表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/95

第89話 図書館

「で、大火事になってしまったと」

「いやいや! 残りのアリを駆逐しようとしただけだから!!」


 山火事を止めて城へ戻ってきて、少し私が席を外している間に、レイナちゃんがフィネメイゼに今回の件を洗いざらい話してしまったらしいのだ。

 いや、レイナちゃんは多分悪気が無かったんだと思う。普通に楽しかったからその話を共有しようとしていただけ。山が燃えちゃって焦って大変だったーっていうのを共有しようとしていただけなんだろうけど、私にしては何で話したんだ……、っていう感じだ。


 いやね、まあ実際これで巣から出ていたアリをある程度倒せたわけだし、終わり良ければすべて良しじゃあないかなぁ……。


「はぁ、まあ良いです。で、森は資源としてどんな感じでした?」

「そうだね、良い観光資源になると思う。魔物もほとんどいないし、緑豊かでよかったよ」

「分かりました。なら数年掛けて少しずつ開発していきましょうか」

「そうして」

「未開の森は今は一応王家直轄地になっていますが、さすがに王家直轄地の範囲が広すぎて手に負えなくなってきているのですよ。なのでそろそろ貴族を増やしましょう」

「うむ、そうだねぇ」


 私たちの国は、初めに頂いた土地からみるみると膨れ上がっている。それはもう風船のようにみるみるみるみる。そんな膨大な領土に対して、ニシゾノ王国は貴族の数が少ない。まあそれは国が出来て間もなすぎるせいで功績を挙げている人が少ないと言うことが理由の1つにもなるんだけど。

 普通新興国家ってこんなに領土大きくないわけ。例外として、元々その土地にあって、国の名前が変わっただけとか、そういうのは基盤がしっかりしているから別だけどね。

 でも明らかに違う国が、戦争によって1つの国にまとめられている。基本そういう合併吸収の国の貴族は私の国では爵位を持っていないわけ。

 前の国でいくら偉くても、私の国からしてみれば正直そこまで。


 だっていつ裏切るか分からないからね。


「まあ、王宮で働いている人を何人か貴族にするって言うのが妥当かな?」

「あまり急に増やしすぎてもいけないので、じわじわと行きましょう。それで、未開の森に関してはどうしますか?」

「ここは王家直轄で良いんじゃないかな。正直資源とかも多いだろうし、観光地としての価値も高くなるから、あまり譲りたくはない」

「わかりました」

「じゃあ、あとはそっちで調整してくれる?」

「え? あ、はい」


 やばい。フィネメイゼが優秀すぎる。

 私の仕事すべてフィネメイゼに任せたい。私、お飾り国王で良いよ。






「だんだんと溜まってきたなぁ……」


 私、ガチ陰だったと言うこともあって相当な読書家だ。まあ、陰だからみんなが読書をするというわけではないだろうけど、私は結構読書をしていたタイプ。

 だからいろいろなところから本を集めて、王城内に図書館を作る計画を進めていたわけ。この世界では紙の価値が結構高い。ただ、量産の方法が確立されてきていて、徐々に価格は下がってきてはいる。それでも高い物は高い。平民にはなかなか手が出せないわけだ。


 私は、本を読むことがこの国の全体的な教養の増強につながると考えている。読書というのは文字を読むことでその作者の知識を自らの頭にインプットすることが出来る。

 そして、なぜ主人公がこう行動をとったのか、そういうことを考えることで、考える力も身につくと思っている。

 まあ普通に勉強した方が身につくんだろうけど、楽しんで少しでも身につくなら良いんじゃないかなって。


 だから、私は王城内に誰でも入れる図書館を作る。


 現実、既に建物は出来ていて、いろいろなところから本を取り寄せているフェーズに入っている。うちの国の識字率は、以前行った政策によって高くなっていて、本を読むことでもっと語彙も増やして欲しいなぁ。


「まあ、盗難がねぇ……」

「それはそうですね……」


 図書館を司書さんとぐるぐる回りながらそう話す。

 誰でも入れる図書館となると、盗難被害が発生する可能性が極めて高い。なんて言ったって本はこの世界では高価だ。そんな本を実際に無料で手に取れる場所。

 盗みたくなるだろう。


 対策として、地球での図書館のように家に持ち帰ることは出来ないようにする。あとは、いま王宮で本につけられる小さな魔道具の研究をしているので、上手くいったらそれで盗難を防止しようかなとは思っている。


 本を読んでいて、故意に破損したなどとあれば問題だが、わざとじゃなければ別に良い。修理すれば良いだけ。だからあまり制限を設けずに、誰でも気軽に読めるような図書館。

 本を読んでいる間は、貴族も平民も王族も関係無しに、みんなで目の前にある本に集中できるような、そんな空間を目指して関係者には頑張って貰っている。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