ー3章ー 25話 「魔王種の石」
石刃の正体は魔王種が死の間際に落とす石。
初めて明かされる真実だったが、そこまで驚きはしなかった。
現代のゲームシステムでは、魔物を倒すとドロップアイテムを落とすなんていう設定は割りとメジャーだったからだ。
……しかし何で石なんだ?
一見したら何の意味もない石にしか思えない。
その石をドロップして何か意味でもあるのだろうか?
倒した相手に拾われて、オルセアや僕のように武器として使われたら、魔物や魔王にとって脅威にしかならないのではないだろうか。
「じいの推測もあるが、分かっている事を話す」
そう言ってオルセアは静かに語り出した。
最初に話したのはあの石を見つけた経緯だった。
依然オルセアは魔物との戦いで、グランゼル王国で名を馳せていた鍛治職人から剣を作ってもらい、愛用していたそうだ。
当時はその剣に勝る物はないとまで言われていた名剣だったらしい。
そしてグランゼル領内に見た事のない凶悪な魔物が出現したとの報告があり、その名剣を携えて討伐に向かったそうだ。
相手は身の丈3メートルはあろうかというミノタウロスだった。
戦いは熾烈を極めたが、オルセアの剣技が勝り見事討伐に成功。
その際に何かが転がる音がしたので近づいてみたが、何の変哲もない石コロがあるだけだったそうだ。
不思議に思ったオルセアはその石コロを手にとると、石は急激に魔力を帯び出して剣に変わったそうだ。
その時はまだ魔王種が石を落とすという事は分からなかったそうだが、魔物と戦っているうちに普通の魔物は石を落とさない事が分かった。
その後時は流れ、再び凶悪な魔物が出現したとの知らせが届き、オルセアは謎を解き明かす手掛かりを求めて討伐に向かった。
激闘の末討伐に成功すると、あの時と同じように石コロが転がったそうだ。
転がったその石コロは、まるで最初からそこに落ちていたかのように景色に馴染んでいたと言う。
オルセアはその石コロを拾うと、やはり石は魔力を纏い剣に変わったらしい。
その後城へと戻ったオルセアは、当時同僚だった槍使いの友に持ち帰った石を握らせたが、魔力反応はあるものの武器には変化しなかったのだとか。
他にも数人に試したが変化はなく、唯一剣を扱える者が握った時だけ武器へと変化したらしい。
しかしオルセアが握った時にできた剣とは見劣りする出来だったようだが。
この事からオルセアは倒した人間の特性に反応するのだと分かったそうだ。
オルセアの特性は剣……僕の特性も剣。
……だから僕だけ形状変化したのか。
しかし謎はまだある。
なぜそのような人間側に有益となるような変化が起こるのかだ。
種の反映には脅威にしかならない気がするのだが……。
「何で石は自分たちの脅威になるような変化をするの?」
「そこは推測でしかないが……魔王になれなかった最後の抵抗なのだろう」
魔王種として進化してきた魔物が魔王になる前に命を落とす。
そして石に変わる……それにどんな抵抗の意思があるというんだ?
その疑問をオルセアはゆっくりと語り出した。




