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LUCKY PRESENT  作者: みっち
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第十四話 裏街×始動×朴念仁


――――side Sara


ブレイカー達の試合と、師匠達があっけなく勝利したのをしっかり見届けると自分も急に体が動きたくなり控え室を出て会場を後にした。

レイナは師匠達のとこにいるだろうから一人で。


少し型でも見直そうかと思っていたところに見知った銀髪の男を発見した。


「久しぶりね、ドラゴン。あんた一人なの?」


「ん?おっ、久しぶりだな、サラ。相変わらず変なもんかぶってんのな。それにしても昼間っからナンパか?」


「なっ…!誰があんたなんかをナンパするか!変態に負けたくせによくのこのこと街を歩けるわね」


ドラゴンは確かに。と微笑を浮かべる。


「変態みたいな格好だが実力は確かだぜ?」


「ふんっ!あんたほどの実力者がカウンターを見破れないなんてね」


「カウンター?あれはどう見ても……いや、そうだな。サラも戦ってみると分かるぜ」


「何が言いたいのよ?それにあいつらの動きをカウンター以外に説明出来るっていうの?」


「それは試合すれば分かることだ。俺はヒントを言うつもりはない。一つだけ言えるのはそいつらはお前らの知り合いだぜ。じゃあな、せいぜいがんばれよ」


サラを背に手を1、2度振りながら帰ってしまった。

サラは「知り合い…?」としばらく俯き考えたけど分からなかったので顔を上げて叫んだ。


「一体誰なのよー!!」


叫び声は広場中に響き渡ったという。


――――side change ???????


