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第36話 〜『恨み』と『大ボス』と『下らないプライド』〜

 残暑の残る今日この頃。でも夏休み中程の蒸し暑さはないので比較的過ごしやすいかな。未来から『お前らを見てると、暑苦しくてたまらねぇ!!』とは言われたけれど。正直な所、貴女と賢も周りからは同じような目で見られてますよ? 言っても絞められるだけだから口にはしないけどさ。


 舞衣の件も片付き、残るはウズヒと一緒に居た人の問題だけ。

 という訳で購買に集合。今日からはウズヒも登校しているのでいつもの4人組が復活です。


「んで、お前が一緒に居た男ってのは誰なんだよ? 綺羅は聞いてないって言うし」


 席に着いてすぐに未来が話を切り出した。もう少し時間が経ってからでもいいのでは? 飲み物を買ってからとかさ。


「私と一緒に居た男の子? もしかして海星君の事?」


「……まさかとは思うが、氷上海星ではないよな?」


 賢はいつも通りの無表情だけど、声色がちょっと変わってるかな。

 そう言えばボクは何回か名前を聞いた気がするなぁ。でも、あの氷上海星ではないよね?


「そうだよ? みんなの知ってる氷上海星君」


「「「…………」」」


 あまりの驚きに3人とも声が出ない。これは舞衣と再会した事よりもびっくりしたかも……。


 氷上 海星(ヒカミ カイセイ)……俳優界の大御所からも絶賛される演技力と甘いマスクで今年の《抱かれたい男NO.1》に選ばれた、モデル出身のイケメン俳優。映画やドラマに引っぱり凧で、出演した作品は大ヒット間違いなしと言われている。

そんな俳優が知り合いにいるなんて、ウズヒの交友関係は一体……。


「3人ともどうしたの 私……『TELLLLL』……」


 ウズヒが言い終える前に彼女の電話が鳴り、一言断って廊下へと出ていった。


「しかし、あの氷上海星とウズヒが知り合いだったのは驚きだな。でも何で今回ウズヒに接触してきたのか分からねぇ。まぁきな臭い感じはするけどな」


 確かに未来の言う通り、何故今回ウズヒと再会したのかがよく分からない。大都市でもないこの町に彼みたいな大スターが居る事も。さらにはウズヒとの関係もはっきりしてないし。


「あの……綺羅君?」


 いつの間にか戻ってきていたウズヒが、困惑した顔でボクの背後に立っていた。急に声を掛けられて心臓が飛び出るかと思ったよ……。


「どうしたの?」


「海星君がね、綺羅君と会ってみたいんだって」


「……はい?」


 あの氷上海星君がボクとですか??






 ・

  ・


 ウズヒから話を聞いてみると、何でも氷上君は最近ここの近場でドラマの撮影をしているそうな。

 だからこの前ウズヒと会えたらしい。そして今回は《恋人がいる普通の男子高校生》の役作りの為にボクから話を聞きたいみたいなのだけれど……。

 未来の言葉を借りれば《きな臭い》。彼みたいなイケメンだったら今まで色恋事の1つや2つはあっただろうし、第一ウズヒとボクの間に少なからずもすれ違いが起こったのを知っている人から話をしたいなんて言われるのは……。

 まぁ結局行くことになっちゃったんだけどね。『相手の出方を伺うには絶好の機会だ』という意見の下、未来と賢からゴーサインが出たから。


 という訳で早速ウズヒがその旨を伝えると、何故か今日の7時に会う事に。どうせボクは暇だからいつでもいいんですけどね。


『え〜こちら校長。桜井太陽は至急校長室に来られたし。繰り返す――』


 ウズヒが氷上君との通話を切った瞬間、先日ボクが呼ばれた時と似たような放送が。どれだけ絶妙のタイミングなんですか……。


「ごめん、ちょっと行ってくるね」


 それだけ言い残して、校長室へと続く廊下にウズヒは消えていった。そういえば今日の朝会で校長先生を見た時、ちょっとやつれてたなぁ。色々とお疲れ様です。


「ねぇ、やっぱり本当にボクが行かなきゃいけないの?」


 ウズヒの前では言いたくなかったけれど、正直あまり会いたくない。相手があの氷上君だっていうのも……。


「……当たり前だ。……『俺のウズヒに手を出すな!』ぐらい言ってこい」


 いや、氷上君はウズヒに手を出してないでしょ? しかも若手人気No.1俳優に向かって、ボクなんかがそんな偉そうに言える訳が……。


「そうそう。それくらい言ってこいっての。もう少し相手の事を知っておきたいってのも、お前を行かせる理由の1つだけどな」


 う〜ん……それは言えるなぁ。ウズヒと氷上君が何故知り合いなのか知ってる人? ウズヒの事を昔からよく知っている人だよね? ……あ。


「なら瑞穂さんに電話してみようよ。何か聞けるかもしれないよ?」


「……誰だ?」


 あれ? 賢って瑞穂さんの事を知らなかったっけ?


