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家に帰る。
今は俺しかいない家に。
――腹減ったなあ。
こんな時でももちろん腹は減る。
コンビニは近い。
俺は歩いてむかった。
そして教会の前を通ったときだ。
ちょうど中から神父が出てきた。
白人だがアメリカ人ではないと聞いたことがある神父だ。
教会は俺の家から歩いて一分もかからないところにあるが、俺はキリスト教とはまるで関係のない人間なので、神父のことも教会のこともよく知らなかった。
たまに会えば挨拶くらいはするが。
会ったので挨拶した。
神父が俺を見て、ものすごい顔をした。
まるでこの世の終わりを見たかのような。
「あなた、とんでもない!」
いつものように流暢な日本語だ。
俺は聞いた。
「なにがですか」
「あなた、とてつもないものがついてます!」
「それはなんですか」
「ああ、こんな恐ろしいものが現世に現れるなんて、信じられない。ありえない。もう終わりだ」
「だからなんですか」
神父は俺の顔をにらみつけるかのように見て言った。
「最強にして最悪の堕天使。つまりとてつもなく強大な悪魔があなたのすぐ後ろにいるんですよ!」
終