表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

その翌日のことだ。

俺を見て逃げる人間を二人見た。

一人は中年の男性。もう一人は女子高生だった。

先輩は相変わらず消息不明。

そして家に帰ると、母が倒れていた。

慌てて救急車を呼んだ。

診断の結果は心臓の発作だそうだ。

命の危険は今のところはないようだ。

しかし母は心臓に問題があったことなど今までなかったのだが。

この三日間で飼い犬が死に、父がひきにげにあい、母が発作で倒れた。

そして俺を見て逃げる見知らぬ人たち。

どう考えても普通ではない。

それはあの廃病院へ行った次の日から始まっているのだ。


いろいろと考えて、次の日は会社を休んだ。

父と母の看病と言うことで。

もちろんそれもあるが、もっと大事なようがある。

少し離れたところに有名なお寺があるのだ。

朝から出かけた。

寺に着き、住職につないでもらった。

出てきた住職は俺を見るなり言った。

「これはこれは、とんでもないものにとりつかれておりますなあ」

言いつつ、住職の顔には警戒と恐怖の色があった。

俺は聞いた。

「やっぱり、幽霊とか悪霊とか、そんなものでしょうか」

「違います。幽霊ではないですね」

「幽霊ではない。それじゃあなんなんですか」

「それはわかりません」

「わからない」

「ええ、わかりません。とても邪悪で恐ろしく強力な力を持っている存在なのはわかりますが、それがなんなのかはさっぱりわからないのです」

「……」

「あなたが大変なのは見ればわかりますが、私ではどうしようもありません」

住職は頭を下げて、奥に引っ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