第76話 終結
「まず、こちらも相当な被害をうけたため、賠償金を請求させていただく。これはよろしい?」
謁見の間から会議室のようなところに移動した私たちは、早速今回の交渉を行うことにした。
戦争の終結は早いほうがいいだろうということで、一度国に帰って体制を整えてから挑むのはやめた。圧倒的にこちらが有利なのだから大丈夫だろう。
正直レイナやフィネメイゼがいたほうがありがたいのだが、まあ今回は私がやりたいというのもある。
ニシゾノ王国陣営は国王であるニシゾノ・チナリただ1人。
対するケルスレイド帝国は、皇帝と執務大臣と財務大臣の3人である。
「賠償金は、そうですね。」
(紙、あ、ちがう。髪、上、守……アレー!)
(神だッ!!)
(はいはい神、どのくらいが妥当?)
(ちょっと、勘弁してよ……。まぁ、そうだねぇ……、金貨10万枚くらいにしてみたら?)
10万枚!?
(多すぎない?)
(どうせ交渉で下がっていくんだから最初はそのくらいでいいんだよ。)
神の言うことも一理あると思う。
どうせなんやかんやで値引きされるだろうから、最初に提示する額は釣り上げておいた方がいいだろう。
「賠償金は金貨10万枚、いただきます。」
「「「じゅうまッ!?」」」
「い、いくら何でもその額は!!」
そう返してきたのは相手の財務大臣だ。
「まあ、こちらも相当な被害を被りましたから、それくらいは頂きたい。」
私がそう返すと、3人で小声でひそひそと話し始めた。
実際、騎士たちが頑張ってくれたおかげでそこまで国内で被害は出ていない。
正直金貨1万もあったら黒字なのだが、先ほど神が言った通り10万からのスタートにする。
「えっと、7万くらいまでならば……。」
3万も引かれるか~、3万って日本円で30億だからなぁ……、って、逆に7万出せるのかよ!!まあ出せるか、大国だもんね。
「7万ですか……、それじゃあ少し少ないですね。そうですね、95,000ならどうでしょう?」
「95,000……、あの、8万なら……。」
おお!なんか交渉っぽいぞ!!
正直8万あったらもう十分すぎるほどなのだが、一応もうちょっと考えるようなそぶりを見せることにする。
「う~ん、う~ん」といった感じで声を出しながら溜める。
「なら、9万でどうでしょうか。」
私がそういうと、再び3人は話し始めたが、どうやら9万出すということになったらしい。
「わかりました。9万で。」
交渉成功!!90億円ゲット!!
この世界の90億円相当って相当だからね!!時代の進歩的にもすさまじい額の賠償金だよ!!
「次にいただく土地ですが――――――」
「土地!?」
「いや、当たり前でしょう。あなた方も土地を争って勝ち取ったからこそここまで巨大な土地を手に入れたのでしょう?こちらももちろんいただきますよ。」
その後、話し合いは順調に進んでいった。
「はい。大丈夫です。」
「じゃあこれにて話し合いは終了ということで!!」
話し合いは半日ほどで終わった。
金貨9万枚と、ケルスレイド帝国の土地の4分の1を譲渡、それは今のニシゾノ王国の大きさの1.5倍ほどの超巨大な土地である。
それに、ケルスレイド帝国とは不可侵条約を結び、友好関係を築いていくということになった。
今までそこまで盛んにおこなわれてこなかった貿易をたくさん行うことにしたし、通行税も格段に引き下げた。
まあそのほかにも様々なものがあるのだが、例えば学生の留学に関するものだったり、使節に関するものだったりとか、それはおいおいということで。
以前からケルスレイド帝国と関係はあまりよくなかったから、これを機に両国の関係が良くなっていくことを望むよ。
そのために結構こちらも譲歩したつもりだし。
ちなみに、あとで神から聞いたらケルスレイド帝国は相当大きな国だから金貨9万は払えない額じゃないらしい。
だからそこまであちらも痛手じゃないと思うとかなんとか。
ここであっちが弱って別の国に攻められたりとかされても困るわけだから、まあ妥当な数字なのかな?
ひとまず戦争が終結したことを帝都中に広め、騎士団に引き上げの命令を出してから私は王宮へと戻った。




