F1
「Ctrl+Aで全てを選択、Ctrl+Xで切り取り・・・」
キーボードを見ながら、呟く。
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つい最近、パソコン、いわゆるPC、ゆわいるpersonal computerを買った。
割と高いノートPC(値段は言えないよ!)。
様々なことに使えるので、とても便利。
動画を見たり、ネットサーフィンをしたりなどなど・・・
しかし、中々キーボードに慣れることができない。
「えっと、ここがAで、ここがB・・・」
見慣れない配列のアルファベットを見つめながら、キーの位置を確認する。
「うーん、分からん」
これでどうやって文字を打ってるんだろう?
不思議。
ブラインドタッチしてる人とか頭おかしい。
ついでに指も。
俺なんてまだ、人差し指でしか打てない。
「まぁ、慣れか」
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それから二週間、キーボードをまともに打てるようになるまで少し特訓をした。
特訓といっても、ただただ文字を打っていただけ。
特殊なことはしていない。
が、かなり覚えることができた。
「アルファベットの配列はほとんど覚えられたから、あとはshiftとかかな?」
キーボードの左下辺りを見る。
キーボードには、「shift」や「Ctrl」など、アルファベット以外にも「ショートカットキー」と呼ばれるキーがある。
それぞれのキーには、様々なショートカットがあり、
とても便利。
例えば、shiftキー。
shiftキーは単体で押しても何も起こらないが、shiftキーを押しながらローマ字を打つと、大文字になる。
あと、FPSだとしゃがむ。
しかし、shiftキーにはショートカットがあまりないので、Ctrlキーの方を先に覚えてみる。
「Ctrl+Aは全てを選択、Ctrl+Xは切り取り、Ctrl+Cはコピー、・・・なるほど」
Ctrlキーは、その名の通り、かなりショートカットが多い。
さらに、普段PCを使っているときにも使える便利なものも多いため、最初に覚えたい。
「Ctrl+Zは一つ前にもどる、、、Ctrl+Vはペースト・・・」
一つずつCtrlキーのショートカットを確認していく。
「Ctrl+spaceは、日本語入力のオン/オh
次の瞬間、俺は気をロストした。
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「う、、、頭が痛い、クラクラする・・・」
頭を押さえながら体を起こす。
すると、そこはさっきまでいた自分の部屋では無かった。
だだっ広い草原。
それにすぐそこに見える巨大な山とそれに隣接する巨大な川。
「ここどこ?」
ここどこ?
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「すっごい大きい山だぁ」
すぐそこにあるため、頭を上に上げなければ山頂が見えない。
富士山より高い、多分。
そして、その隣には、かなり水が綺麗と思われる川。
「ファンタジーの世界ってこういう場所を言うのかなぁ」
現実離れしているというか何というか。
「・・・というか、ここはどこ?」
我に返り疑問に思う。
おかしい。
気を失う前は、自分の部屋にいた。
でも、いつの間にか知らない場所にいる。
「こんな場所に来た覚え無いんだけどなぁ」
そもそも、こんなところ日本にない。
「なら、誰かに連れてこられた?」
もし仮にそうだったとしても、連れてくる理由に心当たりがない。
私、お金持ってない。
No money
「なら、死んで天国に来た?」
それなら頭の上に輪っかとかがあるはず。
でも、頭の上には何もない。
さっきから「ない」が多すぎる。
「なら、別の世界に飛ばされた?」
別の世界、いわゆる異世界、るゆわいanother worldなら、この巨大な山だってあると思う。
「ということは多分、そういうことだろう」
俺は納得した。
文句なって言ってられない。
don't worry.
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「そういや、なんか持ってたような気が、、、」
ここがどこかは分かったので、持ち物を確認することにした。
ポケットに手を入れ、中を漁る。
「・・・何も無い」
何かを入れていた気がしたんだけど。
「でも、どうしよう。持ち物が何も無いってことは・・・」
食べるものが無い。
草原を探したら、何かあるかな?
でも、仮に食べれそうな植物とかがあったとしても、もしそれを食べて死んだら嫌だなぁ・・・
「・・・持ち物が何も無いのはまずいけど、街でも探そう」
俺は街を探すため、歩き出した、、、
「いや、ちょっと待て。これどの方向に行こう?」
街がある方向なんて分かるはずがない。
「ここに来て運ゲー」
今いる場所は、山に隣接している川の辺り。
ここから、どの方向へ進むかだが・・・
選択肢1 川の下流に向かって進む。
選択肢2 1の逆、つまり川の上流に向かって進む。
頭の中に図が描かれる。
「とりあえず、川に沿って進んだら何かありそうだけど、上流か下流どちらの方向に進もう?」
「、、、」
そういえば、川の下流って街がありそうなイメージがある。
「なら下流に行こう」
川の下流に向かって歩き始めた。
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