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 凪がぶっ倒れた。


 俺は一瞬途方に暮れたが、職場のみんなが『店長は帰っても大丈夫ですよ!!』って言うもんだから、凪を前に置いてバイクで家まで帰った。


 完全に違法だ。バイクでこんなにハラハラしたのは髪が赤いとき以来かも知れない。


 家に帰って、凪をベッドに寝かせて、ケンカの傷にバンソーコー貼って、それで、風呂に入ろうと腰を上げた。



「―いちちちちち…、俺もトシかな…」


 まだ20代前半なんだけどな…。いや、ギリで。


 ああ、そうか。恋孤にごはんあげなきゃ。


「ハムフードハムフード…」


 陶器の皿にハムスターフードをカラカラと入れる。と、釣られて恋孤が巣から出てきた。


 もこもこしたボディ。のんびり緩慢な動き。中身が無さそうなアタマ。…かわい過ぎる。結婚してくれ。



 ―ご飯の時間にゃあちょっと早過ぎたが…ハムスターだから貯蓄するだろ。ほら案の定。

 ……こらこら、もう入らないだろどう見ても。


 ―やっぱ俺の彼女だぁ。かんわいーもん。


 …いや、恋孤オスなんだけど。



「………さみしーヤツだよな俺って…」


 せかせかと巣箱に戻る恋孤を眺めながら、一人呟いた。


 凪、大丈夫だよな…。


 俺はエアコンのスイッチを入れ、風呂に向かおうと立ち上がっ―……!?


「…ぅ…く―!!」



 ―ヤバい。立ち眩み。


 何かに捕まらないとこのまま倒れる。…が、手近に背の高いモノが無い。


 痺れとか眩暈とかがピークになった瞬間、体が傾いて、倒れた。


 床に突っ込み、しかし目の前が白く染まる感覚は軽減どころか悪化し、


 真横になった景色は消えた。



 気絶したのだと理解した。





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