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ー4章ー 11話 「魔王種の遺したもの」

オルセアの話通り、確かに魔王種から石が転がり落ちた。


石はガルドの掌の上で微かに魔力を帯びている。


僕はすっかり慣れてしまったが、この一見すると何の変哲もないその辺に落ちている石にしか見えない物体が武器へと変化する様は、何とも不可思議なものだ。


死して尚魔王を倒すと言う執念は、一体何のためなのか……僕には分からない。

理由を聞けたとしても理解できないかもしれないだろう。


だけど、この石が僕らの切り札となり得る事は間違いない。


それにしてもこの森の魔物は弱いと、以前リゼルさんは言っていた。

それにも関わらず、ロックゴーレムなんて強い魔物……魔王種が居たのは何故なんだ?


原因が何かあるのだろうが、今は考えても仕方がない。

まずは魔王種の落とした石がガルドに反応するかどうかだ。


「ガルド、その石を握ってみて」


そう告げるとガルドは幼い頃、特性を調べた時と同様に石を握った。


するとガルドの掌から突然強い光が漏れ出し、光が何かを形成していくのが見て取れた。


それはみるみる大きくなり、次第にその姿がハッキリとしていった。


徐々に収束していく光と共に現れたのは、憎悪を剥き出しにした大きな悪魔の顔が立体的にあしらわれた禍々しい大盾だった。


オルセアの話からして、ガルドの特性に石が反応したら盾になるのは分かっていたが……僕の想像の斜め上をいくデザインに言葉を失った。


しかもこの手の装備というのは、現代でゲームをしていた経験から言うと、呪われた装備の可能性が高い。


だが、この盾を生み出したのは紛れもないガルド自身だ。


大盾が出現して少し驚きながらも嬉しそうにしているが……本当に大丈夫なのか?


「ガルド……体調とか、おかしな感じはない?」


余りに心配になるデザインに思わず聞いてみたが、「うん、大丈夫だよ。むしろ力が湧いてくるみたいだ!」


……本人がそう言っているのだから、大丈夫なのだろう。


そんな掛け合いをしていると、ローデンさんが近寄ってきて、僕ら二人を力強く抱きしめた。


「少し危なっかしかったが……よくやったな!」


その言葉は師匠であり、親のような何とも言えない暖かさがあった。


魔王種という明らかに普通ではない魔物を僅か10歳の子供二人で倒せたのは、間違いなくオルセアやローデンさん達、勇者パーティがいてくれたからに他ならない。


この先もきっと魔王種は現れるだろう。


その為にも、僕は一日も早く無影を習得しようと心に誓った。

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