第55話 食堂
それから私たちは、時に生徒たちにもみくちゃにされながらも、学院の見学を行った。
そして、あっという間に4限目が終わって昼休憩がやって来た。
昼休憩は1時間で、その間に各自で昼食を取る。そして、昼休憩が終わった後にまた1限授業をして解散だ。
私たちは学院内に併設されている食堂へとやって来た。
ここでは、私や王宮の料理人たちが本気で考えた食事が生徒なら手ごろな価格で食べることができる。
「ねね様、種類が非常に多くて困っちゃうよ。」
早速食堂へとやって来た私たちだったが、私もびっくりするほどの種類で、なかなか選ぶことができない。
2分ほど選んで私たちが決めたのは、私が『焼き魚定食』で、レイナが『焼きそば』フィネメイゼが『オムライス』ということになった。
食堂は非常に込み合っていて、なかなか席が空いていなかったのだが、ありがたいことに先生方が席を開けておいてくれたらしく、申し訳ないと思いながらも座らせていただいた。
「「「おお!!」」」
それぞれの食事が届き、私たちは早速食べることにした。
私が頼んだ焼き魚定食は、白身魚の塩焼きにサラダ、そして白米もある。白米はゲルツさんに頼んだら見つけてきてくれて、今農場にて研究をしている。いずれ一般に普及するだろう。
今食べられるのは、王宮とこの学院の食堂しかない。
残念ながら、まだ味噌を作ることには成功していないため、汁物は澄まし汁のようなものになっている。
しかし、日本の味を思い出すため、非常に心温まる一品だ。
ふと前に目をやると、おいしそうに焼きそばをほおばるレイナの姿があった。
「おいしい?」
「うん!すごくおいしいよ!」
私が問いかけると、キラキラの笑顔でそう答えた。
そうやっておいしそうに食べてくれると、こっちもうれしくなる。
先ほどから黙っていると思っていたら、どうやらフィネメイゼは自身のオムライスを食べるのに夢中になっているようだ。
フィネメイゼはお米を食わず嫌いしており、オムライスの中にお米が入っていることをまだ伝えていない。きっと知らない食べ物だと思って食べているのだろう。
「陛下、このツブツブした白いものは何ですか?」
「お米だよ。」
「お米!?」
やっぱり気が付いていなかったようだ。
フィネメイゼは大きな声で叫ぶと、もう一度オムライスに向き合い、お米……と呟いている。
「お米、おいしいですね。」
そういうと、開き直ったかのように、先ほどよりも速いペースでオムライスを食べ始めた。
あっという間にわれわれの机の上から食べ物は消え失せ、それぞれ満腹になった。