「お前なぁ。この前話しただろ? 聖の彼女だって。綺羅、聖を呼び出してくれ。『未来わたしが呼んでる』って付け加えてな」


「??」


 未来が最後に付け加えた言葉を不思議に思いながらも、携帯電話の電話帳から聖の名前を探す。ボクの携帯電話に登録してあるアドレスや番号は多くないので、誰の名前を探しても結構早く見つかった。……ここは笑ってね? 理由は忘れたけれど、ウズヒとお互いの電話帳を見せ合った時に驚く程の数が登録されていて、自分の交友関係の狭さを改めて実感したよ。ウズヒの電話帳に載っていた男性が、ボク以外に賢と悠真さんだけだったのは嬉しかったけどね。






 ・

  ・


「ハァ……ハァ……。ま、待たせたな……」


 聖の番号を見つけて通話ボタンを押した後、数コール目で出た彼は当然の如く部活中だったようで。始めに購買に来て欲しいと言った時は『忙しいから無理だ』と言われたけれど、未来の名前を出した途端に声の様子が一変。焦った様子で『今すぐ行く!!』とだけ言い残して通話が切れてしまった。

 理由を未来に聞いてみると、この前瑞穂さんと会った時にすっかり意気投合。その日のうちに《聖が何かを起こす→未来がそれを知る→瑞穂さんに連絡→聖にとって大惨事》という構図が完成したらしい。聖もかわいそうな……。かといって代わってあげられる訳でもないけどね。

 そして、その話を聞いている間に息を切らした聖が到着。この光景、最近見た気がするなぁ。デジャブ?


「やっと来たな。さっそくだけど瑞穂に電話を繋いでくれ」


「少しだけでも休「早く」……はい」


 聖、激しく同情するよ……。だけど、それでも助けに入れないボクを許してね? だって未来から《手を出すな》オーラが溢れ出てるんだもん。経験上、ここで何かをすると自分にも何らかの被害がくる事は分かってる。ボクはこの後予定があるからね。うん、そうそう。


「ほら掛かった……はいよ、綺羅」


 瑞穂さんへと繋がった携帯電話を未来に渡そうとした聖が、未来から顎で指示をされてボクの所へ電話を持ってきた。

 ちょっと賢人さん! 彼女さんが人を顎で使っているのに、何も言わなくていいのですか!? おっと、今はそんな事より電話、電話。


「もしもし瑞穂さん。綺羅です」


『こんにちは綺羅君。急に電話なんて何かあったの?』


「うん、実は聞きたい事があってね。瑞穂さんって、ウズヒと氷上海星君の関係って知ってる?」


 ウズヒと誰か男の人の関係なんて本当は聞きたくないけれど、この際そんな事も言ってられない。時間もないしね。


『あの最低男とウズヒの関係? 中学が一緒だったけど?』


 さっそく驚愕の事実が発覚。彼が有名になりだしたのは高校生になってからだったから、中学は普通に通えてたのかな? っと、それより……


「《最低男》ってどういう事?」


 人気俳優を捕まえて《最低男》というのは……


『あの男、中学の時凄い女たらしだったのよ。二股三股は当たり前にしててね。たぶんそれは今も変わってないと思うけど』


 そこから瑞穂さんの話を聞いていると、彼女はあの日にウズヒと氷上君が偶然出会っていた事は聞いていなかった事が分かった。……ウズヒと直接話した事は、全部ボクの事だけだったそうです。心が痛い……


『あの男と会うの? 気をつけてね。アイツ、ウズヒにフラれて綺羅君を恨んでるから』


またしても衝撃の事実が。氷上君がウズヒに告白していた!?


