〜鬼金〜
婚約破棄者のはずだっのに。思い付きです。
一人の、少女がきらびやかな世界に胸を躍らされていた。到底、国外から亡命して来た家の子爵令嬢である彼女では着れるはずもない衣装を来ていた。
「アレクシス王子様!やっと見つけました」
「ミレラナ嬢!今日も美しいな」
「嫌ですわ」
仲睦まじい様子に国内の貴族たちは白い目で見ていることに気づきもしていなかった。
「あなた、 ミレちゃんたら、はしゃいじゃて」
「…そうだな、それにしてもこの国の舞踏会は毎回息苦しくて叶わないな」
「変な仕来りよね…」
扇を口元へとかざした。
子爵夫妻は15年以上この国で、暮らしているがコレが何時までも馴れなかった。 この国は、祝い事の席ではだいたい〝金霧〟をたくのだ。
突然、会場がザワ付いたのだ。
「私グオゥレ・アレクシスは、この度マカー・サリア侯爵とこの度婚約破棄いたします!」
「はぁ…それで?」
「わ、私は、この愛らしい。カサラ・ミレラナの事を愛してしまったのだ!」
「ヘェ~。それはそれは、まだ、成人も出来ていないお子様をですか?」
「ミレラナは、半分しか此方の血を引いていないのだから仕方ないではないか!叔母上も早くに亡くし可哀想な子なんだ優しさを持ってだな」
「嬉しいです!そんなに私を思ってくれているなんて。継母は、とっても優しかったけど私、寂しかったの…ゴホンゴホン」
アレクシスにすがりついて涙を浮かべた。
だが、サリア侯爵令嬢は、シャラリと耳に飾られた。成人の印を撫でた。王座に近いほどに、金霧は、濃くなる様になっている。
「あら、随分息苦しそうね? 婚約破棄は、別にいいは。ただ、一つだけいいかしら?」
「…何だ!」
周りは聞き耳を立てた。
「私も、一人紹介したい子がいるのよねぇ」
サリア侯爵令嬢は、一人のミレラナによく似た少女が姿を現した。成人の印であるバンダナと耳飾りを付けていた。
「お嬢様ァ、何だでこげん格好ばさせて」
クルクルと回る。
「この子は、ミレンダ…本物の貴方の従姉妹よ」
「「は?」」
カサラ子爵夫妻は、動揺した。何より妻は慌てた。自分の娘と取りえた事をバラされたから。
「あなた…違うの違うのよ。ちゃんと死んでたのよたしかに」
すがる手の汗が気持ち悪かった。前子爵夫人の死に方はかなり有名だったからだ。
結婚したが、夫が外国から連れてきた恋人に嫉妬した上に同時期に生まれた愛人の子供を道連れに死んだとされていたからだ。
その後愛人は、後妻に入り健気にも自分の子供を殺した前子爵夫人の子を育てたと。
「そう言う、事ではないんだよ。お前…ああ、なんて事だ早く…ミレラナ」
どういう事?私がアレクシス王子様に
「アレクシス…王子?」
「ミレンダさん…そのバンダナをとっていや」
この国で貴族の成人のバンダナを取るははしたない行為であった。
「よかよか、ウチは平民だに」
バンダナを外せば、金色の角が現れた。
「何それ、おしゃれだとでも思ってるの?気持ち悪〜い。…アレクシス王子様?」
「ミレラナ君は、そう思うのかい…そうか」
空気がさらに重くなった。
「この国の歴史も知らないのですよね」
昔、ある男が霧深い森に迷いこんだ。
その霧は金属を含み男の命を蝕んだ。
霞みゆく中で美しい女に出会った。女は、男をつれて霧のない地へと降りた。
「私は、鬼なのです」
「鬼でもなんでも良い、私は貴女と生きたい」
そうしてくにが出来た。
金角…鬼の角1年に一度生え変わる
金霧…鬼の栄養の一つ鬼の血を引いていないものには毒(外交官にはワインに血が混ぜてある1週間くらいは大丈夫)




