第60話 水はどこからやってくる?
とりあえず下水処理の方法は後々考えるとして、ひとまず下水を流すための水路を建設する必要がある。
同時に上水用の水路も建設してしまうことにする。
フェッペルゲン改造計画の時と同様に、今回もフェルイツに大体の作業を任せることとする。
また、フェルイツの知り合いにこの手に詳しいものがいたらしく、下水や上水等の設備は私とトリドーという二十歳ほどの青年と行うことにする。
作業は順調に進んでいるのだが、上水用の水をどこから取ってくるかというのが問題になってきている。
上水や下水の処理に関しては、私とトリドーの2人で実験を行い、完璧な状態になっている。おそらくこの世界でここまでちゃんとした水の処理の技術を持っているのはニシゾノ王国だけだろう。
下水にも水は必要なのだが、下水に使う水はそこまできれいではなくていい。そのため、王城のお堀に入っている水を使うこととする。
因みに、お堀の水は近くにある川から引いてきている。
では、上水に使う水はどうするか。
普通にお堀からやるのもいいのだが、すべてをお堀から取ってしまうとお堀の水がなくなってしまう可能性がある。お堀に水を引いている川も同様だ。
そのため、別の川、もしくは別の手段を講じる必要があるだろう。
一番最初に浮かんできたのが、雨水をためるという方法。
しかし、これはあまりにも安定性がなさすぎる。そのために却下である。
ちなみに、地球では酸性雨だとかそういう問題で、雨水をそのまま飲むのはあまりよくないこととされているが、この世界には排気ガスなんて言うものはまず存在しないので、雨をそのまま飲んでも問題はない。
でも抵抗はあるよね。
では次に、地下から水を汲むという方法だ。
この方法が考える中では最も楽だと思うのだが、この世界の技術力だとなかなかに厳しい方法だと考える。
まずどれくらい掘れば水が出てくるかなんて私にはわからないし、もし地下水を使うという方法になり、数年ほどそれでやってきた場合に、もともと地下水があった場所は水が抜けて空洞になっているだろう。
その空洞が崩れれば、地盤の沈下が発生する可能性がある。
それはあまりよろしくない。
そうなってくると、お堀に水を引いている川ではない別の川から水を引いてくるのがいいだろう。
なかなか簡単そうに聞こえるのだが、フェッペルゲンの周りには、お堀に水を引いているネル川以外の川が存在しないのだ。
厳密には、小さい川なら存在しているのだが、そこから王都全体に水を引けるかというとそれは厳しい。おそらく川の水が枯れてしまう。
なら、少し遠くの川から人工的に川を作って水を引くしかないだろう。
面倒だが、国民の生活を安定させるうえでしっかりやっていかないといけない。




