そこまで間抜けなことをしたのは君が初めてだよ。」
「恥ずかしいんでもうやめてくださいよ。」
「ところでここはどこなんですか?」
「あぁ、それはね、、、」
その男によると、ここはケーズヒル王国というらしい。ここはその王国の最東端にある謎の多い施設なのだとか。ちなみに先客の男もどっかから連れてこられた日本人なのだそうだ。一体どうなっているんだろう。
「何て言うか、情報少ねぇな。」
「し、仕方ないだろう!私はずっとこの牢屋にいるんだから。これだけでもすごい方だと思って欲しいね。」
「まぁ、それもそうか。仕方ないな。あと1つ教えてくれ。俺の前に女の子が来なかったか?」
「女の子?それは女子高生っぽい制服着た黒髪美少女のことか?」
お、なかなかの高評価ですね。牢屋にいながらそこまで観察しているとは。
「お、おおう。そうだ。」
「あの子なら着た瞬間に悲鳴あげて逃げ始めたんだけど、運悪く騎士の1人をなぎ倒しちゃってさ。向こうの方に連れてかれたよ。」
そう言って男は、左に続く道を指した。あいつ、、、やりそうだなぁ。火事場の馬鹿力あるもんなぁ。
「そうか。ありがとう。ちなみに、どんな風に連れてかれた?」
「あぁ、酷いもんでな。縄で縛って引きずられていったよ。」
「はい?いやいやいや。はい?今なんて?」
「信じたくはないだろうけど、事実だ。」
「っざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!おい!おっさん!あいつは、向こうに連れてかれたんだよな?」
「え?あ、あぁ。」
「そうか。ちょっと行ってくるわ。おっさん。情報ありがとな。」
「え、行くってまさかおま、、、え、」
男が驚いたのも無理はないだろう。なんせ、目の前にはバラバラになった牢屋の鉄格子が転がっていたのだから。
「許さん!」
そう叫ぶと仁人は左の通路を駆け抜けて行った。
読んでいただきありがとうございます。自分でもなかなか進まないなぁと思っております。小説書くのって思ってたより遥かに難しいです。でも、頑張ります。できましたらこれからもよろしくお願いします!