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【梱包】スキルが万能すぎて、異世界で困ることは何もありません。〜時間の止まった箱から取り出す伝説の剣と、ほかほか炊き立ての白飯〜  作者: マランパチ
第二幕:機械人形アークの物語

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第45話:司令部の死闘、三つの絶望

第45話をお読みいただき、ありがとうございます。

要塞ラジエルの司令部。かつてない連携でメイたちを追い詰める三体の論理獣――モラクス、ヴァサーゴ、レラジェ。

スカイ・コーラルで、アイアン・ルーツで、強くなったメイ達の新たなる戦いが幕を開けます。

 要塞ラジエル最上階、司令部ドーム。

 静寂を切り裂いたのは、石材の床を力任せに踏み抜く、重厚な金属音だった。

 「……モラクス、ヴァサーゴ、レラジェ。……かつてお前たちを苦しめた『試作型』とは違う。これらは、私の意志と直結し、一切の無駄を削ぎ落とした完成形だ。」

 司令官が座す高座の前、三つの影がゆっくりと、だが確実にメイたちを包囲するように展開する。

 正面には、巨大な雄牛の頭部を持つ重装甲の論理獣「モラクス」。その全身は厚い鉛色の防磁装甲で覆われ、手にした巨大な破砕槌メイスからは、周囲の空気を歪ませるほどの重圧が漏れ出している。

 左上方、ドームの梁に逆さまに張り付いているのは、双頭の豹の姿をした「ヴァサーゴ」。背中には猛禽類の翼を持ち、その爪は分子レベルで物質を切り裂く高周波を帯びている。

 そして右後方、影の中に溶け込むように立つのは、魔性の狙撃手「レラジェ」。手にした巨大な磁場弓には、光そのものを曲げる追尾機能を持つ漆黒の矢が番えられていた。

 「……一人で戦うよりも、ずっと厄介ね。」

 メイは冷や汗を拭いながら、司令部中央のメインコンソールへと目を向けた。あそこの端子に直接アクセスし、要塞の動力源である「ラジエル・コア」を緊急停止させない限り、この要塞の全方位砲火は止まらない。

 「アスタロト、アーク! 私がコンソールに辿り着くまで、時間を稼いで!」

 「……承知した。メイ、後ろは振り返るな。」

 アスタロトが剣を正眼に構える。その視線は、梁の上で不気味に喉を鳴らすヴァサーゴを捉えていた。

 『……メイ、行け。……私のフレームが、……崩壊するその時まで、……貴方を標的にはさせん。』

 アークの先史ボイラーが、戦闘モードへの移行と共に「蒼い脈動」を強める。右腕のガトリング・ピストンが低く唸りを上げ、モラクスの威圧感を真正面から受け止めた。

 「――作戦、開始!」

 メイの叫びを合図に、三対三の死闘が爆発した。

 先手を打ったのはレラジェだった。

 「キィィィィィィン!!」という高周波と共に、三本の磁場矢が同時に放たれる。その軌道は空中で不自然に折れ曲がり、メイの心臓へと収束する。

 『……させるか!』

 アークが瞬時に割って入った。彼は避けるのではない。右腕のガトリング・ピストンを地面に向けて一撃。その爆風と衝撃波で、追尾性能を持つ矢の磁場軸を強引に狂わせ、床へと叩き落とした。

