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前章 訪れ
3/13

F3

いきなり盛大に祝われた。


「あのー、俺、なんかやっちゃいました?」


恐る恐る聞いてみる。


よく聞く言葉だが全くもって意味が違う。


言い方も違う。


こんな怖気付きながら言う言葉じゃない。


「おっと、驚かしてしまってすまない。

今のは、この国恒例の挨拶さ」


おばあさんは、笑いながらもほんの少し頭を下げた。


・・・なんか愉快な国だな、オイ。


「そういえば、まだ名前を言っていなかったね。

私の名前は・・・いや、やっぱ言うのはやめておくよ。

「国のことを教えてくれた謎のおばあさん」って感じの立ち位置の方がかっこいいだろう?」


それ、俺が言いたかったセリフ!


物語における謎の人物が言うことで有名な!


くそぅ、謎の人物位置を取られちまった。


まあそれはともかく、さっき食料の国って言ってたけど、あれってどういう意味だ?


「さっき、「食料の国」って言ってましたけど、あれってどういう意味なんですか?」


「それのことなんだけど、実は・・・」


おばあさんが少しヤバそうな雰囲気になる。


この国には何かがあるのか!?


おばあさんは少し黙った後、


「・・・この国のものは全て食べることができるんだよ」


衝撃の言葉を放った。


な、なんだと!?


俺は今までにないくらいびっくりする。


「それって本当ですか!?」


流石に、そんな都合のいいことはありえないハズ・・・


「ああ、本当さ。この国のもの、物体は、巨大な岩から小さな雑草に至るまで、全て食べることができる」


おばあさん は 真剣な目 をしている。


そんな夢みたいなことがあるなんて!


いや、夢?ではないかも。


でも、本当にあり得るの?


実は、この人が嘘をついてるだけかもしれない。


「お?その目は信じてないな?」


おばあさんが、疑いの目を向けてくる。


当たり前じゃん、信じられない。


「そんなに信じないなら、本当かどうか証明してやろう」


おばあさんはそう言うと、街の南、俺が来た方向へ歩き始めた。


ちなみに、なぜ方角がわかったのかといえば、この通りにくるとき、道にでっかく、

 南 と書いていたからだ。

 ↓


いやー、この世界にも方角あるんだな。


探検家にとっては泣いて反復喜びするところだろう。


「何ボヤッとしてるんだい?ちょっと付いてきな」


おばあさんに呼ばれていることに気づき、

俺は慌てて付いて行った。


え、どこ行くの?



_____________




「ほら、着いたよ」


おばあさんは余裕の表情で俺を見ている。


その後、言われるがままにおばあさんに付いて行って、今、街から少し離れたところに着いたが・・・


「あのー、走るの速くないですか?」


おばあさん、むちゃくちゃ足が速かった。


「これぐらい、大したものじゃないさ」


いや、いろいろとおかしい。


「異世界だから納得できる」みたいな次元じゃない。


だって、おばあさん、時速80kmぐらいで走ってた。


一般人の七倍。


これはもうおかしい。


おかしい。


「実は、この足の速さにもちょっとワケがあるんだが、まあ、それは後で言うとして・・・」


ワケってなんだろう?


すごい気になる。


「さあ、早速、草を食べていこうか!」


おばあさんが地面に生えている草を引っこ抜く。


俺をここに連れて来たことといい・・・、行動までが早い。


そんなことを考えているうちに、

とっくにおばあさんは草を食べ始めている。


見た感じ、不味そうな顔はしていない。


「それって、本当に食べても大丈夫なやつなんですか?」


草を食べているおばあさんに聞いてみる。


「大丈夫に決まっているだろう。

実際、今、目の前で私が食べているじゃないか」


本当に?


そう思ったが、おばあさんは嘘をついているような素振りはしていない。


「怪しいなぁ」


俺は意を決して、おばあさんが食べているものと同じ種類の草を引っこ抜き、口の中に入れる。


ムシャムシャ。


咀嚼音がやばい。


「こ、これは!?」


でも、割と美味いぞ、これ。


なんていうか、チョコミントみたいな味だ。


俺はチョコミントが結構好きだから、だいぶ好きかもしれない。


「言ってた通り、本当にこれ食べれましたよ。というか、これ結構好きです」


「ほら、私の言った通りだっただろ。まあ、気に入ってくれてよかったよ」


おばあさんは満足した顔で俺を見た。



_________________




その後、少し時が経ち・・・


「では、失礼ですが、俺はこの辺で・・・

 色々と教えてくださり、本当にありがとうございました」


俺はおばあさんに頭を下げ、街へと歩きだす。


「おっと、どこにいく気かい?まだやることはあるよ」


後ろからおばあさんに肩を掴まれた。


う?


「ちょっと付いてきな」


さっきも見たな、こんな展開。


俺は言われるがままにおばあさんに付いて行った。

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