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力量
人情を貫く一人の侍の物語。
時は江戸、筑前国に居をかまえる者がいた、名を佐藤慶次郎。
彼は、書道、剣術を心得ており、礼節を重んじる善き侍であった。
ある日の晩、八百万の門が開いた。「蔵だ、全て盗み出せ」声の主は、谷山一党、党首谷山彦左衛門である。鎖が外れる音がかすかに聴こえた。
開きましたぜと彦左衛門に伝える、谷山一党雀早の矢治、彦左衛門が扉を開く、
「御用だ」蔵の中には佐藤慶次郎の家臣前田正道、正野圭吾郎の姿が、同心は二十人計二十二名の善人が悪人の前に立ちはだかった。「悪人を切るは罪にはならん、善人を切れば罪になるがな」正道の言葉に続けて圭吾郎が「切り捨て!」火をはくような大声で言った。
昨晩の御用で谷山一党は、滅びたかに思えた。
歴史小説が好きです。是非読んで見て下さいお願いします。