 その隙を逃さず、重戦車のようなモラクスが突進してくる。

 「ガアアアアアァァッ!!!」

 巨大なメイスが振り下ろされ、アークの左肩の装甲を粉砕する。衝撃でアークの巨体が数メートル後退し、床の石材が派手に弾け飛んだ。

 「アーク! ……しまっ、!?」

 メイがコンソールへ走ろうとした瞬間、頭上からヴァサーゴが音もなく落下してきた。高周波の爪が、メイの首筋を刈り取ろうと迫る。

 「……させるものか!」

 横から割り込んだのは、アスタロトの剣だった。

 「ギィィィィィィン!!!」

 超振動剣と高周波の爪が激突し、火花がドーム内に霧のように舞う。アスタロトはヴァサーゴの双頭の一方を蹴り上げ、強引にその軌道を変えさせた。

 「メイ、今よ! 走って!!」

 アスタロトの叫びに、メイは再び駆け出した。背後ではヴァサーゴが空中で体勢を立て直し、再びアスタロトへと襲いかかる。

 アスタロトの戦いは、正に「静」と「動」の極致だった。

 ヴァサーゴの動きは速い。物理的な速度だけでなく、空中に残像を残しながら移動する。だが、アスタロトはネジマキ族が施した剣の「音」を頼りに、その本体を特定していた。

 「……そこだ。」

 アスタロトの剣が一閃。ヴァサーゴの左翼の根元を正確に切り裂く。だが、ヴァサーゴもさるもの、右側の首がアスタロトの脇腹を狙って噛み付こうとする。アスタロトはそれを剣の柄で受け流し、至近距離での格闘戦へと持ち込んだ。

 一方、アークは泥沼の肉弾戦に陥っていた。

 モラクスのパワーは、アークの出力を僅かに上回っている。メイスが振り下ろされるたびに、アークの黄金のフレームに亀裂が入り、火花が散る。

 『……っ、……なんという、質量だ。……論理の塊のくせに、……物理の道理を、理解しているのか。』

 モラクスは知性を持たない獣のように見えて、その一撃一撃は、アークの関節の「遊び」や「接続部」を正確に狙っていた。シンジゲートの司令官が直接リンクしているという言葉は嘘ではない。

 アークは右腕のガトリング・ピストンをモラクスの胸部へ突き立て、零距離射撃を試みる。

 ドォォォォォォォン!!!!!

 凄まじい衝撃。だが、モラクスはその衝撃を重厚な装甲で真っ向から受け止め、逆にアークの右腕を太い腕で掴み取った。

 ミシミシ……と、アークの真鍮のシリンダーが歪んでいく。

 『……メイ、……急げ。……このままでは、……私の腕が、持っていかれる。』

 メイはついに、司令部中央のコンソールに辿り着いた。

 ハッチを乱暴に開け、内部の光ファイバーを自身の端末と接続する。

 「……見つけたわ。要塞の防衛ロジック層。……でも、何これ。……レラジェの追尾システムが、このコンソールの演算能力と直結してる……!」

 ドームの隅で、レラジェが再び弓を大きく引き絞った。

 今度は一本ではない。十数本の矢が、アスタロトとアーク、そしてコンソールに張り付くメイを同時に貫こうとしている。

 「メイ、伏せて!!」

 アスタロトの声が響くが、メイは手を離さない。

 「……ダメよ、ここで手を離したら、全部最初からやり直しになっちゃう! ……アーク、お願い!」

 アークはモラクスに腕を掴まれながらも、残った左腕をメイの方へと伸ばした。

 『……外部出力、……シールド・プロトコルへ全転換。』

 アークの背中から蒼いプラズマが噴き出し、メイを包み込む「壁」となる。

 

 その瞬間、レラジェの放った矢が、一斉にアークへと降り注いだ。


 無数の磁場矢がアークの背中に突き刺さり、蒼い火花を散らした。

 『……ぐっ……、フレームへの、……干渉を確認。……だが、……貫かせては……いない!』

 アークは、メイを包み込む「肉体の盾」となりながら、奥歯を噛み締めるような重苦しい駆動音を響かせた。背中に突き刺さった矢は、レラジェが放った追尾式の重力杭だ。それがアークの回路を焼き、出力を奪おうとする。

 「アーク、そのまま耐えて! 今、セキュリティ層の第二階梯をこじ開けるわ!」

 メイの指先が、コンソール上で踊るように動く。

 彼女が戦っているのは、要塞ラジエルの電子の迷宮だ。この要塞の「眼」であるセンサー群、そして論理獣たちに指令を送る「神経網」を遮断しなければ、この数劣勢を覆すことはできない。

