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ー4章ー 3話 「剣聖の秘奥義」

よく晴れたいつもと変わらない清々しい朝。

僕はいつもの様に剣の稽古をしていた。


以前は錬成で作った木剣を振っていたのだが、重さを感じなくなり今は鉄の剣を降っている。


こちらの方が石刃より少し軽いくらいの重さがあり、練習として使うには適していると思ったからだ。


誰に言われた訳でもないのだけど、そのお陰でオルセアとの模擬戦ではそれなりについていく事ができている。


オルセアが本気で相手をしているとは思わないけど、彼の剣は油断しているとついていけない程に早く、重い。


大人と子供だと言ってしまえばそれまでなのだが、一体何をどうしたらそこまでの剣さばきができるのかと、正直感服している。


毎日言われた事はきちんとこなしているが、中々自分の成長というものは気が付けないものである。


……本当に強くなっているのだろうか?


もちろんオルセアの教えを疑ってはいないし、剣を覚え始めた頃と比べればかなり成長したとは思う。


だけど、どうしても不安が付き纏ってきてしまう。


そんな心境の中剣を振っていると、オルセアが珍しく愛剣を携えて現れた。

普段僕の練習に付き合う時は、木剣を持って現れるのだが……何かあったのだろうか?


「アレン、ちょっと森へ付き合ってくれ」


……森?


唐突に言われたのだが断る理由もないし、それにまた魔王種が現れたのだとしたら一大事だ。


僕は「うん」と頷いてオルセアと共に森へと向かった。


門を通り、100メートルほど進んだ辺りで足を止めた。


この辺りは今後住宅地として切り開く予定にしている場所だが……ここに何が?


全く意図が分からなかったが、オルセアは静かに愛剣を構え、


「今からじいの秘奥義を見せる。よく見ているんだぞ」


そう言ってオルセアは僕に少し離れるように指示した。


その表情は僕が赤ちゃんだった時、馬小屋の床が抜け、落ちそうになった時に見せた表情よりも静かで、冷徹……上手く言えないけど、限りなく研ぎ澄まされた刀身のようだった。


次の瞬間、無風だった森に突風……いや、嵐のような風が巻き起こり、オルセアの目の前にあった数本の木が少しだけ揺れた。


そしてその数本の木は綺麗な切り口を見せながら、ゆっくりと倒れた。


絶句とはこういう時に使うのだろう。


……正直、速すぎて何が起こったのか分からなかった。


オルセアの剣の速さに影さえついていけないほどだった。


そして木を直接斬ったわけでもないのに、木は間違いなく倒れている。


何かが木に向かって飛んで行ったのは見えたのだが、あれは一体……?


オルセアは呆気にとられている僕に振り返ると、いつもの表情に戻っていた。


そして一言。


「これが秘奥義、天断(てんだん)だ。これをアレンに継承する」


僕は言葉もなく、ただ目の前で起こった事を受け入れられずにいた。






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