吸血鬼の真祖
異常事態が二つある。
まず一つ。吸血姫のクッソ美少女が至近距離で寝息を立てている。可愛すぎて俺の息子も勃ちかけている。何とは言わないが。
そしてもう一つ。ステータスだ。
駿河幸慈
Lv1
種族 吸血鬼
筋力 1060
耐久 995
敏捷 1000
エナ 500
称号
半勇者
吸血童貞
スキル
血の契約
自動再生
魔吸収
いきなり強くなっちまった。
「ん?小僧、早いな。」
「おはよう。」
「ほう!なかなかのステータスではないか!んん?」
俺のステータスを食いみるように覗く。
「な、な、なんで魔吸収を持っておるのだ!?」
「なにそれ?強いの?」
「生物が持てるはずがないのだ!これは本来鉱石特有のものだ!」
あ……あんとき腹減りすぎて食ったやつか?(全話参照)
「岩食ったときかも。」
「い、岩を食う……?貴様バカか?」
「う、うるせぇ!とりあえず説明してくれよ。」
「良いか?この魔吸収とは、体に入れたエナや、スキル、さらにはレベルを吸収できるのだ。つまりは、吸血、または食せ!それで貴様は強くなれるわけだ。」
「へー。強いな。」
「う、うむ。人事のようだな。」
実感ないしな。
ちなみに他のはというと、
血の契約
吸血によって対象を使役することが出来る。また、自分の血を使ってものを形作ることも出来る。
自動再生
吸血鬼の再生能力。放っておいても傷が癒える。回復量は吸血鬼としての能力に比例する。
「なるほど。今の俺はまぁそのへんの勇者と同じくらいか。」
「たわけ。貴様は勇者より強いわ。貴様は死ぬ寸前まで成長出来るわけだから、まぁ200年後には世界最強になっているかもな。」
ん?、そういえば俺って寿命伸びんのかな?
「なぁ?俺って何歳くらいまで生きれんの?」
「そうさなぁ。まぁ3000年生きれれば良いだろうな。」
え?どんどん人間離れしてる気がする。あ、吸血鬼か。
「ところで小僧。名はなんと申す?」
「申し遅れたな。俺は駿河幸慈だ。そっちは?」
「妾はキティ=クレセント=マキュリアル。気軽にご主人様と呼べ。コージ。」
「いや軽くねーわ。よろしくキティ。」
すると急に怪訝な表情になるキティ。
「おかしい。貴様に隷属効果がついていない。」
「え、じゃあつまり俺デメリットがないってこと?」
「そんな簡単な話ではない。今の貴様は吸血鬼の真祖に等しいということだぞ?」
話が見えない。真祖ってやつじゃダメなのか?
「よいか?吸血鬼とは、真祖の下に他種族の吸血鬼が存在する。隷属状態でな。そして今生きている真祖は妾だけだ。つまり、今の吸血鬼のトップは妾と、貴様ということになる。」
え、
「ええええええ!いいよそんなの!」
俺は生きれて王を殺せればいいんだから!
「まぁ今は良い。とりあえずゆくぞ。コージ。」
「え?どこに?」
「地上に決まっておる!」