 一方、ドームの空中では、アスタロトとヴァサーゴの超高速戦闘が激化していた。

 ヴァサーゴの動きは、もはや生物の域を超えている。翼の羽ばたきと共に、高周波の刃と化した衝撃波を全方位に撒き散らし、アスタロトの逃げ場を削っていく。アスタロトの頬には、わずかに裂けた傷から血が滲んでいた。

 「……速いな。論理で物理法則を加速させているというわけか。」

 アスタロトは、あえて剣を中段に構えたまま、その場を動くのをやめた。

 彼女の脳裏に、かつて修行時代に受けた教えが蘇る。「眼で見える速さに惑わされるな。真実の速さは、空気を震わせる音の裏側に潜んでいる」。

 アスタロトは、ゆっくりと目を閉じた。

 「キチチチッ……!!」

 ヴァサーゴが、勝利を確信したようにアスタロトの死角、真後ろから急降下してくる。分子レベルで物質を断つ爪が、彼女のうなじを捉えようとしたその瞬間。

 アスタロトの剣が、ネジマキ族の超振動を伴って「音」を奏でた。

 「――聴こえたぞ。」

 アスタロトは振り返ることなく、自身の背中を預けるように剣を後方へと突き出した。

 

 ズバァァァァァァン!!!!!

 

 視界を介さず、音と気配だけで放たれた一撃。それは、ヴァサーゴの双頭の一方を、顎の下から脳天まで鮮やかに貫いていた。

 「ギャアアアアアッ!?」

 絶叫を上げるヴァサーゴ。だが、アスタロトは止まらない。貫いた刃を引き抜くと同時に、その勢いを利用して独楽のように回転し、もう一方の首、そして翼の根元を深い一閃で切り裂いた。

 「地に伏せろ、空飛ぶ獣。……空のことわりは、お前たちだけのものではない。」

 両翼を失ったヴァサーゴは、無残に石材の床へと叩きつけられ、その機能を停止させた。

 だが、その勝利を喜ぶ余裕はない。

 正面では、アークがモラクスの圧倒的な質量に押し潰されようとしていた。

 モラクスが振るう巨大な破砕槌が、アークの左腕のフレームを無残にへし折る。

 「ガガガッ……ギギィィッ!」

 『……左腕、……機能喪失。……だが、……まだ、……右腕が……残っている。』

 アークは、折れ曲がった左腕で、あえてモラクスの胸部装甲にしがみついた。

 「ガアアアァァッ!」

 モラクスがアークを引き剥がそうと、至近距離からメイスを叩き込む。アークの全身から黄金の装甲が剥がれ落ち、内部の精密機器が火花を散らす。

 しかし、アークは離さなかった。

 彼は、自らの「死」を対価に、最大の好機を作り出そうとしていた。

 「アスタロト! アーク! 今よ!」

 メイの声が司令部に響き渡った。

 彼女がコンソールの最終キーを叩き込む。

 「――消火用ハロンガス、全放出!!」

 プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!

 

 司令部ドームの至る所から、白い霧状のガスが猛烈な勢いで噴き出した。

 本来は火災時に酸素を遮断するためのものだが、これほどの量が一度に放出されれば、視界は瞬時にゼロになる。

 遠距離からの狙撃に特化していたレラジェにとって、これは致命的な一撃だった。

 光学センサーも、赤外線も、この特殊な消火ガスの粒子によって乱反射し、アークたちの位置を捉えられなくなる。

 「キィ……!? キィィィィッ!!」

 困惑したレラジェが、闇雲に矢を放つ。だが、それはもはやメイたちを捉えることはなかった。

 『……メイ、感謝する。……視界は不要だ。……私は、……こいつの心臓を、……掴んでいる。』

 

 霧の中で、アークの右腕が白銀色に輝き始めた。

 先史コアからの供給を限界まで高めた、究極のオーバーロード。

 シリンダーが焼き切れる寸前の高熱を発し、真鍮のパーツが赤熱していく。

 

 『……論理など、……この重みの前では……無意味だ!』

 

 アークは右腕のガトリング・ピストンを、モラクスの眉間へと直接突き立てた。

 

 『……零距離、……全気筒、……最大出力解放!!!!!』

 ズドドォォォォォォォォォォォォン!!!!!

