F2
「は〜、疲れた〜」
結構歩いた。
ざっと、1時間ぐらい。
「かなり進んだかな?」
山が遥かに見える場所まで来ている。
「もうそろそろ、街が見えてもいい頃なんだけどなぁ」
喉がカラカラ。
それに、足が痛い。
「こんなことなら運動しとけばよかったな」
最近、外に出なかった弊害。
「それより、街を探さないと」
このままだと倒れる。
まずい。
そう思った次の瞬間、視力が1.0から2.0へと上がった。
「見えた!」
方向、遥か遠くに街が見える。
「これでなんとかなる」
一安心。
生命の危機を察知して視力が上がったおかげ。
「あとは無事に街まで向かうだけ」
フラグだフラグ。
______________
あの後なぜか、何事もなく辿り着き、街の中に入った。
「フラグ立てても何も起こらないことってあるんだなぁ」
珍しい。
「そういえば近くまで来て気づいたけど、この街も大きいなぁ」
遠くから見たときはほとんど気が付かなかったが、日本の大都市には程遠いが、
人通りは多く、かなり発展している街だった。
街の周囲にも特に防壁や防人とかも無く及び居なく、「平和そのもの」感満載。
街の中も、ヤバそうなモンスターとかは居なく、人間しかいない。
「この様子なら大丈夫」
安堵する。
危ない街(意味深)には居たくない。
「じゃ、早速食料と水を手に入れないと」
でも、どうやって手に入れよう?
選択肢1 買う
選択肢2 盗む
選択肢3 自分で獲る(採る)
図が頭の中に描かれる。
「2はない。俺、犯罪者になりたくない」
それと、一生罪悪感を背負う。
「そうなれば、あとは1と3だけど・・・」
1も多分無理。
だって俺、金持ってない。
No money
というか、そもそもこの世界の通貨を知らない。
「円だといいな」
馴染み深いし。
「それはともかく、残るは3」
結局自分で探すしかない。
でも、どうやって探そう?
「・・・・・・・・・・・・そうだ、街の人に聞こう」
この世界の人なら何が食べれるかぐらい知っているだろう。
俺は、少し先にある、
露店が立ち並んでいるにぎやかな通りに向かった。
________________________
「よし、聞き込み開始だ」
通りに着いた俺は、早速聞き込みを始めた。
まずは、露天で果物もどきを売っているおばあさんに聞いてみる。
「あのー、、、すいません。ちょっと聞きたいことがあるんですが」
「おや、あまり見ない顔だね。どうしたんだい?」
おばあさんがこちらを振り向いて返事をする。
そういえば、言葉通じるんだな。
他言語だったら詰んでた。
「実は、お金を全く持っていなくてですね・・・・食べるものがなくて困っているんです。
そこで街の人に、この街の周辺にあるもので、何か食べれるものがあるか聞き込みをしていて、、、」
セリフがホームレスのそれ。
とても悲しい。
「おや、もしかして、あれを知らないのかい?もしかして、別の国のお人かい?」
おばあさんは優しい顔でこちらに問いかけてくる。
え?
もしかして、この国は、お金持ちしかいなくて、貧乏人は捨てられるみたいな国だったりする?
もしくは、さらにやばい国だったりする?
「あ、はい。実は、ついさっきここに来たばかりで・・・」
やばい。
いきなり怒鳴られたり、殴りかかってきたりしないかな?
「やっぱりそうだったかい。道理であれを知らなかったわけだ。
まあ、それは後で説明するとして、まずはこの国のことを説明しようか。
とりあえず・・・
ようこそ、食料の国、フィードへ」
おばあさんはそう言った。
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