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LUCKY PRESENT  作者: みっち
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第一話 俺×シール×異世界

異世界行くまで少し時間かかります…泣


俺の名は「菊地 幸介」

身なりはどこにでもいる普通の高校生。部活はしていないしバイトもしていない。

現在彼女はなし。

高校生活に慣れてきたが為に平凡すぎて逆に嫌になってきたところ。


「っとそろそろ着替えるか」


現在朝7時。今日は学校があるからいつまでも布団に潜っていられない。

いや、「今日も」だな。


ちなみに今一人暮らし。

父さんと母さんはいっつも仕事で海外にいる。

仕事の内容は「国家機密」とやらで教えてくれない。

二人は年のわりにかなりラブラブ。

とても国家機密と言えるような大事な仕事をしているようには見えないのだが…

姉はいたが既に旅立ってしまった。

あ、死んだとかじゃなくて文字通り「旅立った」ね。

あの人はすごくフリーダムな人だから誰も止めれやしない。

よって消去法で家には俺が取り残される形となった。

まぁ別に料理とか家事には小さいときからやってたから困らないんだけど。


俺は着替えると顔を洗い、朝ごはんの目玉焼きを作るために生卵をフライパンに入れた。

ジューという音が心地よかったりする。

出来た目玉焼きをトースターで焼いておいた食パンに乗せる。


「これが上手いんだよな」


食べるときにサクッと言う音がする。

やはり食パンはこうでないと。


食べ終えると食器を食器洗い乾燥機という便利な文明の力に突っ込んで鞄を手に家を飛び出る。

もちろん鍵閉めは忘れない。


俺はいつも電車通学だから歩きとかチャリのやつらより早く出ないといけない。

まぁなんだかんだで無事到着。



めんどくさい授業を終えるとゲーセンに友達と向かう。

今日は遊びに行く約束をしていた。


帰る頃になると辺りはすっかり暗闇で人工的な照明の光が道を照らし月も雲間から覗いて道を照らそうとしているが照明には勝てないようだ。


俺は電車に乗り込みがらがらに空いている適当な端の席に座ると携帯を開く。

待受画面には「20:34」と出ていた。


「もう8時半か…帰って晩飯は適当な残りでいっか。……って何これ?」


俺はシートに挟まっている四角く白いシールの台紙を見つけたので拾ってみた。裏返すと緑色の1cm四方ぐらいのシールが貼ってあり、白い文字で何かが書いてある。


「ラッキー…プレゼント…??なんだこれ。懸賞のシールか何かか?見たこと無いな…まぁ置いとくか」


俺はシールを元あった場所へと返した。そして再び携帯へ視線を移す。


しかしどうしても気になってしまい、電車から降りるときにやはり持って帰ることにした。


「まぁラッキープレゼントって言うぐらいだし、悪いことは無さそうだろ。帰ってネットで何のシールか探してみるか。」


家に帰りご飯やらお風呂やら寝る準備を済ましたあとネットで検索した。

しかし、シールのことについては何一つ無い。


「うーん…懸賞とかじゃなさそうだな。じゃあ只のシールか」


そう思ってネットを閉じようとしたとき一つのサイトを見つけた。


(……ん?全世界における失踪事件?なんでこんなのが出てくるんだ?開いてみるか)


俺はそのサイトを開いてみた。そこには全世界の人の失踪事件についてまとめられていた。


「なになに…男女関係なく突如世界中の人々が消えた…!?行方不明者は百人前後。被害者は未だ見つかっていない、と。よくある事件のレポートみたいなもんか。」


俺は少し興味がわいてシールそっちのけで画面に見入っていた。


「ふーん…家から出た途端いなくなったのか。どういうことだ?…不思議現象ってやつか?………って、なんだこれ!!」


俺はある一文を見て驚いた。


「『家から出たあと消えた被害者はみな部屋に同様のシールが貼ってあった』…だと!?しかも俺のとは色が違うが字体やサイズが一緒、そしてラッキープレゼントって書いてある……」


俺はその手元にあるシールをまじまじと見た。

色以外は全て写真と同じだった。

しかしみなシールは十枚貼ってある。


「まさかこのシールがその失踪事件に関係してるってことか??まぁどちらにしろこれは事件のものと色が違うから事件を知った誰かが作った偽物だろ。」


続けてサイトを見ていると「闇オークションで一枚一千万以上の値がついている」と書いてあった。


「すげー…一体こんな小さなシールにどんな価値があるって言うんだよ…そうだ!『あいつ』に電話して聞いてみるか」


俺は始めに言ったように身なりは普通だが少し裏の世界にも通じていたりする。『あいつ』はそんな裏の世界に詳しい俺の友人の一人である。


『…もしもし。幸介か?どーした?俺に電話なんて珍しいな』


「ああ…ちょっと聞きたいことがあってな…」


『俺に聞くってことは《こっち》のことなんだな?』


「ああ…実際は半信半疑なんだが…」


『もったいぶらずに言えよ』


「……『ラッキープレゼント』って知っているか?」


『……幸介。どこでその事を知ったかは聞かないが止めといた方がいい。そいつは危ない。

《ラッキープレゼント》…別名《幸運を引き起こすシール》とも呼ばれていてな、一見良いもののように聞こえるがそいつを十枚手に入れて自分の部屋に貼るとどこかへ消えてしまう。どこへ消えたかは誰も知らない。一説では別の次元へ移動するとも言われてる。

一部のマニアには人気があるが、そんなものには手を出さない方がいい。とにかく謎が多すぎる。』


「へぇー…お前でも知らないものがあるんだな。大丈夫。一枚しか持ってないし。」


『……ッ!?お前それを持っているのか??』


「いや、そうは言っても偽物だよ。色が違う」


『そうか…まぁとにかく気をつけた方がいい、平和な生活が送りたいならな』


「お前俺が退屈してるの知ってるだろ」


『まぁ…な。ちなみにプレゼントが贈り物だけじゃなく引き起こすという意味もある』


「それぐらい知っとるわ!高2なめんな!」


『おう。じゃあきる……』


プツッと電話が切れた音がして俺も携帯を閉じた。

そしてベッドにダイブ。


「偽物とは言え気になるな…机に貼ってみるか」


俺は自分がいつも勉強する机にラッキープレゼントと書かれたシールを台紙から剥がし貼った。


「もう眠いな…お休み」


俺は電気を消し、そのまま眠りについた。


しかしわずかにシールが光ったことに眠った俺は気付かなかった…




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