ルクスムには二つの顔がある。

片方は少し荒れた通りだが行商人や武器や防具、道具等を求める人達の話が飛び交い賑わう町。

たまに今日のように武道大会も開催され比較的明るい雰囲気。


そしてもう片方、その存在はルクスムに住んでる人でさえほとんど知らない、知っていても名前だけという暗闇の町。


裏通り三番街


通称「裏街」と呼ばれたその区域はルクスムの中に有りながら隔離された雰囲気を持ち合わせている。

裏通りというのは人通りが少ないという意味ではない。

その名のとおり「裏」にあるのだ。

地上の裏、つまり地下に。

三番街というのはルクスムの表の三番街に入り口があるから。

とはいっても完璧に入り方を知っているものでしか入る事の出来ない仕組みになっている。


裏街は地下にあると言えども半永久的に魔力を出す魔法石によって常に明るく照らされている。

魔法石は直径30cmの塊一つで一市民が生涯得るお金を足しても手に入れることが出来ない高級品だ。

それが辺りを照らすためだけにかなりの数使われている。

実はこのルクスムの地下は魔法石の宝庫であり、そこに街を作ったのだから魔法石に困ることはないのだ。


その裏街の中でも一際目立つ高さの建物の最上階に全身黒ずくめの男と、全身白ずくめの女がいた。


男は椅子に座って外を眺めており、女は机越しに後ろを向いている男に話かけた。


「マスター、よろしかったのですか?確か今回の商品はレアモノという情報でしたが」


マスターと呼ばれた男は振り向かずそのまま口を開く。


「ああ、上の大会ね。『古代の剣』だったっけ?あれなら三枚は持ってる。それよりクゥ、もっと面白いものを見つけたんだよ」


椅子を回転させ、キラキラした目でクゥと呼んだ女を見つめる。

その顔はどちらかと言えば少年に見える。

女は心なしか顔を赤くし恥ずかしがっているように見えた。


「何度言ったら分かるんですか、マスター!?私の名はクーベルヘンです!変な名で呼ばないで下さい!……こほんっ、それで面白い物とは?」


クーベルヘンは取り乱したことに途中で気づき咳ばらいを一つして話を戻した。


「さっきサーチしたんだけど、地上にね、『真実のルビー』を手に入れた奴がいるんだよ」


「へぇ、あのSSSをですか?ということはマスター。それをもらいに地上に出るわけですね」


男は首を縦に振る。


「そうだね。久しぶりの地上だし。他の奴らにもばれてるだろうから早くもらわないと」


「ですがマスター、誰が所持しているのかはお分かりなんですか?」


「うーん、まぁサーチじゃあそこまで分からないからね。気長に探そう」


「ですがさきほど早くもらうと…」


それを聞いた男はすこし顔を膨らまし、しかめっつらで言った。


「クゥはさっきからですがですがってうるさいよっ!」


「ですからマスター!先程からクゥと呼ばないと何回も言ってるでしょ!!」


「何回も言ってないよっ!!今日二回目だし」


「今日二回目ってあなた毎日言わせてるでしょうがっ!」


「そんな略しやすい名前なのがいけないんだよっ!!」


「そればかりは仕方ないでしょうっ!!」


こんなやり取りが後30分は続くのだった…


――――side end


そろそろサラとレイナちゃんの試合が始まる頃だ。

しっかり応援してるぞアピールをしなきゃまたどやされちまう。


てなわけでノーマルタイプになった俺は今一般客と同様にミディアと一緒に応援席にいる。

そしてそのミディアがいる隣を見ると


「なぁ、ミディア。お前いつの間にそんなもん買ったんだよ?」


隣のミディアはいつの間にか焼きそばやらタコ焼きやら祭によくある屋台の食べ物を大量に買って食い漁っていた。


「んっ…それはっ…ぷはぁ…ちょっと前に、です…もぐもぐ…コースケ様も…むしゃむしゃ…入ります?…ごくんっ…うっ!…みっ、水!水!!」


苦しそうに水を求めていたので渡してやる。

というかミディア…口の中無くして喋ろよ…


「ごきゅごきゅ…ぷはぁ!生き返った!!コースケ様!祭って素晴らしいですね!こんなに珍しい食べ物がいっぱいです!!」


そっか焼きそばみたいな庶民的な食べ物はミディアには縁が無かったのか。


「元居た世界にもないの?」


「はい。そもそも麺という概念がありませんでした。パンが主食なので」


ふーん。パンがあったなら麺類もありそうな気がするんだけど。


「じゃあさ、なんでラーメンは知ってたの?」


「それはただ単にラーメン屋という飲食店を発見してそれがどんな食べ物なのか知りたかったからです。ラーメンも美味しかったなぁ。」


「ちょっ、ミディア。よだれよだれ」


あれだけ食ったのにラーメン思い出して涎出してるよ。

この小さな体どこにブラックホールとも言える巨大な胃袋が備わっているというんだろう…

でもまぁこのままだとだらしが無いので拭こうと思ったけど拭くものが無いので仕方なしに俺の手で拭ってやった。


「あんっ、コースケ様…こんな…公衆の面前で…エッチです…」


顔を赤らめそれを隠そうと手で覆ってモジモジしているミディア。

しかしちゃんと見えるように目のところだけちらちらと指が開いたり閉じたりしていた。


涎に気づかないミディアが恥ずかしいと思ってやってあげたのに何故か俺の方が恥ずかしくなってくる。

俺も赤面してるとミディアがさらに追い討ちをかけてきた。


「コースケ様も男ですもんね。続きは宿でしましょうね」


「誰がするか、誰が。お前もそんなに男にだらし無いと尻軽女だと思われてもしょうがないよ?」


「……コースケ様だけだもんっ」


ミディアがぼそっと呟いたのは幸介の耳には届かなかった。


「おっ、ミディアちゃんおっす!ついでにコースケも」


気に障る呼び方をされたが振り向くとそこにはドラゴンと呼ばれる銀髪のダリスがいた。


「おっすです」


「なんだダリスか」


「何だとは何だコースケ。だいたいお前らなんでこんなところから見てんの?控え室の方がよっぽど環境いいのに」


「何故か俺が応援してないとサラのやつが怒るんだよ。まったく、わけわかんねぇやつだよな」


それを聞いたダリスは呆れ顔をして


「いやそれはだなコースケ、サラは、むぐ…むぐぐ…はぁ。ミディアちゃん何するの?」


何故か突然ミディアが手で口を塞いだのだ。


「(ダリスさん?私の恋敵を増やしてどうするつもりなんですか?死にたいんですか?死にます?命を軽々しく捨てていいんですか?どうなんですか?ファイナルアンサーですか?頭のいいあなたならどちらが正しいか分かりますよね?)」


「ミ、ミディアちゃん…わ、分かった、分かったから。こ、恐すぎる…」


何の話か分からないコースケはダリスもわかんねぇやつだなぁと思った。


するとどこからともなくピンポンパンポーンという音がした後、アナウンスが聞こえてきた。


「ご来場の皆様、お待たせ致しました。ただ今より一回戦第七試合を開始致します」


さてさてきっちりと怒られないように仕事(応援)をしますか。



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