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第9話 〜お決まりの『逃走劇』と『辛子明太子』〜

「では桜井さんに質問がある人は手を挙げて下さい」



ごりせんのつまらない話も終わり、ウズヒへの質問タイムが始まった。

教壇には先程決まった(ごりせんが勝手に決めた)委員長の遊佐君が司会をしている。



「「「「ハイハイハイ!!!!」」」」


うわぁ……。男子陣やじゅうの目が血走ってるよ…。絶対やばいって。



「趣味は何ですか!?」


「好きな食べ物は何!?」


「スリーサイズはいくつ!?」


「お名前を教えて下さい!!」


スリーサイズ聞いた奴は変態か!?

しかも名前聞いてる奴がいる!? さっきおもいっきり名乗ったじゃん!!

あと2つは普通過ぎるし……。


「桜井太陽です。趣味はスポーツをすることかな。好きな食べ物は今、辛子明太子にはまってます。スリーサイズはヒミツよ♪」


律義に名前まで答えなくても…。




帰りはカトートーカドーに辛子明太子を買いに行こ。



「好きな男性のタイプは!?」


「グッとくる男性の仕草は!?」



……正直ちょっと興味あるかも。



「特にタイプはないですね。でも、私が荷物を持っている時に代わりに持ってくれて、手を繋いでくれたりしたらかなりグッときます」


へぇ〜。なんか微妙だけど。


「彼氏はいますか!?」


NGワードがきたねぇ〜。


「彼氏は……いないですね」


え??


「ならば、ぜひオレとお付き合いを!!」


「何言ってんだ!! オレとに決まってるだろう!!」


「テメェこそ何ぬかしてんだ!! ここはオレに決まってる!!」


……。


「おい!! 静かにしろ!! 桜井の話の途中だろうが」


ごりせんの雷。


「「「……はい」」」



「じゃあ続けてくれ」


「はい。え〜っと、彼氏はいませんね。でも許婚がいるのでお付き合いはできません。ゴメンネ♪」


「「「「ノォ〜〜!!!!」」」」


皆の反応を見るかぎり冗談だと思ってるな。

賢と未来はこっちを何か言いたそうに見てるけど。



『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』




「よし、こんな所だな。後は休み時間中にでもやってくれ。委員長」


「起立、礼」










 ・

  ・


時は過ぎてただ今昼休み。ボク達4人は食堂で昼食をとっている。


何故学校初日なのに授業があるの??って思った人がいるよね?

この高校は夏休みが6月の終わりに始まる代わりに、式典とかの後に授業があるのよ。



……話を戻すと、この学校の凄い所の一つである食堂は300人が一度に食事可能なスペースと価格破壊で美味な料理の数々は、それ目当ての入学者がいるくらいだ。

ちなみにボクが食べているうどんは150円。(量はそこらの定食屋と変わらない)


「しかしホントに午前中は凄かったな」


「……そうだな」


これがマジでやばかったんだよ!! 休み時間になるとウズヒ見たさに全校生徒が集まってるんじゃないかってぐらいの人が集まって来たんだ。

賢の言った通り、ボクは今まで此処(青春高校)でどうやって生活してきたんだろう?って思ったね。



「……で、許婚の件だが」


やっぱり聞いちゃう??


「そうだ、忘れてた。私達も綺羅からそんな話を聞いたことはなかったな。どういう事なんだ?」


「実はボクが知ったのもごく最近なんだ」


「私は昔から知ってたよ♪」


「そうなのか。何故急に転校を?」


「綺羅君に私の存在を知ってもらって、更に仲良くなりたいなって思ったからだよ」


「……君の事を知らなかったのはこの学校でこいつだけだったがな」


「賢……ボクが悪かったからもう許して…」


「……すまん」


「まぁいいじゃないか。ウズヒの家は何処なんだ??」


「私の家は隣町にあるよ」


「なら此処からも近いな」


「そうだね。でも今は綺羅君の家に居候させてもらってるから、家には帰ってないよ♪」


「………」


「………」


「??」


「??」



この間は何??



「「「「「何だと!!??」」」」」


賢+未来+その他大勢の声が重なった。


……このままではマズイ!!


「冗談だよ。ね? ウズヒ??」


頼むから空気を読んで!!


「冗談なんて事ないじゃない。私達はひとつ屋根の下に暮らしてるよ♪」



ノォォォォーーーーー!! ウズヒさん、貴女はボクをこの世から締め出したいのですか!?



『ゴ…ゴ……』


「ん??」


『ゴゴゴ………』


マズイ、これは殺気だ!!



「賢、未来。後は任せたから」


「……ああ」


「気をつけてな」


「??」


ボクは殺気から逃げる為に、かのタイソン・〇イ並の足の速さで走りだした。


「「「「待てェェェ!! 天領綺羅ァァァ!!」」」」


待つ訳ないでしょ!!待ったら確実に抹殺されますから!!


「災難だな」


「……ああ」


「??」


「「「「待てェェェ!! お前だけは俺達の側だと思ってたのにィィィ!!」」」」


悪かったね!! でも、それはボクも薄々思ってたんだよ。かといって待ちはしないけどさ。









 ・

  ・


「はぁ〜疲れた…」


あの後午後の授業中ずっと逃走劇を繰り広げていたボクは今、HRの終わった教室にいる。

理由はわからないが、授業は欠課にならずに出席した事になっていた。先生が同情してくれたのかな?



