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ー2章ー 24話 「大魔導師メルフェリア・ノクス、帰還」

大工さんとの話を終えたオルセアが僕たちの所へ姿を見せた。


少しだけ険しい表情をみせていたが、魔女っぽい人を見るなり顔が綻んだ。


「メルフェリアじゃないか!久しぶりだな……元気にしてたのか?」


暫くぶりの再開だったのだろう。

オルセアの声はどこか懐かしさと旧友に向けた、僕たちには発しない声色だった。


魔女さんはオルセアを見るなり、片膝をつき、「メルフェリア・ノクス、研鑽の旅より帰還いたしました」と挨拶した。


師弟関係の鏡のような立ち居振る舞いに、何だか背筋か伸びる。


オルセアは少し照れくさそうに、「孫の前でやめてくれ」とメルフェリアを立たせようと傍に駆け寄った。


話によると、この魔女さん改め、メルフェリア・ノクスさんはオルセアに才覚を見出され、現国王グランゼル・ドラクマに当時急務とされていた勇者パーティの一員として迎え入れられたのだとか。


任務が終わりメルフェリアさんたちのパーティは解散.……それぞれが自分の腕を磨く為に各地へ旅に出たそうだ。


こんな凄い話をここでサラッとしているけど、未だにオルセアは自分が「剣聖」だと口にしない。


僕は知っているけど、そんなに隠しておかなければならない事なのか?


メルフェリアさんは僕の腰をチラッと見て、


「オルセア様……この子の腰に下げているのはまさか……!」


僕があれ以来ずっと肌身離さず身につけている石刃。

それを見て気がついたのだろう……これが剣聖オルセアの愛剣の片割れだという事に。


弟子であればその辺の事情は知っているだろうけど、僕はそれを託された本当の意味はまだ知らない。


いずれ剣士として生きていけという事以外は。


メルフェリアさんは少し目を潤ませながらニッコリと笑みを浮かべ、


「……そう、君がね……きっと立派な剣士になれるわよ」


そう言って僕の頭を撫でた。


何を言いたかったのか分からなかったけど、この石刃に纏わる話があるのだろうと思った。


オルセアとメルフェリアさんはここでは何だからと、家へと向かった。


この森で生活して以来、オルセアの知人と呼ばれる人が来るのは初めてだ。

剣聖の弟子……国王が認めた存在。


その人がこの森へ来た理由は何なのかが、凄く気になる!


するとボルンが、「あのお方は、王国随一の大魔導師様なんですよ!」と教えてくれた。


なるほど……「魔女」と思ったのもあながち間違えではなかったのか。

僕はボルンから調味料と食材を分けてもらった後、香草を採りに森に向かった。


香草を採り終え調理場のある広場へ戻ると、メルフェリアさんが地面に何かを書いていた。

オルセアは真剣な眼差しでその様子を、腕を組んでジッと見つめている。


何が始まるんだ?


メルフェリアさんは慣れた手つきでスラスラと書き続けている。

暫くして出来上がったのは、巨大な魔法陣だった!


メルフェリアさんは大きな杖を地面に立て、何語を口にしているのか分からない言語で詠唱した。


反響するはずのない広場にメルフェリアさんの声が響いている。

そして魔法陣は赤く光始め、やがてその光は森全体へと広がっていった。


「これで当面心配ありません」


二人とも満足そうにしているが……

一体何をしたんだ?


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