F7
「これって、俺のパソコン?」
いつの間にか右手に持っていたパソコンを見て、思う。
この世界に来る前、つまり、気を失う直前に使っていたノートPC。
なぜここに?
少々不思議に思う。
「でも、それよりも、もっと気になることがあるんだけど」
とってもとっても大事な。
「なんでパソコンの下のキーボードだけなんだよ!」
どうして画面がないんだよ!
というかこれ、折られて跡あるし!
「もしかして誰かが折ったのか!こう、画面とキーボードの部分もってバキってやったのか!ラァ!」
割と高かったんだぞこれ!
許せない
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「スゥー。落ち着いた」
落ち着いた、落ち着いた。
「・・・でも、一体どこから出てきたんだ。このキーボード」
持っていたら気づいていたはずと思しき。
「つまり、これが能力?」
そう思う。
でも、「Ctrl+space」って言った後に出てきたからそうなのかなぁ。
やっぱ能力かなぁ。
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「でも、このキーボードって何に使うんだろ?」
能力だと思われるキーボードを見て、思う。
「なんか説明書とかないの、これ」
最近、「説明書」っていうもの自体が減ってきてるしなぁ。
というか、そんな優しくないか、神様は。あと、世界は。
「うーん、どうしよう」
操作方法がわからない。
それすなわち、このキーボード(ノートPCの残骸)の価値が無くなるということ。
悩む。
「そういえば、「shift+F10」でショートカットを表示できたっけ・・・」
・・・ショートカットが表示できれば、このキーボードが何なのか、わかるかもしれない。
試しにやってみよう。
俺は、shiftキーとF10のキーを同時に押した。
すると、目の前にキーボードのショートカットが表示される。
ホログラム?だっけ?それみたいに。
「なんか、目線の向き変えたらついてくる」
目線に合わせて付いてくる。
すごい技術。
「で、ショートカットは何だ?」
俺は、視界の中心に青緑色で表示されているホログラムの文字を見た。
『Ctrl+A 身体能力強化』
「一個しかない・・・」
一個だけかよ。
「もしかして、レベルアップするごとにスキルが増える的なやつなのか?」
そんな簡単じゃあ無いだろうけど、流石に何個かあると信じる。
「でも、『身体能力強化』って、
元々の『Ctrl+A』のショートカットのどこを取ったらそうなるんだろう」
本来の『Ctrl+A』のショートカットは、『全てを選択』だったはず。
『身体能力強化』と全く関係ないんだけど。
「もう細かいことはどうでもいいね」
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「じゃ、『身体能力強化』使ってみよう」
なぜ、『Ctrl+A』が『身体能力強化』なのかは知らない。
とりあえず発動して色々と確かめてみる。
「えっと、確か・・・」
一瞬、キー配置を忘れかけたが、思い出し、CtrlキーとAのキーを同時に押す。
すると、全身が金黄色に光る。
多分、「身体能力強化」が発動したのだろう。
だが・・・
「やべ!さっきぐらい眩しい!」
かなり眩しい。
これじゃあ、目眩しだって。
「眩しい、、、あれ?なんか収まった・・・」
どうやら、発動時に強く発光するだけで、すぐに光は収まるみたい。
効果が目眩しすぎるのは置いておこう。
「まあでも、これで発動できたわけだよな?」
光はすでに収まったが、体にはオーラ?が付いている。
「よし。なら、効果を確認するために街まで走ってみよう」
今いる場所は、街から少し離れた草原。
細かいところを言うと、おばあさんと一緒に草食った場所。
ここから街まで、歩けば一時間、走っても、45分くらいだ(なお、体内時計)
本当に「身体能力強化」の効果が出るのなら、30分ぐらいには街に着くだろう(なお、体内時計)
俺は、体をほぐした後、スタンディングスタートの形になる。
「さあ、『身体能力強化』はどれほどの速さを見せてくれるのでしょうか」
実況人になりながら、街に向かって全速力で走り出した(柄にもない)
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