2人の姉妹と1台のドロイドの旅物語プロローグ
はじめまして。じゃっかろーぷと申します。
今回はオレっ子の妹と頼りになる姉と1台のロボットの旅の物語です。
途中、どうしてもカタカナが読みづらい!って人は先に後書きを読んでみてください。
おや…こんな所に誰かの古びた旅行記がありますね…
『 Reisetagebuch(旅行記)』とだけ書いてあります。
さっそく中を見てみませんか?
〜プロローグ サナギがそんなに大事?〜
2m先が見えないくらいの暗さで、遠くで歩く音と骨が擦れる音が聞こえる。
ハァハァ、スー…ハァ……ふぅ。
『なんだよあいつら…サナギがそんなに大事か?』
ブシュッ…!!ドチャ…
息を整えながら歩いていると突然、壁に空いた穴から矢が飛び、目の前に液体が飛び散る。
朝から探してやっと見つけた、街で売る為の巨大なサナギに矢が突き刺ささっている。暗くて見えづらいが、おそらく緑色のスライム状のもの、が飛び散った。しかも臭い。
『臭っ。ぁあ?!オレらの金がぁああ…ん?ちょっと待て待て待て待て!』
地響きを鳴らしながら、シャッターの様に岩が道を塞ぎ始めていることに気づく。
『休ませろよおおおお…』
転がりながらなんとかくぐり抜けると、抜けた先もまた同じようにシャッターの様に岩が道を塞ぎ始めていた。
正面はもう間に合わない、右の道と左の道は1秒かからずに走り出せれば間に合いそうだ。
((…右の道は遠くで奴らの音が聞こえる…かすかに左の道から風が吹いてる…出口が近いかも…左っ!))
ここまでわずか0.38秒。
『とぉりゃあああ』
左を選び、飛び込む。
…
『ハァハァ…ちくしょう。罠だらけじゃねーか…』
長く続く洞窟に愚痴が溢れ、たった今後ろで塞がりきった岩にもたれかかる。
……ザッガチャ…ザク…ザクザクガチャッ…
遠くで鳴っていた歩く音と骨が擦れる音、気づくと近くまで近づいて来ている。それも一体や二体ではない。この国の軍隊の1個中隊を超えるであろう100〜200体くらいの骸骨らが距離を縮めて来ている。
『もうこっち側まで来てんのかよ…死にたくないよ…お姉ちゃん…』
砕けて頭だけになってしまったサナギを抱きしめながら弱音を吐く。30mほど先の角から松明の明かりとともに骸骨らがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。全てを諦め目を瞑る…
…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_
これはまだ今の世界ができる前の時代の話。
この時代の人間は稀に、1つだけ特殊な能力を持って生まれる事がある。その特殊な能力を持っている人を、人々は皮肉を込めて"ローガー"と呼ぶ。
ガヤガヤ…
『…で、あるからして、この時代の子どもは15歳になると21歳まで、自給自足で3つの海と2つの大陸と2つの浮遊大陸を渡り、7つの世界を知らなくてはならない…
いいかー、ここテストに出すからなー。はぁ…』
黒板に世界地図を広げた教師が中々静かにならない生徒たちを見てため息をつく。
ドガンッ!!
