第52話 学院見学
朝6時頃、執務室には私とレイナ、そしてフィネメイゼの姿があった。
「今日は、学院を訪れますよ!」
学院を訪問するという計画が出てから早3週間が経過し、ついに今日、学院を見学に行くのだ!
学院は王城のすぐ近くに建てられており、王城内にも一部学院の施設がある。
そのため、王宮を出てから、王城内を少し歩くだけで学院に到着することができる。
ちなみに、正門自体は王城の外にあるので、裏口から校内へと入ることになる。
準備を整えた私たちは、早速学院へと足を運んだ。
「おお、入学式ぶりに来たな。」
「そうですね。執務室の窓からは見えるんですけど、なかなか行く機会がないですから。」
まだ時刻が7時を回っていないということもあり、校内は極めて静かである。
あらかじめ、教師の方々には訪れることを伝えてあるのだが、生徒には伝えてはいない。
生徒たちの登校時刻が8時半なので、しばらく時間がある。
「では、本日はよろしくお願いいたします。」
「本日は、わざわざ学院のほうまで足を運んでいただき、ありがとうございます。校内はご自由に回っていただいて構いませんし、わからないことがありましたら、お近くの教員までお声がけください。」
このガタイの良い、強面の男性は、副学院長のブリンツだ。学院では、ギルドで冒険者をやっていたという経験を活かし、剣術を教えているらしい。
ほんとは1人案内役の教員をつけて回るようにする予定だったのだが、こっちが勝手に来ているだけなのに、それは申し訳ないと思ったため、このような形にさせてもらった。
「レイナ、回りたいところとかはある?」
「えーっとね、畑!」
「は、畑?えっと、畑ってありますか?」
まさか学院に畑があるわけないと、言おうかと思ったのだが、一応ブリンツに確認を取ることにした。
「ありますよ。」
どうやらあるみたいだ。
「では、最初にそこを回らせていただきますね。」
まさか学院に来てまで畑を見ることになるとは思わなかったよ……。
ていうか、農学のことも教えているわけだから、そりゃ畑もあるよな。
ゲルツさんが教えているって聞いたから、もしかしたらあの農場を使っているのかなと思っていたけど、さすがに毎回あそこまで行くのは大変だろう。
ひとまず、私たちは学院の地図を見ながら、畑を目指すことにした。