 ドーム全体を揺るがす、凄まじい爆発音が轟いた。

 ガスの霧が衝撃波で一瞬にして吹き飛ばされる。

 そこには、眉間を粉々に貫かれ、後方の壁まで吹き飛ばされたモラクスの残骸と。

 右腕を真っ赤に熱し、火花を散らしながら立ち尽くす、アークの姿があった。

 「……あとは、あいつだけね。」

 メイがコンソールから離れ、ドームの隅で立ち尽くすレラジェを見据えた。

 

 三対三の激闘。

 残るは、誇り高き狙撃手と、シンジゲートの司令官のみ。

 だが、メイたちの消耗もまた、限界に達しようとしていた。


 消火ガスの白い煙が、アークの放った零距離射撃の衝撃波によって、ゆっくりと渦を巻きながら散っていく。

 床には、眉間を貫かれ物言わぬ鉄塊と化したモラクスと、翼を斬り落とされ沈黙したヴァサーゴの残骸が転がっていた。

 だが、まだ終わっていない。

 ドームの最奥、影が最も濃い場所に、その論理獣は平然と立っていた。

 魔性の狙撃手、レラジェ。

 仲間二体が瞬時に破壊されたという事実を、その論理回路はどう処理したのか。レラジェの単眼のセンサーは、恐怖も焦りも見せず、ただ冷徹に次の「最適解」を導き出していた。

 「……くっ、まだやる気ね。アスタロト、アーク! 注意して、あいつの弓、さっきより出力が上がってる!」

 メイがコンソールのモニターを注視しながら叫ぶ。

 ハッキングによって要塞の防衛システムを一部無力化したが、レラジェは残存する要塞のエネルギーを、自身の磁場弓へ直接バイパスさせていた。

 「キィィィィィィィン!!!」

 

 耳を突き刺すような高周波音が、ドーム内に反響する。

 レラジェが構えた巨大な弓には、もはや実体の矢は番えられていなかった。そこにあるのは、周囲の光を吸い込み、空間そのものを歪ませるほどに圧縮された「黒い重力光」の奔流だった。

 「……あれは、まずいな。」

 アスタロトが、折れてはいないものの、激戦で熱を帯びた愛剣を構え直す。

 「一撃でも掠れば、肉体ごと次元の狭間に押し潰されるぞ。」

 『……メイ、……下がれ。……あれの照準は、……私たちが動けば……貴方に定まる。』

 アークが、左腕を失い、右腕も赤熱して火花を散らすボロボロの体で、メイの前に立ちはだかった。

 アークの先史ボイラーは、今や限界を超えた廃熱で機体を激しく震わせている。だが、その瞳――メインモニターは、決して光を失っていなかった。

 「……待って。レラジェの狙撃計算には、一定の『癖』があるわ。」

 メイが、コンソールの奥深くに眠る論理獣の基本アルゴリズムを指差した。

 「あいつは『最も回避率の低い瞬間』を待って撃つ。つまり、私たちが攻撃に転じるその瞬間に、カウンターで放つ設計なのよ。……だったら、それを逆手に取るしかないわ。」

 「……囮になれ、と言うのだな? メイ。」

 アスタロトが、不敵な笑みを浮かべた。

 「騎士として、これほど不名誉で、これほど信頼を感じる作戦もない。」

 『……了解。……物理的限界まで、……加速する。』

 作戦は一瞬だった。

 アスタロトとアークが、左右に分かれて同時にレラジェへと突進を開始した。

 

 レラジェの単眼が、高速で移動する二つの標的を追う。

 計算――回避不能点は、アスタロトが踏み込み、アークが拳を振り上げる「0.5秒後」。

 レラジェの指が、重力光の弦を離そうとしたその瞬間。

 「――今よ、アーク!」

 メイがコンソールの特定のコマンドを強制実行した。

 司令部ドームの床。レラジェが立っている位置の「電磁吸着パネル」が、一瞬だけ逆極性に反転する。

 「……ッ!?」

 論理獣の計算になかった「足場の反動」。

 ほんの数ミリ、レラジェの狙撃姿勢が浮き上がり、照準が空を斬った。

 ドォォォォォォォォォン!!!!!