『聞け。』
教師が教卓を叩き、一喝する。教室内は一気に空気がなくなったように静かになる。
『…次は乗り物についてだ。』
教師はメガネを直しながら説明する。
『これは"アエロスタ"と呼ばれ、空気よりも軽いガスを詰めて空を飛ぶ原始的な空を飛ぶ乗り物だ。長時間飛べるが速度が遅い。だが、お前らでも買えるほど安いぞ。
穴が開いて飛べなくなったら新しいのを買え。そういうことだ。』
教師はB2サイズの紙を数枚、黒板に貼り、説明をする。
『こいつは"フルークツォイク"と呼ばれる空を飛ぶためだけの乗り物だ。飛ぶために長い道路が必要だが高速で飛べる。ピンキリだが、安いものもある。それに乗りこなすにはある程度テクニックも必要だ。覚えておけ。
んで、次、"マシーナ"だな。
日頃よく親に乗せてもらってる人もいるだろう。
地面を走る自動式の四輪機械だ。空は飛べないし値段もピンキリだが、地上を移動するには持ってこいの乗り物だ。
次、あー…名前だけは絶対に覚えといてもらいたいのが"アコラサ………おいオリヴィア。1番前の席で居眠りとは、ローガーのくせににいい度胸だな…起きろオリヴィア…オリ…』
『……ィア!…オリヴィア!!起きて?!こっちに飛んで!』
天井からよく知る声が響き我に帰る。そして天井から微かに光が漏れてるのに気づく。
『お姉…ちゃん…?!』
オリヴィアと呼ばれた女の子は目の裏が熱くなるのを首を振って誤魔化し、頭だけのサナギを抱きかかえたまま10m以上高い天井の抜け穴めがけてジャンプする。
『キャッチ!オリヴィアが遅いから心配して迎えに来たんだよ…無事でよかった…』
『助かったよ。お姉ちゃん…』
『ん、なんかオリヴィアの身体臭いしベタベタするんだけど……け、怪我?!すぐに手当てしなくちゃ…逃げるよ。』
『え?あ、うん!』
そして、お姉ちゃんと呼ばれた、オリヴィアよりも2歳くらい上のお姉ちゃんと呼ばれた女の子と共に脱出を試みるのであった。
『ハァ、ハァ、アコラ…なんちゃら?は何処に?』
オリヴィアは息を切らしながら聞く。
『アコラサードならこの洞窟を抜けた所にアレクに持って来させる。まだ走れそう?』
走りながら頷き、前を見ると2人のアシストドロイドであるアレクがいる。
赤い箱から手足が生えて、収納可能なドローンの様なプロペラの付いた、全長60cmくらいのロボットだ。乗り物の操縦も可能。正式名称はAD-300Arekushii。
『アレク!アコラサードのエンジン始動!近くまで持ってきて!』
アレクと呼ばれたアシストドロイドはウィーーンと音を立て、背中からプロペラユニットを出すと出口の方へ飛んで行った。
それからオリヴィアたちは140mほど、全力疾走で洞窟の出口付近まで来ると、洞窟の外で土煙が上がってるのがわかる。
丁度アレクが2人の乗り物である、アコラサードを着陸させようとしている所だった。
後ろを振り返ってももう誰も追ってこない。
2人は安堵しながらアコラサードに乗り込む。
『アレク、近場の港まで飛んで、オリヴィアの手当てしないと…』
『リョウ解シマした・・・ソフィアさま。オリヴィアのケガノ具合ハヨクナイのデスカ…?』
『待って?これは怪我じゃない!!サナギの体液ぃぃいいいいいい!!!』
オリヴィアが叫ぶ時にはもう既にアコラサードは港に向かって上空を飛んでいた。
アコラサードの作る独特な航跡雲を眺めながら、
『گäㅕђфдㅛ様、この航跡はアコラサードです。そしてあの姉妹、やはり間違いなさそうです。』
『そうか。やっと。見つけたな。アレは問題なさそうか?』
『はい。』
………
プロローグおわり。
to be continue
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
初めての小説…緊張したぜ兄貴ぃい…(涙目)
さて、無事に『オリヴィアの誰にも読まれなかった旅行記』連載始めることができました。本当に、読んでいただきありがとうございます。
略すとなんだろう?だれよま?だれまれ?次回までに考えておきます。
今回のプロローグは旅を始めて1週間後くらいの時間軸です。これからは異能力やらなんやら、、と混沌としていきます。(予定)
次回からは第1章『港に着いたオリヴィア達を待ち構える巨大カマキリと巨大サンショウウオ』…ってのは冗談です、本当の次回は『あんたと私は違う』と『行ってきます。』です。土曜14時に投稿します。(出来たらいいなぁ)
そうそう、今回のプロローグ編で出てきた名前や乗り物の名前、独特だなぁ、なんて思った方もいると思います。
実は、いくつかは実在する外国語だったり、乗り物の名前だったりするんです。この物語は今の世界が出来る前のお話なので、もしかしたら今ある言葉はこの物語の世界の名残なのかもしれません…
下に由来を載せておくので、これを見てもう一度プロローグを読み直して頂くと、もうちょっと分かりやすいかな〜なんて思ったり…。
姉 : ソフィア…ギリシャ語でSophia『知恵』を意味する。
妹 : オリヴィア…ゲルマン語でAlfihar『エルフの軍隊』を意味する。
アシストドロイド : アレク…アレクシウスの略 ギリシャ語でAleksius『擁護者』を意味する。
ローガー…元の言葉は英語でrogue 悪党、いたずらっ子という意味がある。※ローガーは造語
アエロスタ…フランス語でaêrostat『飛行船』という意味。
フルークツォイク…ドイツ語でFlugzeug『飛行機』という意味。
マシーナ…ロシア語でмашина『車』という意味。
アコラサード… スペイン語でacorazado『戦艦』という意味。
…次回もお楽しみに。