『こんな言い方はしたくないんだけど、あの娘と付き合ってると男の子にとっては抜群のステータスになるでしょ? アイツはそれが欲しかったんだけどウズヒにフラれたから』


 だからフラれる原因になったボクを恨んでいると。確かにボクの存在も余計だったとは思うけれど、原因はそれだけじゃないと思うなぁ。どれだけイケメンでも二股三股が許される訳でもないし、ウズヒは本当に浮気とか嫌いだし。あ、舞依の件は浮気じゃないよ。もちろん。


『まぁウズヒの中に居る男性は綺羅君だけだから、相手が誰でも返事は同じだったけどね。それでもあの男、プライドが傷つけられたって周りの人にこぼしてたみたいよ? 下らないプライドなのに』


 その後も電話から聞こえてくる瑞穂さんの言葉は全て《氷上君がどれだけ女性に対して裏切るような行為をしていたか》に終始した。

 とりあえず分かった事は、氷上君がウズヒに執着しているって事と瑞穂さんは氷上君が大っ嫌いだということかな。ウズヒと近づく為の一番の近道が瑞穂さんを口説く事だと考えた氷上君があまりに鬱陶しく、本気で引っぱたきそうなった事もあるとか。大変だったね……。






 ・

  ・


 ウズヒが校長室から帰ってきたのは、瑞穂さんとの電話が終わってすぐ。呼び出された理由は、この前学校を休んだ件――というのは建前で、『どうにか霞を止めてくれ!』と校長先生に泣きつかれたらしい。その事に関しては、ボクにも原因の一端があるかな。だって、先生に頼まれた後、母さんに話をしても聞き入れてくれなかったんだもん。

 とまぁそんな話をしながら学校を出て、気がつけばもうすぐで待ち合わせの喫茶店。あのお店は、この前ウズヒと氷上君が一緒に居たのを発見した所だね。『何故あえてそのお店を選んだんですか!?』って言いたいよ。


「……いよいよ大ボスの登場だな」


 一度お店の手前で立ち止まったところで賢が口を開いた。いきなり大ボスですか!? 小ボスや中ボスはいつ出てきたの!?


「大ボスなんて大げさだなぁ〜。海星君はいい人だから大丈夫だよ」


 ウズヒがニッコリ笑ってそんな事を言うけれど、瑞穂さんの話を聞いていたボク達は揃って黙り込むしかない。氷上君はウズヒが自分に対して好印象を持つよう、色々やってきたって瑞穂さんが言っていたから。自分がしつこく言い寄られていた事を言っておけば本性を教えられたとも残念がってもいたけれど。


「じゃあ頑張ってこいよ。私達は帰るから」


「……はい?」


 今未来さんはなんとおっしゃいました?


「今日は久しぶりにウズヒが学校に来ただろ? だから私の家で話をしようってな」


「ごめんね、綺羅君。そういう事なの」


 ウズヒの申し訳なさそうな表情がボクの罪悪感を掻き立ててくるよ!


「もしかして賢も?」


「……ああ」


 やっぱり……。予想通りっていったら予想通りですけどね。薄々そんな気はしてたからさ。


「健闘を祈ってるぜ。明日面白い話を聞けるのを楽しみにしてるからな」


「……頑張れよ」


「本当にごめんね? 家に帰ったら、ちゃんと一緒に居れなかった分の埋め合わせはするから!」


 未来がニヤニヤ笑いながらボクの肩を叩き、それに続いて賢とウズヒが声を掛けてくれたけど……。正直ウズヒの《埋め合わせ》の部分が非常に気になるよ。まぁきちんと確認する前に3人は未来宅に向かって行っちゃったから、《埋め合わせ》が何になるのかはまだ謎なのだけれど。


「はぁ……」


 そろそろお店に入りますか。もう約束の10分前だから、いい時間だしね。
















 約束の喫茶店に入ってみると、明らかに周りの人々とは異なったオーラを発する、サングラスを掛けた男性を発見。


 こ、怖い……


朱実「さて、言い訳を聞かせてもらおうか」


akishi「実は入院する原因となったものが再発しまして……。入院はしなかったのですが、通院で時間がとれませんでした……」


朱実「で?」


akishi「更新が遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。自分で更新日を予告しておきながらの失態、お詫び致します。……出来ればこれからもお付き合い下さい」


朱実「最後に自分の願望を付け足すな!!」


akishi「ご、ごめんなさい! すみませんでした!」


朱実「ったくなぁ。こんな奴ですが、これからも付き合ってやって下さいね? 俺もまだまだ登場したいので」


akishi「……自分だって願望を付け足してるし」


朱実「俺は何も失態なんて起こしてない! お前は次話をさっさと執筆してろ!」


akishi「は、はい! わ、分かりました!」


朱実「ふう、疲れるな。では、また次回お会いしましょう。See you again!」

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