 放たれた重力矢は、アスタロトの頭上を通り抜け、要塞の天井を巨大な円形に削り取って彼方の空へと消えていった。

 最大の勝機。

 

 「終わりだ、論理の化身!」

 アスタロトが、超振動剣をレラジェの胸部――コアの集中する中枢へと突き立てる。

 「ギィィィィン!」と、硬質な装甲が砕け散る音が響く。

 

 さらに、反対側からアークの右腕が迫る。

 『……これが、……重みの……結論だ。』

 アークはガトリング・ピストンを動作させず、ただその巨大な拳を「鉄槌」として、レガジェの頭部へと振り下ろした。

 グシャァァァァァァッ!!!!!

 磁場弓と共に、レラジェの華奢な金属の体躯が、石材の床にめり込む。

 内部回路がショートし、全身から青白い火花が噴き出す。レラジェの単眼の光が、数回の点滅の後に、静かに消えた。

 三体の論理獣、全滅。

 司令部には、再び重苦しい静寂が戻った。

 アークの機体からは、耐えきれなくなった冷却水が蒸気となって噴き出し、アスタロトは肩で息をしながら剣を引き抜いた。

 メイはコンソールの前で、自身の震える手を見つめ、ようやく深く息を吐いた。

 「……やった……。やったわ、二人とも……。」

 だが。

 静寂を破ったのは、乾いた拍手の音だった。

 パチ、パチ、パチ、パチ……。

 「……実に見事だ。論理を物理でねじ伏せ、最後には計算外のノイズでことわりを乱す。……漂流者の子供とその仲間、というには、少々出来が良すぎるな。」

 ドームの最奥。

 これまで一度も席を立たなかった司令官が、ゆっくりと、その重厚な椅子から立ち上がった。

 彼の背後にあるマントが揺れ、その下から覗く黒い軍服には、数多の勲章が鈍く光っている。

 男が腰に佩いた細身の長剣の柄に、手がかかった。

 「……だが、論理獣は所詮、私の『手足』に過ぎん。」

 司令官の一歩が、床を鳴らす。

 その瞬間、ドーム内の空気の密度が、物理的に変化したかのような威圧感がメイたちを襲った。

 「ここから先は、私自らが『シンジゲートの法』を執行させてもらおう。」

 男の瞳が、冷徹な紫色の光を放つ。

 それは、これまで戦ってきたどの機械生命体よりも、冷たく、そして鋭い「殺意」だった。

 「……アスタロト、アーク。……下がっていて。」

 メイが、コンソールの操作パネルを閉じ、前へと踏み出した。

 「この要塞の主が誰かなんて関係ない。……私たちは、絶対に向こう側へ行くんだから!」

 司令官が、静かに剣を抜き放つ。

 その刃が、司令部の冷光を反射し、メイたちの未来を切り裂くように閃いた。

第45話、いかがでしたでしょうか。

個性の異なる三体の強敵との同時戦闘。それぞれの役割を活かし、ギリギリの勝利を掴み取った三人。

特に、メイが消火ガスや足場のギミックを駆使して戦場をコントロールする姿は、彼女の成長を象徴するシーンとなりました。

しかし、勝利の余韻に浸る間もなく、要塞の真の主である司令官が動き出します。

機械ではなく、意志を持つ人間が振るう剣。その一撃は、これまでの論理獣たちの攻撃とは全く次元の違うものになるでしょう。

次回、第46話「要塞崩壊、最後の一撃」。

司令官との最終決戦。そして、激闘の余波で崩れ始める空中要塞ラジエルからの脱出。

三人の旅は、最大の山場を迎えます。

次回の更新も、どうぞご期待ください!

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