「綺羅君、大丈夫??」


ボクの事を気遣ってくれるのは君だけだよ……。


「心配ないよ。ちょっと疲れただけだから」


「そう? 無理はしないでね??」


「……自業自得だ」


「許婚の存在がわかった時にすぐ私達の所に来なかったお前が悪いんだぜ??」


「だからそれは悪かったって」


色々事情もあったんだよ。ウズヒが離れてくれないとか、ウズヒが離れてくれないとか……etc


「じゃあ今日、私と賢を家に招待したら許してやるよ」


「マジ??」


「マジ」


「……わかったよ。まぁどうせ何もなくてもそうなってただろうし」


「わかってるじゃねぇか」


「長い付き合いだからね」


「……そうだな」


小学校から足掛け10年。本当に長いよ。


「私もいていいの??」


ウズヒが心配そうに聞くけど、


「綺羅の奥方だ。当たり前だろう」


だろうね。……って


「未来!!」


「ふふっ。もしそうでなくても歓迎だけどな」


「ありがとう♪」


どう考えても遊ばれてるよね……。最近、身近な女性の手の上でコロコロ転がされてる気がする。











 ・

  ・


「「ただいま〜」」


我が家に到着。


「お邪魔します」


「……お邪魔する」


「お帰りなさい。あ、未来さん、賢人さん。お久しぶりですね」


「久しぶりだな、亜梨香。元気だったか?」


「はい、お蔭様で♪ ウズヒさんの事、驚いたでしょう??」


「まぁな。いきなりミス謳歌が転入が誰だって驚くぜ。どうしてウズヒがミス謳歌だって事を綺羅に教えなかったんだ?」


「学校でお兄ちゃんがどんな反応をするのか楽しみだったんですよ♪ どうでした??」


「たぶん君の予想通りだぞ」


「やっぱり♪ でもお兄ちゃんとウズヒさんじゃ釣り合わないと思いませんか?」


それは確実。


「思うことは思うが、釣り合う男の方が希少だろ??」


容姿だけで既にボクは落選確実だね。


「そんな事はないと思うけど……。私には綺羅君だけだから、他の誰かを男性としてみたこと無いなぁ。だからわからないわ」


「……お前は凄いことを言われてるな」


「そう? 賢も未来に言われてみたい??」


何となく隣で暇そうにしてる賢へと話題をふる。


「……ああ」


「賢?? 私に何を言って欲しいって?」


未来が無表情で賢に質問する。何か恐い……


「……綺羅、俺達は2階にあがろうか」


「…そうだね」


「ちょ、ちょっと待てよ!!」


ボク達は脱兎のごとく逃げ出した。




「まぁまぁいいじゃないですか。それより今日の夕ご飯はウチで食べていきません?? 3人で作りましょうよ」


「いいわね。そうしよ♪」


「2人が言うならそうするか」


そんな声が1階から聞こえてきた。

ウズヒと亜梨香は大丈夫だとして未来は……不安だ。

昔から料理は得意じゃなかったし、最近は賢の為に練習しているとはいえ……。

まぁあの2人が付いてればどうにかなるよね。





「………賢」


「……何だ?」


「そんな不安そうな顔しても、どうせ食べることになるんだから」


「……すまん」


「別に謝ることないよ。

ただ今はこの平和な時間を大事にしよう」


「………」


「どうしたの?」


「……話が変わるがいいか?」


随分急だね。


「いいよ。何??」


「……本当に一緒に住んでるんだな」


「まぁね」


普通はありえないよね。まぁ許婚って事実もありえないけど。


「……一線は越えた…な?」


「!!??」


「……カマをかけたんだが…。……その反応を見る限りでは図星みたいだな」


「………」


勘が良過ぎるよ。それに恥ずかしいから、そこはノータッチでお願いしたい。


「……別に責めている訳じゃない。……たとえ一緒に過ごした時間が短くてもな」


「なんで短いってわかるの??」


「……昼に言っていたのもあるが、お前が俺達に相談しなかったからな。……だから春休み中に出会ったんじゃないかと思った」


「流石だね」


我が親友ながら流石です。少しはボクにもそんな知能を分けて欲しい。


「……そうでもない。……それより何故なんだ??」


「ん〜ボクも男の子だから♪」


「……真面目に答えろ。お前はそんな軽はずみな行動をする奴じゃない。」


「………。ボクなりの想いの示し方だったんだ。一緒に過ごしたのはたった2週間だったけど、ボクは本気で彼女に惹かれていた。

だから彼女を大事にしていくっていう決意を込めて…ね」


「……そうか。……大事にしろよ」


「彼女がボクに飽きたりしなきゃずっと一緒にいるさ」









 ・

  ・


夕食は意外に普通だった。……ボクはね。

賢は未来の作った野菜炒めを食べて3回はトイレに行っていた。ドンマイ、賢。


夕食をとった後、ボクをさんざんいじって遊んで賢と未来は帰っていった。





「いい友達ね」


「うん。自慢の親友だよ」


ボクのことをイジリ続けなければ今以上にね。


「私達も2人に負けないくらいラブラブになりたいなぁ〜」


「お2人さん。私の前でいちゃつかないでもらえます?」


「「ごめんごめん」」















辛子明太子買うの忘れた……。


どうもakishiです。


また更新が遅れてしまいました。本当にすみません……。

次回は今までとは少し違う内容で投稿しようと思っています。読んでやろうと思って下さる方は出来るだけ急いでUP致しますので少々お待ち下さい♪


PS:PV7000越えました。皆さん本当にありがとうございます!!

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