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第53話 学院見学②

「おお!ここが学院の畑!」


 王城にせり出すように作られている畑は、以前訪れた農場よりは小さいものの、ビニールハウスもある、しっかりとした畑であった。

 どうやら、農家の子供もこの学院へと来ているそうで、農業関係の自由選択を取る人は多いそうだ。

 国の基礎は農業や畜産などの生産をしてくれている人たちによってできているようなものなので、こうやって農業を学んでくれている人が多いというのは、凄くありがたいことだ。


 少しあたりを見渡すと、小さいながらも畜産用のエリアもあり、そこでは牛や豚などの動物が飼われているようであった。




 それからしばらく畑を見学し、レイナは収穫したいといっていたのだが、生徒が育てているものもあるだろうから、さすがにそれはやめさせた。

 時刻は8時、そろそろ生徒が登校し始めてくる頃だろう。


 私たちはそのまま学院内へと戻り、ホームルームを見学させてもらうことにした。


 この学院のクラスは普通コースが10クラス、選抜コースが8クラスに特選コースが1クラスだ。

 勉強や武術など、何か1つでも他者よりも特出して素晴らしいものがあれば、特選コースへと入れる。

 まあ、コースで分けられたからといって、そこまで大差があるわけではない。何か施設の使用が制限されるとか、そういったものはないし、寮の部屋が豪華になるというものもない。

 クラスで1人だけその分野に秀でている人が入ってしまうと、浮いてしまったり、授業の進行がうまくいかない場合がある。そのために、秀でている人は秀でている人でまとめたのだ。


 この学院では、権力は一切関係がない。

 農民だから立場が低い、貴族だから立場が高い、そんなくだらないものなどは一切ない。

 これは法律で定められていることで、貴族が自身の権力をかさに好き勝手やる様なら、厳罰を与える。これは、力の持った地主や商家なども同じである。

 ちなみに、この学院にいる間は、私に守られているということになるため、親同士が勝手に婚約を決めたり、学校をやめさせるということはできない。

 子供の許可を得て、私の許可を得てしないといけないのだ。


 ひどいことだが、親の圧力から逃げるためにこの学院に入ってきた人もいるらしい。この学院に入り、何か手柄を上げればそのまま王宮に勤めることができるかもしれない。

 希望の光が差し込んでいるわけだ。


 まあ、話が逸れたが、私たちはその中の特選コースのホームルームを見学することにした。




 8時半ごろ、早速特選クラスの1年1組へと入ると、どうやら気が付いた人がいるようで、クラスはざわざわとし出した。


「気が付いている人もいるだろうが、本日は国王陛下、王女殿下、アルキメデス侯爵殿がいらっしゃっている。くれぐれも無礼がないように。」


 1年1組の担任の、おじいちゃん先生は、生徒たちにそのように告げた。

 生徒たちは元気に返事をし、真面目に先生の話を聞いている。


(懐かしいなぁ……。)


 私にもこのような時期があったと考えると、感慨深いですねぇ……。


 私たちは、ホームルームが終わった瞬間、逃げ出すかのようにクラスを離れた。

 クラスに残っていたらもみくちゃにされる可能性があったからだ。


 次は1限目を見学に行くことにする。

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