第83話 過去一のやらかし
「さて、吹っ飛ばせばいいんだね?」
レイナに傷をつけた。この恨みは食事の恨みなんかを遙かに凌ぐ恨みだ。さっさと敵軍基地を吹き飛ばしてしまおう。
本当は戦場ごと吹き飛ばしてしまおうかと思ったのだが、戦場には我が国の兵士もいるわけで、さすがにそれは出来ない。
そうなると確実に自国民のいない場所に1発ドカンと打ち込んでしまうのが手っ取り早いわけだ。こんな無益な戦争さっさと終わらせてしまおう。
「えっと、拠点は……、あそこかな?」
自軍の拠点、この場所からギリギリ丘の上にテントが立っているのを確認することが出来た。
だが相当遠い。思っていたよりも遠い。そりゃあ魔法って言う自由に遠距離攻撃が出来るのが存在しているのだから、相当距離は離すだろうね。
流れ弾が飛んできたりしても大変なのだから。
「う~ん、さすがに遠いなぁ……。私魔法ってあんまり使わないから精度が高くないんだよね」
(じゃあ太くしたら?)
「そうだね。私もそれがいいと思う」
当たらないなら当てればいいのだ。
うん。何言ってるのかよくわからない。
狙わなくていい。なんたって私の魔力はスカウターも振り切れるほど潤沢にあるのだから。
53万なんかため息一つで吹き飛ばせるわい!
「私の魔力は7,827,358,672です」
(……)
「くらえッ、エクスプロージョンッ!!」
別にエクスプロージョンは放たないけどなんとなくかっこいいから言ってみた。
「って、ちょっと! これはさすがにやり過ぎだ!!」
手から青白い光がぬるっと出てきたとき、同時に私の体内からえげつないほどの魔力が出ていくのを感じた。
ぬるっと出てきた光は徐々にサイズを大きくしていき、最終的に、最終的に……。
なんかもう。……すっっっごくおっきくなった。
そして、敵軍基地目指し、音速を超えているときにしか出ないような爆音をかき鳴らしながら大地を揺らし、そのまま一直線に飛んでいった。
「……」
「へ、陛下……」
そりゃもう、見ていた騎士たちも絶句するほどには……。
「ねね様、やり過ぎじゃない?」
「そうだよねぇ。うん。これを見ればこの馬鹿な私でも十分にわかる。もぉうそれは痛いほどわかる」
この戦争、どの国も長引くと予想し、長期戦に備えて国内を整備していたのだが、すぐに終結することになった。
実は、我々の基地があったところ、私が魔力を放ったところから敵軍基地の直線上相当進んだところにとある重要な物があった。
この新聞の見出しを読んでほしい。
『【衝撃】我が国国王陛下より放たれた光線がヘリティア王国王宮を消し飛ばした』
「いやいや、さすがにわからんて。予想できるわけないじゃん。あまりにもご都合主義過ぎて突っ込み入れまくりだよ……。【衝撃】ってなに【衝撃】って。AnataTube?」
「ぷッ……、ね、ねね様? 変なこと言わないの」
「ああ、ごめんごめん」
「えっと、あなたちゅーぶとはなんでしょうか」
「ああいい。気にしないで。こっちの話」
フィネメイゼはいつもみたいに何言ってんのコイツみたいな顔してるけど、明らかにレイナ笑ったよね。
これ私のせい? 染まっちゃった感じ?
「まあでも戦争が終結したのですから、良いのではないですか?」
「国滅んだけどね」
「やったね! 領土が増えたよ!」
「……私はそんなこと望んでないんだよ?」
どうしてこうなったかって言われれば私は余裕で即答できる。
今までもこれからも私は絶対これに惑わされる。マジで本当に迷惑だった。
「……私もうステータス調整されてたよ?」




