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前章 訪れ
5/13

F5

特殊能力(スペシャルアビリティ)・・・


固有能力みたいなものというかそのものか。


まあ、よく聞く奴だ。


「と、とりあえず、これにて鑑定は終了ですので、ロビーへお戻りください。

能力(アビリティ)特殊能力(スペシャルアビリティ)、能力値のさらに詳しいことに関しては、付き添いのお方に尋ねてください」


受付嬢!はそう言うと、俺を鑑定部屋?から追い出した。


強引に終わらせられた。


というか、「付き添いのお方に尋ねてください」って、おばあさんに聞けってこと?




______________




鑑定が終わり、ロビーに戻った。


「鑑定結果はどうだったかい?」


ロビーでおばあさんが待っててくれていた。


うーん。


ここではまずい気がする。


「一旦外に出ましょう。

ここには人も多いことですし」


「まさか、とんでもない結果が出たのか?」


ハードルを上げないで欲しい。


「いや、そんなです」


闘力がやたら低かったからな、俺。



_______________




「よし、じゃあ結果を言ってくれ」


俺とおばあさんは、『ユニオン』の外に出て、近くにあったベンチに座った。


幸い、ここはあまり人通りが多い場所ではない。


「ちょっと待ってください。

今必死に思い出してるので、

えーっと、確か、

身体能力が108で、

魔力が205。

闘力が53で、

知力は92。

心力が131で、

適応力は404でした」


それにしても、闘力が低い。


日本にいたとき、運動とかあまりしなかった弊害。


「ふむふむ、なるほど。魔力と適応力がなかなか高いね」


「やっぱりそうなんですか」


受付嬢!の言っていたことは間違っていなかった様。


「ああ。魔力値に関しては、高ければ高いほどいい。

適応力も、高いと、何かと良いことがある。

だが、闘力が絶望的に低いな。

まあ、それは鍛えれば補えるだろう」


おばあさんの様子が変わった。


とても真剣になった気がする。


もしかして、元々冒険者だったりするのかな?


能力(アビリティ)はどうだった?」


おばあさんは真剣な顔で訊いてくる。


「えーっと、『キーボーダー』ってやつでした。

多分、特殊能力(スペシャルアビリティ)だと思うんですけど」


そういえば、そもそも、キーボーダーって何だ?


キーボード打つ人ってことか?


「『キーボーダー』・・・

確かに聞いたことのない能力(アビリティ)

・・・私も、多分、特殊能力(スペシャルアビリティ)だと思う」


おばあさんが別人。


「まあ、その能力(アビリティ)を試してみるのが一番早いしわかりやすいだろう」


試してみるのが早い・・・・


いや、ちょっと待て。


「・・・・能力(アビリティ)を発動する方法が分からないんですが」


慌てておばあさんに聞く。


おばあさんは少し困った表情をした。


「それが、特殊能力(スペシャルアビリティ)の場合、発動の方法もわからないのさ」


え?


詰む詰む?


俺は少し焦った。


「だが、一応見つける方法はある。

まず、基本的に、『能力(アビリティ)』というのは、生まれ持ったものではない。

生きていく中で、経験や知識などを得たりすると、自然に見に付くものだ。

だが、『特殊能力(スペシャルアビリティ)』は全く違う。

特殊能力(スペシャルアビリティ)』は、生まれた時に、既に定められているものだ。

だが、いつ身に付くのかはわからない。

生まれた時に既に持っている場合もあれば、成人になって身に付く場合もある。

そして、これが一番大事なんだが、『特殊能力(スペシャルアビリティ)』の発動条件も、能力自体も、自分の記憶の中にヒントがあると言われている」


自分の記憶の中にヒントが、か。


俺は、今までの記憶(こと)を思い出そうとしたが、なかなか思い出せない。


確か、この世界に来て・・・


今はいいや、あとで思い出そう。


「これ以上は何もわからない。すまないね」


「いえいえ。色々と教えてくださりありがとうございます」


これだけ分かればもう十分。


「おっと、こんな時間だ。では、私は少し用事があるから、ここでおいとまさせてもらうとするよ」


おばあさんはベンチから立ち上がった。


そういや、おばあさん、左腕に腕時計着けてる。


気づかなかった。


「いやー、君に会えて嬉しかったよ。いつかまた会おう」


おばあさんは、俺に手を差し出した。


俺は差し出された手をしっかりと掴んだ。


「はい。いつかまた」


おばあさんは、最初におばあさんと会った通りの方に歩いて行った。


いやー、それにしても、色々と教えてくれたおばあさんだった。

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