F6
「これからどうしよう」
おばあさんと別れた俺は、迷った。
「・・・とりあえず、能力を試すために、街を出よう」
自分の能力がどういうものなのかを知らないといけない。
でも、発動方法はまだわからないから、街の外で試してみる。
もし、なんか勝手に能力発動して、街を巻き込んで大爆発!とか起きたら嫌。
俺は、余計なことを言わないよう、いわゆるフラグを立てないよう注意しながら街を出た。
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「うーん、能力の発動方法ってなんだろう?」
街から少し離れた草原に来て、考えた。
確か、おばあさんが「今までの記憶の中にヒントがある」って言ってた。
「今までの記憶、か」
多分、異世界に来てからの記憶の中にヒントがあると思うんだよなぁ。
だって、能力って、この世界に来てから獲得したものだろうし。
俺は今までの記憶を思い出した。
ある日、キーボードのショートカットを覚えていたら、気を失った。
目が覚めると、いつの間にか異世界にいた。
初めは戸惑ったが、無事に街を見つけ、謎のおばあさんと出会った。
そして、そのおばあさんから様々なことを教えてもらった。
「大まかに言えばこんな感じだった」
意外にほとんど何もしていなかった。
俺は頭の中で、能力の発動に関係しそうなことはあったか考える。
「言うて何もないんだよなぁ」
ヒントって言われても、何かあったっけ?
・・・・・。
「そういえば、この世界に来る前、キーボードのショートカットとか覚えてたけど、
もやし、あの中にヒントがある?」
でも、いろんなショートカット覚えてたけど、一体どれがヒントなんだ?
「・・・やっぱ、気ィ失う直前のやつか?」
確か、気を失う前に覚えていたショートカットは、、、
「Ctrl+space・・・」
そう呟いた次の瞬間、突如、右手が光に覆われた。
「うわ!何これ!?」
思わず声を上げる。
「やばい!眩しい!、これ!」
こういう演出、ゲームとかでよくあるけど、絶対みんな眩しいって思ってるって。
ここは仕方ない。
目瞑ろう。
俺はしばらくの間、目を閉じた。
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「よし、多分もう大丈夫だろう、、」
光に怯えながら、俺はゆっくりと目を開けた。
「うん?これは、キーボード?」
右手には、俺が一生懸命配置を覚えていた、
あのノートパソコンの下半分。いるわゆキーボードの部分だけがあった。
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